
Cline 2025年4月アップデート総まとめ
Clineの2025年4月にあったアップデートについてまとめてみました。
便宜的に4月としていますが、実際には4月11日から5月12日までにあったアップデート内容になります。バージョンで表記するとv3.9.2からv3.15.1までになります。
期間の理由についてですが、前回のClineについて書いたブログの公開日から今日までにあったアップデートをまとめているものになります。
はじめに
情報源について記載しておきます。
- GitHubのRelease
- 公式のTwitter
- 動画もセットになっているのでわかりやすい。
- 公式のBlog
- UpdatesでFilterするとカテゴリの指定漏れなのか、たまに漏れたりするので注意。
- Youtube LiveのCline Corner
- 5/10に初回のライブ配信があり、こちらは今後も定期的に配信される予定のようです。英語が得意な方はそのまま、もしそうでないのであればNotebookLMの利用がおすすめ。
またすべてのアップデート内容を網羅しているわけではなく、気になったアップデートをピックアップしているものです。見てわかるであろうシンプルな機能追加やバグ修正、モデル関連については記載していないことが多いです。
.clinerules
切り替え機能
これまで、タスクごとに.clinerulesを使い分けることができなかったため、Rule Bankという方法が紹介されていたのですが、ついにルールの切り替え機能が実装されました。
この切り替え機能が実装される1つ前のバージョンでGlobal Rulesにも対応されていて、/Document/Cline/Rules
内にルール用のファイルを配置するとUI上で全部のプロジェクトで共通のルールとして切り替えが可能になります。Global Rulesですが基本的にルールは基本的にチームで共通化したいはずなので、一時的あるいは部分的に使うといった用途で使うことになりそうです。
/newrule
.clineruleを作成するコマンドになります。
結局はプロンプトではあるので、コードを確認するとどんな指示が与えられているか確認できます。
ある程度のコードがある状態で、あくまでルールの下書きを作りたいときには便利そうです。というのも自分の試したところ怪しいルールが追加されてしまった部分もあったので、あくまで下書きとして利用するにとどめて内容についてはしっかりと確認したほうがいいと感じました。
.clinerules repository
これまで.clinerulesを何かを参考に作るときには、Awesome CursorRulesを参考にすることが多かったたかもしれませんが、.clinerules用の公式のリポジトリが作成されました。
まだルールが少ないですが、今後に期待したいです。
Checkpoint
CheckpointのUIが変更、というよりは元に戻りました。hoverで展開するのは初見だとなかなか気付けないと感じていたので嬉しい改善です。
デザインだけではなく、ファイルの変更以外にもCheckpointが置かれるようになりました。
こちらの入力したチャットの内容もメッセージのダブルクリックで編集できるようになり、簡単にちょっと修正した指示を再実行させることができます。
Chat
YOLO
Full AutoのYOLO Modeが追加されました。
実行内容については細かく指定できるので、確認したい内容についてはチェックを外して利用しましょう。
コンテキストのDnD
Shift
ボタンを押しながらチャット欄にドラッグすることで、コンテキストにフォルダの構造や画像を渡せるようになりました。地味ですが便利機能なので紹介しています。
チャット内容の引用
チャット内容を選択してホバーすると引用マークが出現し、Clineとのコミュニケーションに引用が使えるようになりました。
これにより、より正確なフィードバックが受けられるようになっています。
コンテキストの管理
コンテキストの管理については、前回のBlogで記載していますが新しいアプローチ方法が追加されています。
new_task
new_taskツールは現在のタスクセッションを終了し、新しいセッションを開始するClineの内部ツールであり、特定のコンテキストを新しいセッションにプリロードする機能を持ちます。
.clinerulesと組み合わせるとコンテキスト使用率などのトリガーに基づいてタスクの引き継ぎを自動化できます。ルールについては公式サイトのサンプルをご確認ください。
/newtask
/newtask
コマンドを実行すると、Clineの提案の前にnew_task
の機能を利用できます。
/smol
または/compact
/smol
または/compact
は現在のタスク内で長いチャット履歴を要約できます。これはパフォーマンスに影響を与えたり、モデルが焦点を維持するのが難しくなったりする場合に便利です。
/newtask
との使い分けは次のようになります。
/newtask
- 作業の一段階を終え、新しい関連タスクを開始したい場合
- 前のセッションからの重要なコンテキストを保持しながら、探索を分岐させたい場合
/smol
- 同じタスクを継続したいが、チャット履歴が非常に長くなったり、コストがかかりすぎたりしている場合
- 現在のワークフロー内での今後のやり取りのためにトークン使用量を削減する必要がある場合
ローカルChromeブラウザへの接続
ローカルChromeブラウザへの接続が可能になったため、認証のあるアプリのデバッグが容易になりました。
ただ自分の一部環境だとRelaunch Browser with Debug Modeのボタンからでは次のエラーが表示されてうまく動作しませんでした。
そのためマニュアルで/Applications/Google\ Chrome.app/Contents/MacOS/Google\ Chrome --remote-debugging-port=9222 --user-data-dir=/tmp/chrome-debug-profile
を実行してみたところ動作しました。
ユーザーによる手動変更の検知
MCP
自分の環境ですとMarketplaceの表示がデフォルトで無効になっていました。有効にしたい場合にはAdvanced MCP Settingsから設定を変更できます。
チャットエリアから、インストールされたMPCサーバーの有効無効を切り替えることができるようになりました。
Timeline
視覚的に目立つのでわかりやすいアップデートです。
Youtubeのライブ配信やBlogによるとmulti-agent visibilityに向けた実装のようなので楽しみです。
今のところ私はそれぞれの色が何を示しているのかすべて頭に入っていないせいか、あまり視覚化の恩恵にあずかれてません。
さいごに
この記事では主に4月のClineのアップデート内容をまとめました。
初めての試みで、アップデートの内容がBlogにまとまって入るのですが関連する内容をまとめたりとしているとこの内容でも結構時間がかかってしまいましたが、しばらくは継続してアップデートを毎月追いかけていこうと思っています。