
Cloudinary MCP Server で複数アカウントを同時操作する方法
Guten Tag、ベルリンより伊藤です。
Cloudinary MCP を使ってみたものの、開発用・本番用・個人用など、複数のCloudinaryアカウントを同時に使いたいことはありませんか?
先日のブログで Cloudinary リモート MCP サーバを使ってみた結果をご紹介しましたが、ブラウザ認証で簡単に導入できるのが便利だった一方、セッション切り替えには制限がありました。
今回は Cloudinary ローカル MCP サーバを使って、複数環境を Claude Desktop の同一チャット内で同時に操作する方法を検証したので、その結果をご紹介します。
なぜ複数アカウント管理が必要?
Cloudinaryでは以下のような理由で複数環境を使い分けることが一般的です:
- 開発・ステージング・本番環境の分離
- 会社用・個人用アカウントの使い分け
- プロジェクト別のクラウド環境管理
- テスト用データの隔離
従来は各環境でコンソールにログインし直したり、APIキーを切り替える必要がありましたが、Local MCP Serverなら一つのチャット内で複数アカウントを自然言語で操作できます。
Cloudinary MCP サーバでできること
まずは改めて Cloudinary MCP でどんなことができるのかご覧に入れましょう。
Cloudinary のルート直下のファイルとフォルダ名を箇条書きで一覧化してください
👉 どこにどんなファイルがあるんだっけ?というのが手早く確認できます。
nptfgakicsqcvwmg4aut.png を横幅 200 px で f_auto 適用して変換してください
👉 自然言語で変換を指示して、その URL を取得することができます。
そのアセットを「bund_id_logo_white.png」に名称変更してください。
👉 アセット名の変更も簡単!
自転車に関するニュースレターのメールに含めたいので、samples/bike.jpg を良い感じに変換してください
👉 こんなふんわりしたお願いでも良きに計らってくれます。ちなみに、提案された変換画像は以下のようなものでした。
「比較したいので各変換画像を1ページにまとめて表示させただけのシンプルな HTML ページを作ってください」で作ってもらったページ
複数アカウントでやってみよう
会社の開発環境(dev)と、私個人の環境(personal)を使って、実際に以下のようなリクエストをしてみました。
dev の Cloudinary アカウントの、ito-test フォルダ化に以下のファイルをアップロードしてください
/Users/itoma/Desktop/Screenshot 2025-08-26 at 14.00.01.png
personal のアカウントにも同じファイルをアップロードしてください
dev のほうのファイル名を claude-test-file.png に変えてください
👉 これらを同じチャット内でリクエストし、各アカウントへ実行することができました。いちいちサインアウトや認証切り替えをする必要はありません!
さらに、こんな一括操作も:
dev/personal 両方のアカウントに、以下のフォルダ内にある全てのファイルをアップロードしてください。アップロード先は ito-test/claude-test/ 配下で、"test" というタグを付与してください。
/Users/itoma/Downloads/claude-test-folder
👉 一度のリクエストで2つのアカウントへ同時に実行することもできました。これは便利ですね!
複数ローカル MCP の設定方法
API キーはアカウント/クラウドごとに発行するので、各 API キーを準備し、そのローカル MCP を設定していきます。
ローカル MCP の設定手順
claude_desktop_config.json
ファイルを以下のように編集します:
{
"mcpServers": {
"dev-cloudinary-asset-mgmt": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "--package", "@cloudinary/asset-management", "--", "mcp", "start"],
"env": {
"CLOUDINARY_URL": "cloudinary://{devアカウントのAPIキー}:{APIシークレット}@{クラウド名}"
}
},
"personal-cloudinary-asset-mgmt": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "--package", "@cloudinary/asset-management", "--", "mcp", "start"],
"env": {
"CLOUDINARY_URL": "cloudinary://{personalアカウントのAPIキー}:{APIシークレット}@{クラウド名}"
}
}
}
}
保存後、Claude Desktop を再起動します。
設定のポイント
MCPサーバ名をカスタマイズ
- Cloudinary 公式の設定では
cloudinary-asset-mgmt
ですが、この名称は任意です dev-cloudinary-asset-mgmt
のように環境を識別しやすい名前を付けます- LLMが「devの〜」「personalの〜」といった指示を正しく解釈できるようになります
使う機能ごとに設定
- 前回ブログで説明している通り、Cloudinary MCPサーバは機能ごとに5つあります
- 簡素化するため、今回は2アカウントで asset-management のみで検証しています
- もし2アカウントで4つの機能を使う場合は、8つのmcpServersの設定が必要になります
まとめ
今回の複数環境を活用する方法により、認証の切り替え作業を行わずに複数環境で並行の操作や一括操作の実行ができました。Remote MCPは手軽に認証できるためお試し利用には便利ですが、このように複数環境を扱う運用ではLocal MCPの方が現時点で実用的です。
MCPサーバを利用していて、改めて以下のような点が優れていると感じられました。
- 自然言語での指示(「そのファイルを〜」「同様に〜」と指示できる)
- 曖昧な要望にも賢く変換を提案してくれる
- MCPを通じた実行により、APIパラメータの記述ミスや古いドキュメント参照によるリクエスト失敗がない
- 複数の操作 & 複数のアカウントへ一括で実行できる
Cloudinary MCP Server はまだ Beta 段階ですので今後の改善にも乞うご期待です。
以上、ぜひご参考ください!
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