
Cline 2025 年 5・6 月アップデート総まとめ
Clineの2025年5・6月にかけて行われた主なアップデートについてまとめてみました。
便宜的に5・6月としていますが、実際には5月13日から6月30日までにあったアップデート内容になります。バージョンで表記するとv3.16.0からv3.18.0までになります。
はじめに
本記事は、公式リリースノートやブログ、SNS、GitHub、動画配信など複数の情報源を参考に、注目したい新機能や改善点をピックアップしています。
Cline Cornerは今後2週間に1度のペースで開催されるようです。
Workflows(ワークフロー)と自動化
2025年5・6月の最大のトピックは「Workflows」機能の登場です。日々の開発現場で繰り返し発生する作業やコマンド操作を自動化できるようになり、プロジェクトごとに複雑な手順を1つのコマンドで実行できるようになりました。たとえばPRレビューやコミットチェックなどの一連の流れを効率化でき、作業時間の大幅な短縮が期待できます。
Workflowsには、全プロジェクトで共通して利用できる「グローバルワークフロー」と、特定のプロジェクト固有の自動化手順として管理できる「ローカルワークフロー」が用意されています。これにより、チーム全体で標準化したい作業と、プロジェクトごとに最適化したい作業を柔軟に使い分けることが可能です。たとえば、全社共通のレビュー手順はグローバルで管理し、プロジェクト特有のビルドやデプロイ手順はローカルで管理するといった運用ができます。
Workflowsはプロジェクト内でバージョン管理され、現場のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点も魅力です。
Global workflowsは ~/Documents/Cline/Workflows
、Local workflowsは.clinerules/workflows/
に配置する必要があります。
Workflowsを実際に試してみる
公式ドキュメントで紹介されているPRレビューのワークフローを実際に検証してみました。この機能は汎用性が高いため、Global workflowsディレクトリにpr-preview.md
として配置します。
まず、~/Documents/Cline/Workflows/
にワークフローファイルを作成すると、ワークフローに次のように追加されます。
チャット画面で/pr-preview
と入力すると、ワークフローに記述された一連の指示が自動実行されます。
実際のPRレビュー結果がこちらです。
コードの問題点、改善提案、セキュリティ観点など、人間のレビュアーが確認すべきポイントを網羅的にチェックしてくれました。自分のコードを事前チェックしたり、レビュー前の予備調査として活用できそうです。
公式のワークフローテンプレートは非常によく設計されているため、独自ワークフロー作成時の参考としても価値があります。プロジェクトの特性に合わせてカスタマイズすることで、さらに効果的な自動化が実現できそうです。
AI モデル連携の拡充
Anthropic Claude 4、Google Gemini 2.5、xAI Grok 3など、複数のAIプロバイダーとの連携が強化されました。用途や好みに応じて最適なモデルを選択できる柔軟性が増し、特にClaude 4ではプロンプトキャッシングや最大トークン数の拡大、差分編集の信頼性向上など、実運用で役立つ改善が続いています。
さらに、6月リリースのv3.18ではGemini CLI Providerの統合により、個人のGoogleアカウントで認証したGemini CLIツールをCline内から直接利用できるようになり、コスト面でも大きなメリットがあります。
また、Claude 4モデルの最適化も大きなトピックです。ClineではClaude 4モデル、特にSonnetをデフォルトかつ推奨モデルとして位置付けています。実際に、複雑な差分編集タスクの成功率が向上し、現場での信頼性や生産性が大きく高まりました。今後もClaude 4 Sonnetを中心に活用することで、より高品質な開発支援が期待できます。
その他の便利機能・改善
この期間のアップデートでは、日々の開発を支える細かな改善も複数加えられています。たとえば、v3.16ではタスクリストの非表示切り替え機能が追加され、画面共有時や集中したい場面で余計な情報を隠せるようになりました。
また、設定画面のUIも刷新され、より直感的に各種オプションを変更できるようになっています。
他にもTask Timelineにスクロール機能が追加され、長い履歴もスムーズに確認できるようになりました。
まとめ
2025年5・6月のClineアップデートは、Workflowsによる自動化、AIモデル連携の拡充、ターミナルやMCPの進化、その他便利機能の追加など、現場の生産性と柔軟性を大きく高める内容が中心でした。
今後もプロジェクトごとのワークフロー最適化やAIモデルの使い分けを積極的に進めることで、より効率的な開発体制を築くことができるでしょう。詳細や最新情報は公式ブログやGitHubリリースノートもあわせてご参照ください。
参考資料
# 3.16
https://cline.bot/blog/cline-v3-16-one-shot-automation-with-workflows-plus-ui-stability-gains
https://docs.cline.bot/features/slash-commands/workflows
# 3.17
https://cline.bot/blog/3-17-global-workflows-ux-improvements-and-more
https://cline.bot/blog/cline-3-17-9-enhanced-claude-4-support-experimental-upgraded-task-timeline-csv-xlsx-support
https://cline.bot/blog/cline-v3-17-14-new-provider-options-terminal-upgrades-and-core-fixes
# 3.18
https://cline.bot/blog/cline-v3-18-gemini-cli-provider-optimized-claude-4
# YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=oiw47BobmSw
https://www.youtube.com/watch?v=ds0JywWGvpI