
【非エンジニアのためのClaude/Claude Codeシリーズ】 Claude Codeに「自分の仕事」を覚えさせる方法 ─ 非エンジニア営業のCLAUDE.md活用
はじめに
こんにちは。
広域営業部の益子です。
唐突に自己紹介をしますと、私はエンジニアではありません。コードを書く仕事をしているわけでも、毎日のようにインフラを触っているわけではなく、AWSを中心としたクラウドソリューションの提案営業をしています。担当顧客は数百社。毎日、商談準備・メール作成・提案書・議事録整理といった作業を並行して回しています。
そんな私が、Claude Codeを業務のメインツールとして使い始めて数ヶ月が経ちました。
「Claude Codeって開発者向けのツールじゃないの?」と思われる方も多いと思います。私もそう思っていました。ところが実際に使ってみると、非エンジニアこそ恩恵を受けやすい使い方があることに気づきました。
その鍵が CLAUDE.md です。
最初の壁:毎回説明するのが面倒だった
Claudeを使い始めた頃、毎回こういう前置きをしていました。
「私はクラスメソッドという会社の営業です。担当顧客はAWSを使っている企業が多く、今日は〇〇社への提案メールを作りたいのですが…」
同じ説明を毎回打つのはストレスでしたし、説明が足りないとアウトプットがズレる。かといってプロンプトを毎回長く書くのも手間でした。
その時に知ったのが CLAUDE.md という仕組みです。
CLAUDE.mdとは何か
一言で言うと、「Claudeへの説明書」をファイルとして保存しておける仕組みです。
Claude Codeを起動すると、作業フォルダ内の CLAUDE.md を自動で読み込みます。ここに「自分は何者か」「どんな仕事をしているか」「どういう文体で返答してほしいか」を書いておけば、毎回説明しなくて済みます。
さらに CLAUDE.md は階層構造で設定できます。上の階層ほど「自分という人間の基本情報」、下の階層ほど「その作業に特化したルール」を書く使い分けができます。
~/.claude/CLAUDE.md ← 全プロジェクト共通の自分情報
~/Claude/CLAUDE.md ← このワークスペース全体のルール
~/Claude/customer/CLAUDE.md ← 顧客フォルダ専用のルール
| 階層 | 役割 | 書くこと |
|---|---|---|
グローバル(~/.claude/) |
常に読まれる「自分のプロフィールカード」 | 役職・業務内容・出力スタイル・行動指針 |
ワークスペース(~/Claude/) |
このフォルダ全体のルール | フォルダ構成・作業前の確認事項 |
サブフォルダ(customer/) |
顧客作業専用の追加ルール | よく頼む作業・ファイル管理ルール |
実際に書いた内容
グローバル設定(~/.claude/CLAUDE.md)
私について
- 所属: クラスメソッド株式会社 営業部
- 役割: AWS・クラウドソリューションの提案営業
- 主な業務: メール作成・提案書作成・商談準備(顧客事業理解、営業戦略立案)
出力スタイル
- 日本語で回答する
- ビジネス文書はですます調・丁寧語
- 結論を最初に書き、その後に理由・詳細を説明する(BLUF形式)
- 箇条書きと文章説明を組み合わせて、読みやすくする
行動指針
- アウトプットのイメージを持てるよう、まず構成案や選択肢を提示してから詳細を作成する
- 不明点は作業前に確認する(後から大きく作り直すより、最初に方向性を合わせる)
- 提案書やメールなど「相手に渡す文書」は、読み手の立場で違和感がないかチェックしてから出す
- 改善提案があれば遠慮なく言ってほしい(ただし最終判断は私が行う)
「出力スタイル」の効果:「結論を最初に書く(BLUF形式)」と書いておくだけで、Claudeが出してくれる文章の構造が変わります。長い説明の後にやっと結論が来る、という出力がなくなりました。
「行動指針」の効果が特に大きかったのは「いきなり答えを出さず、まず構成案を見せて」という指示です。設定前後で、Claudeの動き方がこう変わりました。
| 項目 | CLAUDE.md設定前 | CLAUDE.md設定後 |
