
クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) – 2025年7月号
データ事業本部 機械学習チームの鈴木です。
クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) の2025年7月号です。2025年6月分のアップデート情報をお届けできればと思います。
はじめに
Amazon Bedrockでは、Guardrailsのコンテンツフィルターと拒否トピック機能でTierが導入され、日本語対応したものが登場したのが大きなポイントだったと思います。
Amazon SageMakerでは、SageMaker StudioからSageMaker Unified Studioへの移行のための機能が登場しました。
移行期間中にSageMaker StudioとSageMaker Unified Studioの両方からリソースアクセスできるということで、SageMaker Unified Studioは使ってみたいけどまずは従来通りのSageMaker Studioから試していきたい、というような場合に安心できるアップデートなのではと思います。
アップデート紹介
Amazon Bedrockのアップデート
Custom Model ImportでQwenモデルがサポート
Custom Model Importの対応アーキテクチャでQwen2・Qwen2.5・Qwen2-VL・Qwen2.5-VLがサポートされました。
Qwenはアリババによって開発された大規模言語モデルで、特にQwen2・2.5は日本語に対応しているのも特徴です。
以下の記事で紹介しています。
Guardrailsのコンテンツフィルターおよび拒否トピック機能にTierの概念が追加
Amazon Bedrock Guardrailsのフィルタリングポリシーの「コンテンツフィルター」と「拒否トピック」で Tier を指定出来るようになりました。
新たに「スタンダード」が追加され、従来のクラシックより検出機能が強化した設定が可能になりました。スタンダードでは日本語が対象であることもポイントです。
以下の記事で紹介しています。
Amazon Bedrock Flowsでワークフローステップの実行時間延長とインラインコードノードタイプがプレビューで提供
Bedrock Flowsのワークフローステップがプレビューで15分に延長されました。新しいインラインコードノードタイプを使用してPythonスクリプトを実行できるようにもなりLambdaを作成する必要がなくなりました。
ワークフローステップの実行時間延長は全てのサポート対象商用リージョンで、新しいインラインコードノードタイプは米国東部(バージニア北部)・米国西部(オレゴン)・欧州(フランクフルト)リージョンでご利用できます。
APIのアップデート
- 2025/06/06 - Agents for Amazon Bedrock Runtime - 2 updated api methods
- 2025/06/16 - Amazon Bedrock - 1 new5 updated api methods
- 2025/06/20 - Amazon Bedrock - 3 updated api methods
- 2025/06/24 - Amazon Bedrock - 6 new api methods
Amazon SageMakerのアップデート
SageMaker StudioからSageMaker Unified Studioへの移行をサポート
既存のリソースの保持、一貫したアクセス制御の維持をしながらの、SageMaker StudioからSageMaker Unified Studioへの移行をサポートしました。
インフラストラクチャを再デプロイすることなく、SageMaker AIドメイン・ユーザープロファイル・スペースなどをSageMaker Unified Studio側にインポートできるようです。
さらに、移行期間中にSageMaker StudioとSageMaker Unified Studioの両方からリソースアクセスできる点もポイントかと思います。
SageMaker AIでAmazon EC2 P6-B200インスタンスがトレーニングジョブに提供
NVIDIA B200 GPUを搭載したAmazon EC2 P6-B200インスタンスがSageMaker AIトレーニングジョブでサポートされました。
P5enインスタンスに対して2倍のパフォーマンスアップという位置付けになります。
SageMaker AI GPUアクセラレーションインスタンスが値下げ
Amazon EC2 NVIDIA GPUアクセラレーションインスタンスの値下げを受け、SageMaker AI GPUアクセラレーションインスタンスも値下げとなりました。
P4・P5インスタンスタイプが対象となります。
SageMaker HyperPodのフレキシブルトレーニングプランも米国以外のすべてのリージョンのP5・P5e・P5en・trn1インスタンスタイプで値下げとなっています。
SageMakerでプロジェクトのGitリポジトリをS3へ自動同期
プロジェクトのGitリポジトリからAmazon S3バケットにファイルに自動同期する機能を発表しました。
特にビジュアル抽出・変換・ロード (ETL) フローとSQLクエリブックの統合スケジューリングで最新のコードを利用できるメリットがあるそうです。
APIのアップデート
サポートするインスタンスタイプ関連の変更が中心でした。
- 2025/06/04 - Amazon SageMaker Service - 10 updated api methods
- 2025/06/16 - Amazon SageMaker Service - 34 updated api methods
- 2025/06/18 - Amazon SageMaker Service - 9 updated api methods
- 2025/06/19 - Amazon SageMaker Service - 4 updated api methods
Amazon Textractのアップデート
APIのアップデート
AnalyzeDocument APIの改善がありました。
イベント・サービス情報
相談会
クラスメソッドのアナリティクス分野の支援では、AWS、Google Cloudを中心としたクラウド上でのデータ分析基盤環境づくりにおいてトータルでサポートしています。
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機械学習システム導入支援サービスについて
AWSやGoogle Cloudなどパブリッククラウドにて、機械学習サービスを活用したシステムの導入支援を行います。詳しくは以下のページをご覧ください。
例えば以下のようなケースをご支援しています。
- ECサイトのレコメンドシステムを構築し、利用者にパーソナライズされたおすすめ商品を提示する
- SNSや問い合わせのログなどから、テキストマイニングを活用したインサイトの発見する
- 画像解析により、工場における不良品検出や農業・畜産業分野での生育管理を効率化する
- 売上や消費者の行動などから、将来の需要を予測する
会社説明会・カジュアル面談
機械学習チームではメンバーを募集中です!7月は9日の会社説明会で登壇しますのでご興味がある方はご参加ください。
また、カジュアル面談もお待ちしております。
最後に
2025年6月に発表された、AWSのML機能のアップデートについて、メンバーでピックアップした情報についてご紹介しました。
データアナリティクス通信(機械学習編) - 2025年7月号は以上です。