ClaudeのChatとCoworkの統合は、実行基盤がクラウドに揃ったということ

ClaudeのChatとCoworkの統合は、実行基盤がクラウドに揃ったということ

ClaudeのChatとCoworkの統合を、実行環境の変遷から整理します。PC上のVMで動いていたCoworkがクラウドで動くようになり、必要なときだけVMを使うChatのセッションとして1つにまとまりました。
2026.11.06

2026年9月16日、ClaudeのChatとCoworkを1つの「Claude」に統合すると発表されました。

https://claude.com/resources/articles/cowork-is-now-claude

現在は、TeamプランやEnterpriseプランでもこの統合版を利用できるようになっています。

本記事では、サーバーとPCで別々に動いていたChatとCoworkが、クラウドの同じ実行基盤に歩み寄った流れを整理します。

当初のChatはサーバーで、Coworkはクライアントで動いていた

当初のChatは、WebアプリケーションとしてAnthropicのサーバーで処理を行っていました。一方、Coworkでは、デスクトップアプリケーションが利用者のPC、つまりクライアントでその処理を行っていました。

この実行場所の違いは、記録を取得する仕組みの違いにつながります。Chatの処理はサーバー側で記録できます。一方、CoworkやClaude Codeの処理はPCで処理されるので、サーバー側からは記録を追いにくくなります。

監査ログやCompliance APIが当初はChatだけに対応していたのは、このあたりに起因していると思われます。その後、2026年8月にはCompliance APIが拡張され、CoworkやClaude Codeのセッションも取得できるようになりました(Compliance API coverage extends to Claude Cowork and Claude Code)。

CoworkのVMがクラウドで動くようになった

Coworkは、コードの実行などの処理を、PCのOSから隔離されたVMで行います。当初は、PC上で動くローカルセッションだけでした。ローカルセッションでは、VMはPC上で起動し、macOSではApple Virtualization.framework、WindowsではHyper-Vの上で動きます(Claude Cowork architecture overview)。

その後、VMの部分を含めてセッションをクラウド(Anthropicのサーバー)で動かす、クラウドセッションが使えるようになりました。クラウドのVMは、セッションごとに用意される使い捨てのサンドボックスです(Claude Cowork architecture overview)。

この変更に伴い、VMを起動できないPCや仮想デスクトップ(VDI)からも、Coworkを利用できるようになりました。

Unified Claude Security Best Practices v1.3.4によると、このクラウド環境は、Chatと同じ Firecracker ベースのマイクロVMで動くとあります。

"runs in its own Firecracker microVM, the same kind Claude chat uses, on the same infrastructure."

実際、クラウド実行時の /proc/cmdline を確認すると、 microVM(Firecracker)の利用(--firecracker-init) や vsock(--control-vsock-port等)によるホスト・ゲスト間通信を確認できます。

また、Coworkがクラウドで動くようになったことで、Chatのようにブラウザやモバイル端末からも同じセッションを使えるようになりました。

実行環境(クラウド)とインターフェース(デスクトップアプリ、ブラウザ、モバイル)の分離と言えるでしょう。

ChatとCoworkの統合

Coworkをクラウドで実行できるようになると、ChatとCoworkは同じ画面を共有し、入力欄で「Chat」か「Cowork」かを選んでから依頼する形になりました。

Coworkはクラウドで実行できるようになり、Chatもコードの実行やファイルの作成を行えるようになりました。両者が歩み寄ると、「Chat」と「Cowork」のどちらを選べばよいのかが分かりにくくなります。

こうした流れを受けて、ChatとCoworkが統合されるのは、自然な流れです。

統合後の入力欄からは、ChatとCoworkの切り替えがなくなりました。

統合後のセッションは、Chatのセッションを土台に、コードの実行やファイルの作業などが必要なときだけVMを使うと説明されています。

Unified Claude is a chat session that can upgrade itself to require a VM when a task needs agentic work, and downgrade back to no-VM mode when it doesn't

Unified Claude Security Best Practices v1.3.4

デスクトップアプリが必要な作業は残る

クラウド実行への移行後、多くの作業はブラウザ経由でも行えます。ただし、PCのファイル操作、ローカルMCPサーバーの利用、ブラウザ操作などには、PC上でデスクトップアプリを起動しておく必要があります(Use Claude Cowork on web, desktop, and mobile)。

まとめ

ClaudeのChatとCoworkの統合は、両者がクラウドの同じ実行基盤に歩み寄り、Chatを土台に1つにまとまった結果です。

  • 当初は、Chatがサーバーで、Coworkがクライアントで動き、記録を集める仕組みにも違いがあった
  • CoworkがVMごとクラウドで動き、ブラウザから使えるようになったことで、Chatとの違いは不明瞭になった
  • 統合版は、必要なときだけVMを使うChatのセッションとして動く
  • 統合後は、Claudeが動く場所(クラウド)と操作する画面(デスクトップアプリ、ブラウザ、モバイル)が切り離され、記録もセッションにまとまる
  • PCのファイル操作、ローカルMCPサーバーの利用、ブラウザ操作には、引き続きデスクトップアプリが必要になる

制限

ZDR(ゼロデータ保持)、HIPAA対応構成、CMEK(顧客管理の暗号鍵)を使う組織は、現時点では統合版を有効にできず、従来どおりChatとCoworkを分けて使います。

参考


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