AI時代に取り残されないために、毎日30分新しいAIツールを試すことを30日間続けてみた

AI時代に取り残されないために、毎日30分新しいAIツールを試すことを30日間続けてみた

2025.12.01

リテールアプリ共創部 マッハチームのるおんです。

クラスメソッドではAI駆動開発を推進するための取り組みを行っており、クラスメソッド社員も実際に日常的にAIを使って開発を行っています。
今回、弊社メンバーが日常的に実践するAI駆動開発のナレッジやTipsを共有するために、AI駆動開発 Advent Calendar 2025を開催します!

本ブログは、本企画の1日目の記事になります。

https://adventar.org/calendars/11778

もしAI駆動開発の最先端を知りたい方は、この1ヶ月間、ぜひ本アドベントカレンダーをチェックしてみてください。

はじめに

ちょうどChatGPTが登場してから3年が経ちました。(参考:ChatGPT が登場
ChatGPTの登場し我々にとってAIが一般的なものになって以来、AIの進化は止まる気配がありません。毎週のように新しいツールが発表され、SNSでは 「このAIが最強」「このツールを使えば生産性10倍」 みたいな投稿で溢れています。

そんな中、皆さんはこんなこと感じていませんか?

「情報が多すぎて、どれが本当にいいのか分からない」
「気づけばいつも同じツールばかり使っている」
「せっかくセットアップしたのに、新しいツールを試すのが正直めんどくさい」

最近の私はまさにそうでした。新しいAIやツールが発表されると、XやSlackで投稿を眺めるだけで、実際に使うことに抵抗感を感じ始めていました。いわゆる AI疲れ に近い状態です。

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そんな中、業界のリーダーたちや社内のリーダーの方々から「AIを使いこなせるようになりましょう」という声をよく聞きます。しかし、その具体的な方法論は確立されておらず、AIを使いこなす一部の人と、そうじゃない人の差が広がっていることを感じていました。

AIを使いこなす前に、そもそもツールを知る必要がある ——これが私の出発点でした。

まずAIを使いこなすためには、そもそもどのようなAIツールがあるかを知り、その中から業務に使えそうなものを取り入れる必要があると考えました。さらに、キャッチアップをその時のモチベーションやノリに任せないよう、 毎日30分、新しいAIツールを1つ試す という取り組みを30日間続けてみることにしました。今回はその経緯と、実際にやってみて感じたことをお伝えします。

なぜこの取り組みを始めたのか

私がこの取り組みを始めた理由は以下の3つです。

  • 情報の真偽を自分で確かめたい
  • AI疲れと新しいツールへの拒否反応
  • 求められている役割とのギャップ

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1. 情報の真偽を自分で確かめたい

AI時代の進化は本当に早いです。毎週のように新しいツールが登場し、「これが最強」「これで生産性10倍」 みたいな情報が溢れています。SNSや人づてで「このツールがいい」と聞いても、それが本当に自分の業務に合うかは分かりません。どれが本当にいいかを自分で検証したい。というのはひとつ大きな動機でした。

2. AI疲れと新しいツールへの拒否反応

多くのAIツールが出てきて、キャッチアップするのが大変になってきており、気づけば 同じツールばかり使ってしまい、新しいAIツールを使うことに抵抗感 を持っていました。

「今のツールで十分」「新しいの覚えるの面倒」——こんな心理が働いていました。

実際に、普段メインで使っているのは ClaudeやCursor、v0、あとはAI-Starter(マルチAIモデル対応のチャットサービス) くらいでした。
そんな中、新しいLLMモデルやAIエージェント、ツールなどが次々と発表され、世間の情報を追いかけるのにも精一杯で、普段の業務に新しいAIツールを取り入れることができず、どんどん世間の最先端の開発手法から取り残されているような気持ちになり、焦りを感じていました。

普段の業務で忙殺されていたり、慣れ親しんだツールがあると、新しいツールを使うことは億劫になりがちですよね。それを客観的に認識した上で、あえて新しいものに触れる「基礎体力」を作りたいと思いました。

