クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) – 2024年4月号

2024年3月分のAWSおよびGoogle Cloudの機械学習関連サービスのアップデート情報をお届けします。
2024.04.04

データアナリティクス事業本部 インテグレーション部 機械学習チームの鈴木です。

クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) の2024年4月号です。2024年3月分のアップデート情報をお届けできればと思います。

はじめに

AWSでは、Amazon SageMaker Canvasのホームページ刷新やテーブルデータに対する価格変更があり、さらに使いやすくなりました。Amazon BedrockではClaude 3 SonnetモデルおよびClaude 3 Haikuモデルが利用可能になったことも印象的でした。

Google Cloudでは、特にBigQueryでGeminiを利用した処理への対応が着々と進んでいました。

それでは各々のアップデートを振り返って行ければと思います。

※ アップデートは機械学習チームメンバー内で業務に取り入れられそうかを中心に確認しているので、一部取り上げられていないものもあるかもしれませんが、参考になりましたら幸いです。また、複数のパブリッククラウドのサービスを取り上げますが、比べたりする意図はありません。

AWS

Amazon SageMakerのアップデート

SageMaker Canvasのホームページが刷新

ホームページが刷新され、機械学習と生成AIの導入がより早く開始できるようになりました。

以下のようにかなりページが変更されていますね。使いたい機能がどこから利用できるのか分かりやすくなりました。

新しいCanvasのホームページ

Model Registryの統合機能が強化

時系列予測モデルと、SageMaker JumpStartでファインチューニングしたモデルをModel Registryからデプロイできるようになりました。

NVIDIA NIMによるLLMのデプロイをサポート

NVIDIA NIM 推論マイクロサービスが統合され、大規模言語モデルのコストパフォーマンスをさらに高めることが可能になりました。

SageMaker Studio Classicから新しいSageMaker Studioに移行しやすく

SageMaker Studio Classicのみを有効にして作成されたドメインで、ドメインの詳細ページにある新しいSageMaker Studioを有効にするオプションを有効化することで移行できるようです。

SageMaker Canvasのテーブルデータに対するモデルのトレーニング価格が新しく

SageMaker Canvasのテーブルデータに対するモデルのトレーニング価格が新しくなりました。

モデルのトレーニングに使用されるデータセット内のセルの数から、トレーニングに使用された処理時間に基づくものになりました。

APIのアップデート

SageMaker Studioおよびノートブックインスタンスにインスタンスタイプの追加がありました。

Amazon Bedrockのアップデート

Mistral AIの基盤モデルが一般提供開始

Mistral AIのMixtral 8x7BおよびMistral 7Bモデルが一般提供開始しました。

Anthropicの次世代最先端モデルが利用可能に

Anthropicの次世代最先端モデルであるClaude 3 SonnetモデルおよびClaude 3 Haikuモデルが利用可能になりました。米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)で利用可能です。

Amazon Aurora MLからAmazon BedrockのモデルにSQLでアクセス可能に

Amazon Aurora MLで、SQLを使ってAmazon Bedrockの基盤モデルにアクセスできるようになりました。Amazon Aurora内のデータを移動させることなくBedrockのモデルで処理できますね。

ナレッジベースでメタデータによるフィルタリングが可能に

RAGに利用するドキュメントを付与したメタデータでフィルタリングできるようになりました。米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)で利用可能です。

ナレッジベースでプロンプトと検索結果の数をカスタマイズできるように

カスタムプロンプトを使用して、コンテキスト・ユーザー入力・出力インジケーターを追加することでプロンプトを調整し、ユースケースにより一致した応答を生成できるようです。

APIのアップデート

ナレッジベースのフィルタリングに関するアップデートがありました。

Amazon Lexのアップデート

QnAIntentの一般提供開始

QnAIntentにより、組織内のデータに安全に接続し、RAGを行った結果を返すLexボットを作成できます。現在は米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)で英語にて利用可能です。

Google Cloud

Vertex AIのアップデート

Vector Searchで空のインデックスを作成可能に

バッチおよびストリーミング向けに空のインデックスを作成可能になりました。データがなくても作成できるようになり、セットアップが容易になりました。

BigQueryのアップデート

Gemini for BigQueryでPythonのコード生成がプレビュー提供に

ノートブック中のPythonのコード生成がプレビュー提供になったようです。

Feature Storeのアップデート

Dataploxに自動登録されるようになったほか、専用のサービスアカウントを使用できるようになりました。また、特徴ビューで複数のENTITY_IDを指定できるようになりました。

テキスト分析の設定・関数が一般提供開始

以下のようなテキスト分析の設定・関数が一般提供開始しました。

gemini-pro-visionのリモート関数がプレビュー利用可能に

gemini-pro-vision large visionモデルをリモートモデルに指定し、ML.GENERATE_TEXT関数で利用できるようになりました。

イベント・サービス情報

ウェビナー

『Classmethod Showcase 事例で学ぶ、データ活用戦略の最新動向』にて登壇します。

AI/MLのよくあるユースケースとレコメンデーションの効果的な活用戦略についてご紹介する予定です。

相談会

クラスメソッドのアナリティクス分野の支援では、AWS、Google Cloudを中心としたクラウド上でのデータ分析基盤環境づくりにおいてトータルでサポートしています。

このようなことでお困りではないですか?

企業内に点在するデータを1箇所にまとめて分析したい クラウド上で分析基盤を導入したい・・・ データを活用したいが、具体的に何から始めたらいいかわからない 機械学習相談会のお申込みはこちらです。お気軽にご相談ください。

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機械学習システム導入支援サービスについて

AWSやGoogle Cloudなどパブリッククラウドにて、機械学習サービスを活用したシステムの導入支援を行います。詳しくは以下のページをご覧ください。

例えば以下のようなケースをご支援しています。

  • ECサイトのレコメンドシステムを構築し、利用者にパーソナライズされたおすすめ商品を提示する
  • SNSや問い合わせのログなどから、テキストマイニングを活用したインサイトの発見する
  • 画像解析により、工場における不良品検出や農業・畜産業分野での生育管理を効率化する
  • 売上や消費者の行動などから、将来の需要を予測する

最後に

2024年3月に発表された、AWSとGoogle CloudのML機能のアップデートについて、メンバーでピックアップした情報についてご紹介しました。

データアナリティクス通信(機械学習編) - 2024年4月号は以上です。