【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ 】散らかった一次情報を「自分の言葉で説明できる状態」にする ── 営業がClaudeを"要約デスク"にした話

【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ 】散らかった一次情報を「自分の言葉で説明できる状態」にする ── 営業がClaudeを"要約デスク"にした話

営業の日々の業務で、お客様の情報がメールやSlack、CRMなど色々な場所に散らかっていて、商談前の状況把握に時間がかかることはありませんか?私がClaudeを活用して「情報整理・要約」を型にして仕組み化し、毎回同じ品質で効率化した方法をお伝えします。
2026.06.24

はじめに

クラスメソッドで営業を担当している渡辺です。
広域営業部という部署で主に新規のお客様を中心にAWSインフラのご支援やクラスメソッドメンバーズのご案内を行っております。

このシリーズではすでに、議事録の作成、商談前の振り返り、CRMの更新リマインダー、案件分析のSkill化など、たくさんの「Claudeで業務を自動化してみた」話が出ています。
読んでいて気づいたのですが、多くは「アウトプット(出すもの)を自動化する」話なんですよね。

私がClaudeを一番使っているのは、実はその一歩手前の工程です。
「あちこちに散らかっている一次情報を読んで、自分の言葉で説明できる状態に整える」 ところ。
営業をやっていると、ここに地味に時間を取られます。

今回はその「情報整理・要約」をClaudeに任せて、さらに毎回同じ品質でできるように型にして仕組み化するまでの話を書きます。難しい設定は出てきません。

きっかけ:情報は揃っているのに「次の一手」が決められない

営業の1日って、情報の置き場所がとにかくバラバラです。

私の場合、1社のお客様についての情報が、

  • 商談・打ち合わせのメモ(Slack内のスレでのメモ/Googleのdocsのメモ)
  • お客様とのメールのやり取り
  • HubSpotなどに残したコメントやステータス
  • 過去の提案資料や見積もりの履歴

といった具合に、複数の場所に点在しています。

商談前に「このお客様、次どう進めよう」と考えるとき、本当にやりたいのは打ち手の検討なのに、その前に「で、この会社って今どういう状況だっけ?」を毎回思い出すところから始まる。
情報は揃っているのに、頭の中で整理しきれていないから次の一手が決められない。
これが地味にしんどかったです。

例えばお客様との商談直前に慌ててメールを遡ったり、引き継いだ案件の状況把握に時間がかかってしまったり、バタバタと焦ってしまうことが多かったです。

そこでまずやってみたことを段階ごとに順番にまとめました。

ステップ1:まずは「要約して」と投げてみた

最初にやったのは、本当に単純なことです。点在しているメモやメール文面をコピペして、

このお客様とのやり取りです。状況を要約してください。

とだけ投げてみました。

確かに要約はしてくれます。でも、しばらく使ってみて物足りなさが出てきました。

1つは、毎回フォーマットがブレること。
あるときは時系列でまとめてくれて、あるときは箇条書きの感想みたいになる。比べたいのに比べられない。

もう1つは、私が本当に知りたい観点が出てこないこと。
私が知りたいのは「で、次に何をすればいいの?」なのに、きれいな要約だけが返ってくる。
これだと結局、自分で読み直して打ち手を考えることになり、時短になりきっていませんでした。

ステップ2:要約の「型」を先に決める

そこで発想を変えました。
Claudeに丸投げするのではなく、「私がいつも知りたい観点」を先に型として渡すようにしたんです。

営業の私が、お客様の状況を見るときに必ず知りたいのは、だいたいこの4つでした。

  • 誰が(決裁者か、担当者か、温度感の高い人は誰か)
  • 何に困っているか(課題・きっかけ)
  • 今の温度感(前向き/検討中/一旦保留、の肌感)
  • 次の一手の候補(次にこちらから何をすると前に進みそうか)

これをそのままプロンプトの指示にしました。

以下はあるお客様に関する複数の情報です。次の項目に整理してください。
①キーパーソンと役割
②課題・きっかけ
③現在の温度感(根拠も一言)
④次の一手の候補を3つ、優先度つき
情報から読み取れないことは「情報なし」と書いてください。推測した箇所は「推測」と明示してください。

最後の「読み取れないことは情報なし」「推測は推測と明示」の2行が、個人的にはかなり効きました。
それまでは、もっともらしくAIが埋めた部分を私が事実だと勘違いしそうになる場面があったので、この2行を入れるだけで事実と推測の線引きがはっきりして、安心して使えるようになりました。

ステップ3:「毎回同じ観点」を仕組み化する

型ができたら、次は「毎回このプロンプトを貼り直すのが面倒」という話になります。

そこで、この指示をClaudeのプロジェクトのカスタム指示として登録しました。
やったことはシンプルで、上の「項目に整理する指示」と「事実と推測を分ける指示」をプロジェクトの指示文に入れただけです。
こうすると、そのプロジェクトの中では、情報を貼り付けるだけで毎回同じ観点・同じフォーマットで返ってくるようになります。

地味ですが、これが効きました。

  • 商談前の準備が「貼る → 読む」だけになった
  • お客様ごとに見るポイントがブレないので、頭の切り替えが速くなった
  • 出力フォーマットが一定なので、そのまま自分のメモに貼れる

「自動化」というと大げさなツール連携を想像しがちですが、私にとっての自動化は 「毎回考えていた“見る観点”を一度型にして、考えなくていい状態にする」 ことでした。

ステップ4:もう一歩 ──「アプローチの順番」も整理させる

慣れてくると、1社ずつだけでなく、複数のお客様の情報をまとめて貼って、

この数社について、今週アプローチすべき優先順位をつけてください。
理由は温度感と次の一手のやりやすさの2軸で。

と聞くようにもなりました。

最終的に誰に連絡するかを決めるのは私です。
でも、全体を俯瞰して「抜け落ちている会社がないか」「自分の感覚と違う順位はどこか」を見る相棒としては頼りになります。

やってみて気をつけていること

良いことばかり書きましたが、運用上いくつか気をつけている点があります。

  • 社外秘・個人情報の扱い。
    会社で利用が認められている環境で使うのは大前提として、貼り付ける情報は必要な範囲にとどめ、個人を特定する情報は仮名にするなど、社内ルールに沿って扱っています。

  • 鵜呑みにしない。
    あくまで整理と要約の相棒です。温度感の判断や「次の一手」は、最後は自分の目で確認して決めます。
    前述の「推測は推測と明示させる」指示は、このための仕組みでもあります。

  • 型は育てる。
    一度作った観点も、使いながら「これも欲しい」と思ったら足しています。
    最初から完璧を狙わず、使いながら直すのがおすすめです。

まとめ

このシリーズには「アウトプットを自動化する」記事がたくさんあります。今回はその逆で、インプット=散らかった一次情報を理解するところにClaudeを使い、それを型にして毎回同じ品質に仕組み化した、という話でした。

ポイントを3つに絞ると、

  1. 丸投げ要約ではなく、自分がいつも知りたい観点を「型」にして渡す
  2. 「情報なし」「推測」を明示させ、事実と推測を分ける
  3. その型をプロジェクトの指示に入れて、毎回考えなくていい状態にする

特別なツールも設定もいりません。「情報の整理に毎回時間を取られているな」と感じている方は、まず自分用の要約フォーマットを一つ作るところから試してみてください。


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