Claude Fable 5がGemini Enterprise Agent Platformから再び利用可能になりました

Claude Fable 5がGemini Enterprise Agent Platformから再び利用可能になりました

2026.07.02

はじめに

こんにちは。
クラウド事業本部コンサルティング部の渡邉です。

2026年7月1日、米国の輸出管理命令により一時停止していたClaude Fable 5の提供が再開され、Google CloudのGemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)からも再び利用できるようになりました。リリース当初に、Google CloudのGemini Enterprise Agent Platformで検証してみようと思った矢先に利用が停止されてしまったので、利用再開された今やっと検証することができます。

https://www.anthropic.com/news/redeploying-fable-5

https://docs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/models/partner-models/claude/fable-5?hl=ja

本記事では、Google Cloud上でのClaude Fable 5の現在の提供状況、実際に利用する際の手順をご紹介します。

Google CloudでのClaude Fable 5の提供状況

Google CloudのModel Gardenモデルカードでは、Claude Fable 5は現在GA(一般提供)として案内されています。Claude Fable 5の主なスペックを以下に記載します。

項目 内容
モデルID claude-fable-5
ローンチステージ GA(一般提供)
リリース日 2026年6月9日
サポート終了予定日 2027年6月8日以降(未定)
最大入力トークン数 1,000,000
最大出力トークン数 128,000
入力 テキスト、画像、PDF
出力 テキスト

対応リージョン(モデル可用性)

  • 米国: マルチリージョン
  • ヨーロッパ: マルチリージョン
  • グローバル: globalエンドポイント

対応リージョン(ML処理)

  • 米国: マルチリージョン
  • ヨーロッパ: マルチリージョン
  • アジア太平洋: asia-southeast1

デフォルトクォータ(マルチリージョン)

  • QPM: 1,000
  • 入力TPM: 10,000,000(未キャッシュ・キャッシュ書き込み時)
  • 出力TPM: 1,000,000
  • コンテキスト長: 1,000,000

globalエンドポイントではQPM 2,000・入力TPM 20,000,000・出力TPM 2,000,000と、マルチリージョンの2倍のクォータが設定されています。

対応機能としては、Computer use・Web検索・バッチ予測・プロンプトキャッシング・Function calling・トークンカウントに対応しています。

料金(1Mトークンあたり)

SKU 通常 バッチ
入力 (Input) $10.00 $5.00
出力 (Output) $50.00 $25.00
5分キャッシュ書き込み $12.50 $6.25
1時間キャッシュ書き込み $20.00 $10.00
キャッシュヒット $1.00 $0.50

Claude Fable 5の再開前の挙動

Claude Fable 5の利用が再開される前も、Model GardenのモデルカードではClaude Fable 5はすでにGAとして表示されていました。

Model GardenのClaude Fable 5モデルカード。Agent Studioで開くボタンが表示されている

しかし「Agent Studio で開く」から実際に試そうとすると、「Enable the model API first(このサードパーティモデルを利用するには、先にモデルのAPIを有効化する必要があります)」というダイアログが表示され、そのままでは利用できませんでした。モデルの有効化自体もできないようになっていました。

Agent StudioでClaude Fable 5を選択した際に表示される「Enable the model API first」ダイアログ

Claude Fable 5のようなパートナーモデルは、モデルカード自体がGA表示になっていても、プロジェクトごとに利用規約への同意とモデルの有効化を行わない限り呼び出せません。次の「実際に試してみる」セクションでは、この有効化作業を実際の画面とあわせて説明します。

実際に試してみる

前提条件

  • Google Cloud プロジェクトが作成済みであること
  • gcloud CLI がインストール・認証済みであること
  • Agent Platform API(aiplatform.googleapis.com)が有効化されていること
  • Model Garden上でClaude Fable 5を利用するプロジェクトの権限があること

STEP1: Model GardenでClaude Fable 5を検索する

Google Cloud コンソールでModel Gardenを開き、モデルコレクションを「パートナーのモデル」で絞り込むと、Claude Fable 5がClaude Opus 4.8・Claude Sonnet 5などと並んで一覧に表示されるので、Claude Fable 5をクリックします。

Model Gardenでパートナーのモデルを絞り込み、Claude Fable 5のカードを選択する
Model Gardenでのパートナーのモデル一覧

STEP2: Advanced AI Safety Addendumへの同意

Claude Fable 5をプロジェクトで初めて有効化する際は、Model Garden上でAdvanced AI Safety Addendum(高度なAI安全性に関する追加条項)への同意が必要です(プロジェクトごとに1回)。モデルカードを開くと同意を求めるバナーが表示されるので、チェックボックスをオンにし、「条項に同意する」をクリックします。
Claude SonnetやOpusモデルを有効化する際には、Advanced AI Safety Addendumの同意は必要なく、Claude Fable 5のみで同意が求められるようになっています。

