Claude DesktopとPlaywright MCPを連携してみた

Claude DesktopとPlaywright MCPを連携してみた

Claude DesktopとPlaywright MCPを連携させてみました。非エンジニアがブラウザを使用する業務を自動化できるようになるかも?
Clock Icon2025.04.08

はじめに

データ事業本部の藤川です。
先日、Microsoft社からPlaywright MCPが発表されました。早速、Claude DesktopPlaywright MCPを連携してみたのでご紹介します。

これまで、RPAツールを使った業務効率化により、担当者の負担が大幅に軽減されてきました。しかしながら、RPAツール自体の操作を学んだり、RPAツールに業務を覚えさせる操作が必要でした。

MCP(Model Context Protocol)というデファクトスタンダードの出現で、各種AIプロンプトと様々な拡張機能を提供できるMCPツールが連携できるようになりました。MCPツールがAIプロンプトの手となり、足となり、AIプロンプトのさらなる可能性を引き出してくれています。

今回ご紹介するPlaywright MCPはMicrosoft社がオープンソースとしてリリースしたものです。PlaywrightSeleniumのようなオートパイロットツールやE2Eテストツールとして進化し続けています。Playwright MCPによって、各種AIプロンプトがPlaywrightを操作できるようになりました。

Playwrightは大変使いやすく改良されていますが、ある程度コードを書ける知識が必要で、非エンジニア向けではないと考えています。Playwright MCPの登場で、非エンジニアでもPlaywrightを活用できるようになり、新たな業務課題の解決を期待できます。

やってみた

導入は簡単でした。エンジニアの皆様には簡単さがお分かりいただけたでしょうか。

  1. Node.jsをインストール
  2. Playwright MCPをインストール
  3. Claude Desktopをインストール
  4. Anthropicアカウントを登録
  5. Claude Desktopの設定ファイルにPlaywright MCPの設定を追記

Claude Desktopの設定

非エンジニアの皆様にも伝わるよう、セットアップ手順を見ていきましょう。

Playwright MCPをセットアップ

  1. Node.jsをダウンロードするページにアクセスし、Node.jsをインストールします。

    brew install node
    npm init -y
    
  2. PlaywrightPlaywright MCPをインストールします。

    npm add @playwright/mcp playwright
    npm install
    npx playwright --version
    
  3. 次のコマンドを実行し、ブラウザとPlaywright Inspectorが開けば問題ありません。

    npx playwright open
    
  4. Claude Desktopダウンロードページを開きます。

  5. Claude Desktopをダウンロードし、インストールします。

  6. インストールしたClaude Desktopを開きます。

  7. Anthropicアカウントが必要なため、アカウントを登録してください。Googleアカウントと連携すると、Anthropicアカウントに簡単にサインアップできます。

  8. Claude Desktopの設定ファイルにPlaywright MCPの設定を追記します。

  9. Claude Desktop設定を開きます。

  10. 開発者タブを開きます。
    claude_desktop_settings

  11. 構成を編集ボタンをクリックします。

  12. claude_desktop_config.jsonファイルが見つかります。このファイルのフルパスを調べるなどして、テキストエディタで開きます。(macosの場合、~/Library/Application\ Support/Claude/claude_desktop_config.jsonでした。)

  13. claude_desktop_config.jsonファイルに次の通り、Playwright MCPの設定を追記します。ブラウザの動きを見たいので、--visionを設定します。設定の詳細は、GitHubのmicrosoft/playwright-mcpページをご覧ください。

    {
      "mcpServers": {
        "playwright": {
          "command": "npx",
          "args": [
            "@playwright/mcp@latest",
            "--vision"
          ]
        }
      }
    }
    
  14. 設定を反映させるため、Claude Desktopを再起動します。

  15. Claude Desktop設定playwrightが追加されます。
    claude_desktop_settings_playwright

  16. Claude Desktopプロンプトツールボタンが表示されていることでも、設定できていることを確認できます。
    claude_tools_menu

  17. ツールボタンをクリックすると、利用可能なMCPツールを確認できます。
    claude_desktop_mcp_tools

  18. ここまで来れば、いつも通りプロンプトに文章を入力するだけです。

JPetstoreをセットアップ

  1. また、今回は敢えて認証が必要なシナリオを試したかったので、JPetstoreを用意しました。

    mkdir mybatis && cd mybatis
    git clone https://github.com/mybatis/jpetstore-6.git
    cd jpetstore-6
    docker compose up -d
    
  2. http://localhost:8080/jpetstore/ にアクセスして使用します。

  3. (使い終わったら、停止します。)

    docker compose down
    

使ってみた

  1. Claude Desktopに自然言語で指示します。具体的な手順を示さず、目的だけを伝えます。(プロジェクトマネージャーの気分ですね)

    http://localhost:8080/jpetstore/ にサインアップして、サイトの概要について教えてください。
    

    Claude1

  2. サイトにアクセスし、テストユーザーを登録しています。

    Claude2

  3. 別のタイミングですが、ブラウザではユーザー名、パスワード、メールアドレスなど、特に指定していませんが、それっぽいものを入力してくれます。

    playwright_mcp_jpetstore_regist

  4. Playwrightを使用し、ブラウザで表示(レンダリング)したページに表示されているもの(オブジェクト)を認識して、次に行うアクションを考えてくれます。

    Claude3

  5. サインアップが完了し、サインインしました。

    Claude4

  6. サイトにアクセスし、サイトの概要についてまとめてくれました!

    Claude5
    Claude6

さいごに

実際に触ってみると、もちろん、課題も見えてきます。

  • セキュリティの注意点

Claude Desktopからブラウザアクセスが必要な場合にダイアログが開き、このチャットで許可するボタンをクリックしなければなりません。非常に煩わしいのですが、セキュリティ面の安全性を保つためには必要です。ブラウザをヘッドレスモードで使用する場合は、ブラウザの動きが見えませんので、悪用される恐れもあるため必要な対策と考えます。

Claude_Confirm

  • 今後想定される課題

また、試していませんが、いずれCAPTCHAなども突破できるようになるでしょう。サイト/サービス提供者側でも対策が必要ですし、MFA(多要素認証)による防御は欠かせません。倫理面や法整備も必要となるでしょう。(少なくとも、機密情報やパスワードなど他人に知られるべきではない情報の入力は避けましょう)

  • 技術進歩への姿勢

このように、毒にも薬にもなるため、対策も必要です。今回に限ったことではなく、技術の進歩には付きものです。利便性を獲得するため、脅威への対策も怠らないようにしましょう。

  • 印象に残るエピソード

あるプログラマーが「自分の仕事を自動化して数分で終わらせていた」という告白が話題になった記憶があります。これが非エンジニアでもできる時代が来ているんですね。。。

主な適用業務

  1. E2Eテスト、クロスブラウザテスト、アクセシビリティテスト、パフォーマンステスト
  2. Webの自動スクレイピング(市場データの収集/競合分析/株価・価格変動の監視など)
  3. 業務プロセスの自動化、RPAツールの代替(フォーム入力・送信の自動化、データ入力作業、報告書の自動生成など)
  4. 監視業務(Webサイト、APIレスポンス、システムパフォーマンスの監視など)
  5. ユーザー行動のシミュレーション(A/Bテストなど)

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