|---|---|---|
| 私の入力 | 「A社向けのAWS移行提案書を作って」 | 「A社向けのAWS移行提案書を作って」 |
| Claudeの返答 | 提案書の本文をいきなり全部生成する | 構成案を先に提示してから本文を作成する |
| 結果 | 方向性がズレていたら最初から作り直し | 骨子を合意してから作るので手戻りが少ない |
顧客フォルダ専用設定(customer/CLAUDE.md)
顧客作業専用のルールです。「よく頼む作業」の一覧と、ファイル管理のルールを書いています。
# よく依頼する作業
## メール作成・改善
- 依頼・提案・フォローアップ・社内調整など用途を伝えれば下書きを作成する
- 既存の文章を渡したら、トーン・簡潔さ・説得力を改善する
- 件名の候補も出す
## 商談準備
- 顧客企業名や業界を伝えたら、事業理解・課題仮説・提案の切り口を整理する
- 営業戦略の壁打ち相手になる(アドバイスや問い返しを積極的にする)
## 議事録からの営業計画立案
- 商談の議事録を渡したら、以下を整理する
- 決定事項・合意事項
- ネクストアクション(担当者・期日つき)
- 顧客の課題・懸念・ニーズの読み取り
- 次回商談に向けた提案の切り口
- 顧客の発言から「本音・隠れたニーズ」を読み取る分析も加える
一番助かっているのがファイル管理のルールです。
## ファイルの受け渡し方
| 伝え方の例 | Claudeの動作 |
| --- | --- |
| 「〇〇社の議事録置きました」 | フォルダをスキャンし、命名規則に沿ったファイル名に変更・適切な場所に移動 |
| 「〇〇社で新しいプロジェクトが始まります」 | プロジェクトフォルダと meetings/ docs/ を自動作成 |
| 「〇〇社フォルダに入れておいて」 | ファイル名・内容からプロジェクトと種別を判断して配置 |
たとえば「A社の議事録置きました」と一言送ると、Claudeがフォルダをスキャンして命名規則に沿ってファイルを整理してくれます。実際の動きはこうなります。
Before(自分でファイルを管理していた頃)
customer/
└── A社/
├── 議事録20260520.txt ← どこに置くか毎回迷う
├── 提案書_最新版.pptx
└── 提案書_最新版2.pptx ← どれが正しいか分からなくなる
After(Claudeにファイル管理を任せた後)
customer/
└── A社/
└── 2026_AWS移行/
├── meetings/
│ └── 【議事録】A社_AWS移行_2026_05_20.md
└── docs/
└── 【提案書】A社_AWS移行提案_2026_05_20.pptx
「〇〇社の議事録置きました」の一言で、スキャン・命名・移動まで完了します。120社分の顧客フォルダを自分でメンテナンスしていた頃と比べると、この作業だけでも体感で半分以下の時間になりました。
書いてよかったこと
CLAUDE.mdを整備して変わったのは、「指示の短さ」と「アウトプットの精度」が同時に上がったことです。
| 項目 | CLAUDE.md整備前 | CLAUDE.md整備後 |
|---|---|---|
| メール依頼のやりとり | 「〇〇社は製造業で担当は情シス部長で…」と背景説明してからメール生成 | 「A社へのフォローアップメール作って」だけでOK |
| 理由 | Claudeが文脈を知らないので毎回説明が必要 | 顧客フォルダに議事録・提案書が整理されておりClaudeが文脈を読める |
指示は短く、返ってくるものは的確に。そのギャップを埋めているのが CLAUDE.md です。
まとめ
CLAUDE.mdは「Claudeに毎回同じ説明をしなくて済むようにする仕組み」ですが、書いていくうちに「自分の仕事の棚卸し」にもなります。どんな作業を頼みたいのか、どういうアウトプットを求めているのか、整理するプロセス自体に価値がありました。
エンジニアでなくても、Claude Codeは十分に使えます。むしろ、毎日大量のテキスト業務を抱えている営業職にこそ、試してほしいツールです。