高度なAI安全性に関する追加条項への同意を求めるバナーと同意チェックボックス
高度なAI安全性に関する追加条項への同意を求めるバナーと同意チェックボックス

同意が完了するとバナーの表示が「規約に同意しました。」に表示が変わり、それまでグレーアウトしていた「有効にする」ボタンがクリックできるようになりました。

条項への同意完了後、有効にするボタンが押せるようになった状態
条項への同意完了後、有効にするボタンが押せるようになった状態

STEP3: モデルの有効化をリクエストする

「有効にする」をクリックすると「Claude Fable 5 の有効化」画面に遷移します。Anthropicは不正利用の可能性を調査する目的で、Agent Platformのリクエスト/レスポンスロギングの有効化を推奨しています。また、Web検索など一部の機能を利用する場合はモデルが公共のインターネットにアクセスできる必要がある旨もあわせて案内されます。

画面下部のフォームでは、SonnetやOpusのモデルを有効化する際と同様の、連絡先メールアドレス・本社の場所・業種・Claudeモデルの想定ユーザー・想定ユースケースといった企業情報を入力し、Anthropicの利用規約が定める追加要件に該当するかを選択します。入力後、「次へ」をクリックします。

Claude Fable 5の有効化リクエストフォーム。ロギングの推奨案内と企業情報の入力欄がある
Claude Fable 5の有効化リクエストフォーム

STEP4: 料金・利用規約への同意

次の画面では、コンテキストウィンドウサイズごとのSKU単価(例: Batch Cache Read Tokens)が一覧表示されます。内容を確認し、Google Cloud Marketplace利用規約およびAnthropic利用規約への同意チェックを入れて「同意する」をクリックします。

SKU単価の一覧とGoogle Cloud Marketplace/Anthropic利用規約への同意チェックボックス
利用規約への同意チェックボックス

STEP5: 有効化の完了

同意が完了すると「Claude Fable 5 を購入しました」という確認画面が表示されます。「Manage on Agent Platform」をクリックすると、Agent Platform上でClaude Fable 5を実際に呼び出せる状態になります。

Claude Fable 5の購入完了画面とManage on Agent Platformボタン

STEP6: Anthropicとのデータ共有を有効化する

ここまでの手順を完了した状態でAnthropic Vertex SDKやAPIを呼び出すと、以下のような403エラーになりました。

anthropic.PermissionDeniedError: Error code: 403 - {'error': {'code': 403, 'message': "Access to this model requires data sharing to be enabled for publisher 'anthropic'. Please set `PublisherModelConfig.data_sharing_enabled_provider` to 'anthropic' via the setPublisherModelConfig API to use this model.", 'status': 'PERMISSION_DENIED'}}

Claude Fable 5はAnthropicとの「MaaSパートナーとのリクエスト・レスポンス共有」の対象モデルです。Anthropicのサービス固有規約により、不正利用監視のためプロンプトとレスポンスをリアルタイムでAnthropicと共有することが求められています。Model Garden上での有効化(STEP2〜STEP5)とは別に、setPublisherModelConfig APIで dataSharingEnabledProvider をプロジェクト・ロケーションごとに明示的に ANTHROPIC へ設定しない限り、モデルの呼び出し自体が拒否されるようでした。

エンドポイントのプレフィックス(ENDPOINT_PREFIX)は、呼び出すモデルのロケーションによって以下のように異なります。

ロケーション ENDPOINT_PREFIX
global エンドポイント aiplatform
useu などのマルチリージョン aiplatform.LOCATION.rep(例: aiplatform.us.rep
us-central1 などのリージョン LOCATION-aiplatform(例: us-central1-aiplatform

globalエンドポイントの場合、以下のcurlコマンドで dataSharingEnabledProvider を有効化できます。

PROJECT_ID=YOUR_PROJECT_ID
LOCATION=global
PUBLISHER=anthropic
MODEL_ID=claude-fable-5

curl -X POST \
  -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" \
  -H "Content-Type: application/json; charset=utf-8" \
  -d '{
    "publisherModelConfig": {
      "dataSharingEnabledProvider": "ANTHROPIC"
    }
  }' \
  "https://aiplatform.googleapis.com/v1beta1/projects/${PROJECT_ID}/locations/${LOCATION}/publishers/${PUBLISHER}/models/${MODEL_ID}:setPublisherModelConfig"

