【書評】「30秒で伝える全技術」から学ぶオンライン コミュニケーション術

2023.05.02

新型コロナウイルスの影響を受け、プライベートや企業内外を問わずオンラインでのコミュニケーションが増加しました。 改善のため、一冊の本から学んだメソッドについて紹介します。

・はじめに

クラスメソッドでは、社内コミュニケーションツールとしてSlackやMicrosoft Meetを使用しています。 しかし、オンラインでは対面で補間される表情や語感が伝わりづらいため、様々な障壁があると感じました。

  • 正しい意図が伝わらない
  • 長ったらしい文章で読む気になれない
  • 要点が分からない

これは、社内ツールだけでなく、メールやSNSでも同様です。 そこで、この問題について勉強しようと思い立ちました。

・書籍紹介

株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役 桐生稔著 「30秒で伝える」全技術 「端的に話す」を完璧にマスターする会話の思考法

・「30秒で伝える全技術」の要点まとめ

相手を納得させるのが上手な一流の人が持つ、たった30秒という小さいけど決定的な差を解説した本です。 本書で紹介されている会話の思考法には以下があります。

  • ナンバーディスプレイ
  • プリフレーム
  • ワンワード
  • 変化の法則
  • 具体化力
  • 2W1H
  • BBQ
  • T字フォーマット

著者の桐生稔氏は、20年にわたり話し方を探究し、伝わる話し方スクールを運営してきました。 著者培った究極の30秒メソッドがこの本にまとめられており、オンラインミーティングでも怖くない超効率・即効メソッドとして紹介されています。 本書で取り上げるメソッドは、オンラインだけではなく様々なビジネスシーンに活用できるものが多いです。

・オンラインでも適用可能なメソッド

先の項目で挙げたように、たくさんのメソッドが紹介されていますが 私が、特にオンラインで使えると考えたメソッドを2つ紹介します。

1: 具体化力

1つ目のメソッドは「具体化力」です。

  • 「具体化力」とは
    • 質問に対し、「数字・出来事・行動」で答えること
  • 「具体化力」に期待できる効果
    • 何度も同じような質問を受ける、をなくす
    • 聞き手・答え手のストレス軽減
      • 聞き手:同じような質問を繰り返し「物分かりの悪い人」「重箱の隅をつつく奴」と思われない
      • 答え手:抽象的回答で「アバウトな人」「何を言ってるのか分からない奴」と思われない
  • 「具体化力」活用方法と使用例
    • 「数字・出来事・行動」から数字をピックアップします
      •  数字を交えて話す
        • 使用前
          • 上司:今日って忙しい?
          • 私:はい、忙しいです。
          • 上司:どれくらい?
          • 私:今日締め切りの案件がたくさんあります!
          • 上司:具体的には…?
        • 使用後
          • 上司:今日って忙しい?
          • 私:はい、忙しいです。今日締め切りの案件が20件あります。1件当り作業時間は20-30分かかります。
  • 「具体化力」を使った結果
    • 質問者の「抽象的でイメージできない」フラストレーションをなくす
      • 回答者の意欲も伝わりやすく、説得力が増す
    • 同じ質問を何度もされなくなる
    • 質問者と回答者の視点を同一に合わせられる
  • 原田雑感
    • コミュニケーションの微細なズレをなくすことができ、不要なやりとりを発生させなくて済むと感じました
    • 特に数字を使った具体化をすることにより、次の行動(来季の目標や依頼の仕方)など明確になると感じました
    • 日本的な「ツーカー」や「察する」文化に甘えていました。具体化を生活の中で意識していきたいです

2: BBQ

2つ目のメソッドは「BBQ」です。バーベキュー...じゃないみたいです。

  • 「BBQ」とは
    • B:ベリー(とても)、B:ブレイクダウン(分解した)、Q:クエスチョン(質問)の略
      • 「ベリー(とても)」は「Very=V」では?
    • 簡潔に答えられる具体的な質問を投げかけ、最適な回答を短時間で導き出すメソッド
  • 「BBQ」に期待できる効果
    • 「聞きたいのはそれじゃない」をなくす
    • 欲しい情報を短時間で入手できる
    • 回答者が答えやすくフラストレーションが軽減される
  • 「BBQ」活用方法と使用例
    • 質問を分割する
      • 使用前
        • 私:依頼していた作業はどれくらいかかりますか?
        • お客様:今月は他の作業も多くて~取引先とも調整したいですし~…
      • 使用後
        • 私:依頼していた作業は○日○時までにできますか?
        • お客様:できません。今月は他作業も多く忙しいです。
        • 私:依頼は来月に改めた方が良いでしょうか?
        • お客様:はい。来月初旬に対応します。
  • 「BBQ」を使った結果
    • 一問一答のような形式にすることにより、回答者が答えやすくなる
    • 長々とした回答を聞かずに(読まずに)済む
    • 要点をえない回答でイライラしなくなり
  • 原田雑感
    • ここにも先述の「具体化」のメソッドが含まれていると感じました。
      • 質問を分解し、具体的にしてあげることにより、相手がイメージしやすく=回答しやすくなります。
    • コミュニケーションの時間短縮につながり、双方WIN-WINだと感じました。
    • ただ、一問一答になりすぎて会話でもメールでも「感じ悪いな」と感じさせないような工夫も必要だと感じました。
      • 下手すると尋問みたくなりそう

まとめ

今回は、取り上げたのは2つのメソッドでしたが、どのメソッドもビジネス・人間関係において基本的なことだと感じました。
普段何気なく使っているテクニックですが、何気なくではなく意識して使うことによって、より効果的・より効率的なコミュニケーションが取れることを学びました。
ZoomやSlackなどのビジネスツールでは、自身が質問者・回答者であるどちらの場合も
相手にとって負担なく、且つ自身が求めているものを迅速に入手するテクニックが必要不可欠であると再認識させられました。
本書のみならず、「5W1H」や「論理的思考」を意識した文書・会話を今後も習得していけたらと思います。