とある諺に学ぶ合意形成
はじめに
こんにちは、おおはしりきたけです!開発を進めていく上で大切なのことの一つとして、合意形成があります。これは開発のみならず仕事を進めていく上で非常に大切な行為になります。エンジニアの方々は合意形成という言葉を嫌がる方もいらっしゃると思います。今回は、弊社のiPhoneアプリサービス事業部(通称プリサー)で行われている社内勉強会(通称:プリサーブートキャンプ)で発表した合意形成についてブログにまとめてみました。
プリサープリサーブートキャンプについては、弊社のこむろが以前にこちらにまとめてくれていますので、御覧ください。 合意形成を真面目にやろうとすると堅苦しくなるので、どんな内容で発表しようかなと思っていたところ、諺の中には非常に似たエッセンスがあって、諺をベースに合意形成をするという内容でまとめてみました。
slideshareの資料はこちらです。
合意形成とは
ステークホルダーの意見の一致を図ること。特に議論などを通じて関係者の根底にある多様な価値を顕在化させ、相互の意見の一致を図る過程のことをいう。コンセンサスともいう。握るなんていうこともありますね.
とある諺に学ぶ合意形成
所変われば品変わる
意味:土地土地で風俗や習慣が違うということ。また、同じ物でも土地が変わると、名前や用途も変わるということ。
「会社」「組織」「人」「経済」「予算」「時期」「流行」など色々絡み合っている中で、プロジェクトが同じになることはまず無い。こうすれば合意形成が絶対成功するというものはない。ただし、ある程度のパターンは決まっている。以降から諺に学んでいきます。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
意味:知らないことは積極的に質問するべきだという教え。
何故聞かないか?
- 「こんな事きいちゃいけない」
- 「こんな事いまさら聞けない」
- 「こんな感じだろう」
- 「こうなってるべき」
- 「めんどくさい」
↑は全て自分の思い込み
作業の進め方
類推をすることが非常に大切。何を類推するのか?
- 業務
- 設計
- 実装
- 保守
- 運用
- エンドユーザー
等など
上記の図の作業を繰り返して、仕様を固めていく必要がある。発注者の言い切るスキルは、まばらなので、開発者が聞き切るというスキルを上げる必要がある。
百聞は一見にしかず
意味:百回聞くよりも、たった一度でも自分の目で見たほうが確かだということ。
図示化をすることで、自然言語の曖昧さを避ける事ができる。 仕様や設計のあいまいさを回避するためのドキュメントは積極的に作るべき。チーム内で合意が取れれば、表記は気にしなくて良い。
三人寄れば文殊の知恵
意味:凡人であっても三人集まって考えれば、すばらしい知恵が出るものだというたとえ
なぜレビューをするのか?
自分で作った誤りや考慮漏れを確認するため。人間はミスする生き物であり、自分に相当の自信がない限りレビューを行い、プロダクトの要件に仕様があっているか、作りやすくなっているか、保守性は良いかなどを確認して貰う必要があるため。設計レビューで出てこなかった問題は、ソースコードレビュー→単体テスト→結合テスト→総合テスト→本番ででる。本番で出たら大変!そのために早めのレビューを行う。
何でレビューできないか?
- 時間がない
- コストが掛かる
- 指摘されるのが嫌
- 指摘すると嫌われるかも
- めんどくさい
プロジェクトの問題と人の問題があるけど、人の問題は自分の努力で解決できる。不安だったら仲間に頼るべき。間違ってたらちゃんと指摘をするべき。早めに解決しないと後々何倍にもなって返ってくる。
塵も積もれば山となる
意味:小事をおろそかにしてはならないという戒め
言葉は記録に残らないので、議事録、メール、仕様書に必ず明記をすることを心がける。言った言わないの議論は無意味
木の長きを求むる者は必ず根本を固くす
意味:発展を望む者は基礎をしっかりさせなければならぬということ。何事も元が大事であること。
ある程度できるようになってくると、開発プロセス、設計手法、コーディング手法などテクニカルな面に興味が行きがち。開発の基本は、会話をして、アウトプットを作成し、確認をする。これの繰り返し。基本を疎かにせずしっかりやる。
血で血を洗う
意味:殺傷に対して、殺傷で応じることのたとえ。また、肉親同士が流血の争いをすることのたとえ。
プロジェクトがうまくいかないパターン
- 発注者と開発者が対立構造
- 発注者と開発者が主従関係
- PLとエンジニアが対立構造
- エンジニア同士がギスギスしている
プロジェクトが忙しくなったり、うまく行かなくなると仮想の敵を作りがち。でもプロジェクトに敵はいない。各所との関係良好がプロジェクト成功の近道。 成功のための遠慮はしない、無理なものは無理とハッキリということが大切。ただし、無理と面倒は意味が違うので履き違えないようにする。
下学して上達す
意味:手近なところから学び始め、しだいに高速な道理を学び達すること
合意形成はスキルなので、上達ができる。以下のような活動をすると徐々に上達できるはず。
- 飲み会幹事
- 難易度:★
- 社内勉強会
- 難易度:★★
- コミュニティ運営
- 難易度:★★★
- 自治会
- 難易度:★★★★★
まとめ
- 開発者がしっかり聞き切る
- わかりやすいよう図示化する
- 不安だったらレビューする
- 細かいことも記録する
- 基本をしっかり進めていく
- プロジェクトに敵はいないプロダクト作る目的は同じ
- 合意形成は上達する
ということで、プロジェクトの合意形成手段についてになります。