成功すると以下のレスポンスが返ります。

{
  "name": "projects/YOUR_PROJECT_NUMBER/locations/global/operations/2193667534413103104",
  "metadata": {
    "@type": "type.googleapis.com/google.cloud.aiplatform.v1beta1.SetPublisherModelConfigOperationMetadata",
    "genericMetadata": {
      "createTime": "2026-07-02T02:18:07.490087Z",
      "updateTime": "2026-07-02T02:18:07.490087Z"
    }
  },
  "done": true,
  "response": {
    "@type": "type.googleapis.com/google.cloud.aiplatform.v1beta1.PublisherModelConfig",
    "loggingConfig": {},
    "dataSharingEnabledProvider": "ANTHROPIC"
  }
}

設定内容は、以下のリクエストで確認できます。

curl -X GET \
  -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" \
  "https://aiplatform.googleapis.com/v1beta1/projects/${PROJECT_ID}/locations/${LOCATION}/publishers/${PUBLISHER}/models/${MODEL_ID}:fetchPublisherModelConfig"

以下のレスポンスが返れば設定は反映されています。この設定完了後にSTEP7・STEP8のリクエストを実行すると、403エラーが解消されます。

{
  "loggingConfig": {},
  "dataSharingEnabledProvider": "ANTHROPIC"
}

STEP7: curl でリクエストする

モデルの有効化とデータ共有の設定が完了すれば、curlコマンドを利用して claude-fable-5 を指定して呼び出すことができます。

MODEL_ID=claude-fable-5
LOCATION=global
PROJECT_ID=YOUR_PROJECT_ID

curl \
  -X POST \
  -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)" \
  -H "Content-Type: application/json; charset=utf-8" \
  https://aiplatform.googleapis.com/v1/projects/${PROJECT_ID}/locations/${LOCATION}/publishers/anthropic/models/${MODEL_ID}:streamRawPredict -d \
  '{
    "anthropic_version": "vertex-2023-10-16",
    "messages": [{
      "role": "user",
      "content": "Hey Claude!"
    }],
    "max_tokens": 1024
  }'

以下がレスポンス内容です。"model": "claude-fable-5"と表示があることからClaude Fable 5が利用できていることが確認できます。

{
	"model": "claude-fable-5",
	"id": "msg_vrtx_01PyhTMTcFqREekh356AzvnM",
	"type": "message",
	"role": "assistant",
	"content": [
		{
			"type": "thinking",
			"thinking": "",
			"signature": "CAISlQIKZAgPEAIYAipALancNXfeC8zA6OC+llqOBlvqrAArmexV3HU2Fe2VQ3MUYSHPJSFGAw+iGddTLkX1n7aluhKaoRJGpCJqzPCuEzIOY2xhdWRlLWZhYmxlLTU4AUIIdGhpbmtpbmcSDGgyJ36ohohwlV70jhoMJvvjjXhkLm6EfS4pIjDgENxzTnH/U5MWTgFoLtEZPx6v9NeFUPfbrc9H5jdvWkipwD3/n9rPsGFOq2ZTxksqX7C15jKxuX+YJTRAjnLEk+kQbCNb18dgDf/8re/UA7p6Bz4BODfucRUDGoKQGsnh6/3hlt81Mx9f+AMvibVzTr0PWP+529UGlY3tJfDsYbq+O9cYFZChPhj8OSm11NeAGAE="
		},
		{
			"type": "text",
			"text": "Hey! Good to see you. What's on your mind today—anything I can help you with, or just stopping by to chat?"
		}
	],
	"stop_reason": "end_turn",
	"stop_sequence": null,
	"stop_details": null,
	"usage": {
		"input_tokens": 13,
		"cache_creation_input_tokens": 0,
		"cache_read_input_tokens": 0,
		"cache_creation": {
			"ephemeral_5m_input_tokens": 0,
			"ephemeral_1h_input_tokens": 0
		},
		"output_tokens": 71,
		"output_tokens_details": {
			"thinking_tokens": 33
		}
	}
}

STEP8: Python(Anthropic Vertex SDK)でリクエストする

次は、Anthropic Vertex SDK を利用して、Claude Fable 5を呼び出してみます。
まずは、必要なライブラリをインストールします。

pip install -U google-cloud-aiplatform "anthropic[vertex]"

以下の Python コードを実行してみます。

from anthropic import AnthropicVertex

project_id = "YOUR_PROJECT_ID"
region = "global"  # グローバルエンドポイント。データレジデンシー要件がある場合は "us" / "eu" やリージョン名を指定

client = AnthropicVertex(project_id=project_id, region=region)

message = client.messages.create(
    model="claude-fable-5",
    max_tokens=1024,
    messages=[
        {"role": "user", "content": "Hello, Claude fable 5!"}
    ]
)
print(message.model_dump_json(indent=2))

以下がレスポンス内容です。こちらもcurlでの呼び出しと同様に"model": "claude-fable-5"と表示があることからClaude Fable 5が利用できていることが確認できました。

{
	"id": "msg_vrtx_0145WYU6vVnYkqP2jAXLipXw",
	"container": null,
	"content": [
		{
			"signature": "CAIS8AMKZAgPEAIYAipAPuxYhTC1/XLk3gQAFZEyvX50vmIpWtxhA6nMAvLxCyPRIlNPkmJRAYMYJmFW1ds364LggBDMame5L582m/zKLjIOY2xhdWRlLWZhYmxlLTU4AUIIdGhpbmtpbmcSDD6PzjSqcS6kxogRSxoMWLxgnccvcvp9JXFVIjA3Wblue5Ee1sbciJBTJv3M/jSWJyK1FRDJImRQubzca315Y0TO4ceM06zHG0ARuO4quQKM8deL6JEQZ5eYsDxhKBP1fk/jr6rYgPnztzBpDxfDLh3U8Kx2jCRDfvVZjfEgbZGUNr1kgtDmDFbYxLlpSP2/DHsexD6W5ptw7D9JcJrtt80kTM01Ds4glovS/5zUmABsmaMA3VMfI2bV/Jvtl36BzbC6g7+LZofmlxQbXRGjs6P7gvH8RJ3i52iZRldklx+EYR0TaeuiKZPLHxs2Jju60tiBJ2dzfb1FPaG4UcwQgTFDl5f+WzwHRkbB7oJkkm0JrczWGQiAQ7HnOgRG6ywytx09i8eLQ4oOH0r+F9r0LhhjM+cJ9JFV1LtlzVGRSd115s0U61HIP/F+jHWv31qEUiGmcAYJXu0wbKjit6zzHOil1wWRKLUH0Ur8SmE4oKoDOXOiLBG3vnu5aGM2wJq7AKOU22+B9EoNGAE=",
			"thinking": "",
			"type": "thinking"
		},
		{
			"citations": null,
			"text": "Hello there! 👋\n\nI'm Claude, happy to meet you! I noticed you mentioned \"fable 5\" — were you perhaps looking for:\n\n1. **A fable?** I'd love to write you a short tale with a moral!\n2. **Five fables?** A whole collection, coming right up if you'd like!\n3. **Something else entirely?** Just let me know!\n\nHere's a tiny one to get us started:\n\n> **The Ant and the Raindrop**\n> An ant carried a crumb ten times her size. A raindrop fell and washed the crumb away. \"All that work for nothing!\" laughed a beetle. The ant simply picked up another crumb. By evening, she had a full pantry — and the beetle had only his laughter.\n>\n> *Moral: Setbacks stop only those who let them.*\n\nWhat can I help you with today? 😊",
			"type": "text"
		}
	],
	"model": "claude-fable-5",
	"role": "assistant",
	"stop_details": null,
	"stop_reason": "end_turn",
	"stop_sequence": null,
	"type": "message",
	"usage": {
		"cache_creation": {
			"ephemeral_1h_input_tokens": 0,
			"ephemeral_5m_input_tokens": 0
		},
		"cache_creation_input_tokens": 0,
		"cache_read_input_tokens": 0,
		"inference_geo": null,
		"input_tokens": 18,
		"output_tokens": 390,
		"output_tokens_details": {
			"thinking_tokens": 118
		},
		"server_tool_use": null,
		"service_tier": null
	}
}

まとめ

Claude Fable 5が輸出管理命令による約3週間の停止を経て、2026年7月1日に全世界で利用が再開され、Google CloudのGemini Enterprise Agent Platformからも引き続きGAモデルとして利用できるようになりました。

Google Cloud上の提供条件は停止前と同様で、有効化にはAdvanced AI Safety Addendumへの同意が必須であり、プロンプト・レスポンスの30日間保存を含む乱用監視の仕組みが組み込まれている点は押さえておく必要があります。

実際に利用する際にはいくつか注意点もあります。

前述のとおりプロンプト・レスポンスは最大30日間、乱用監視目的で保存されるため、機密情報を扱う場合は事前に社内のセキュリティ・コンプライアンス部門と確認しておいたほうがよいと思います。加えて、Model Garden上でモデルを有効化しただけでは呼び出せず、setPublisherModelConfig APIで dataSharingEnabledProviderANTHROPIC に設定するまでは403エラー(PERMISSION_DENIED)になる点にも注意が必要です。

長時間の自律的なコーディングタスクやエンタープライズ向けの大規模な知識作業にClaude Fable 5の活用を検討されている方は、最新の提供状況をModel Gardenのモデルカードで確認のうえ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事が誰かの助けになれば幸いです。

以上、クラウド事業本部コンサルティング部の渡邉でした!

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