3. 求められている役割とのギャップ

また、自分は明確なロールやタスクとしては与えられていないものの、部内やチーム内では「AI推進」的な役割を期待されていることを感じていました。しかし実際は同じツールをずっと使い続けることが多く、割と従来通り手動でやっている作業も多い状態でした。この 周りからの期待や認知と、実際の現状のギャップ にモヤモヤを感じており、より良いAI駆動開発を実現するためには、どうすればいいかを考える必要があると感じていました。

余談

子供の頃のゲームに詳しい友達

皆さんは子供の頃、周りに何故かゲームのキャラクターやアイテムにめちゃくちゃ詳しい友達っていませんでしたか?「この武器はあのボスに効くよ」「このルートが最短だよ」って。その子たちは、誰よりも試すのが早く、最先端のキャラや武器を持っており、周りの友達から一目置かれている存在でした。

私はそういうタイプではなく、どちらかというと ずっと初期アイテムの棍棒をレベル60くらいまで育てているタイプ でした。でも実は、魔法剣ならレベル10くらいでレベル60の棍棒を超えるんですよね。。。

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AIツールも同じだと感じられます。ChatGPTで300個のプロンプト集を持っているより、複数のエージェントやツールを知っていて、その瞬間最も効率の上がるツールを選べる 方がより多くのことを実現することが可能です。 一つの使い慣れているAIツールを育てるのも良いことですが、選択肢を複数持っておくことも同時に重要だと考えます。

30日間チャレンジの概要

ルール

実際に行った取り組みの概要です。

項目 内容
期間 30日間
時間 毎日10:30〜11:00(30分間)
対象 AIモデル、AIエージェント、ツール、ライブラリなど、AIに関わればなんでもOK

30分間の内訳

1. 事前準備(5分)
   - 検証するツール・技術を1つ選定
   - 公式ドキュメントやチュートリアル・ブログ記事などを確認

2. 実践検証(20分)
   - 実際にツールをインストール/セットアップ
   - 基本的な機能を試す
   - サンプルコードを動かしてみる

3. 振り返り(5分)
   - 感想を書く
   - 学んだことをメモ
   - 良かった点・気になった点を記録
   - 今後の活用可能性を検討

実際に試したツール

自分が気になっているツールを一覧で書き出し、それを消化していくようなスタイルで進めていきました。実際に試したツールは以下の通りです。
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中身

公式ドキュメントやブログ、感想をまとめました。
ここで意識したこととしては、雑にまとめるだけかつ、率直な感想を書くことにしました。あまりアウトプットに凝りすぎると30日間継続することが難しいと考えたからです。

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大事にしたこと

  • 実際に手を動かす: ドキュメントを読むだけでなく、必ず動かして自分で試してみる
  • 公式ドキュメントを確認する: 二次情報に頼らず、一次情報を確認する
  • 日常の負担にならないようライトに試す: 1日30分と時間を決めることで、日常業務の負担にならないようにする。

1ヶ月前と今のAIの使い方の違い

活用法

30日間試してみた結果、自分のAI活用は大きく変わりました。

以前の自分は、Claude CodeやCursorの使い方がかなりシンプルでした。タブ補完を使ったり、既存のコードを参照させてプロンプトを打ち込んだり。それだけでAIの活用を満足していました。

しかし、この取り組みを通じて、もっと深い使い方があることを知りました。Claude Codeではカスタムスラッシュコマンドを作り、コミットメッセージ生成やレビューを定型化。サブエージェントを使った作業の自動化も始めました。Cursorではブラウザモードを活用するようになり、RulesyncやClaude Code Actionといったツールも日常的に使うようになりました。MCPも色々試して、使えそうなものは実際のプロジェクトに取り込んでいます。

マインド

ツールの使い分けができるようになった のは大きな収穫です。「この作業にはこのツールが最適」という判断が、自然とできるようになりました。

そして一番の変化は、新しいAIツールを試すことへの抵抗感が減った ことかもしれません。日常的に新しいツールを触っていると、AIの進化を肌で感じられます。「先週試したツールより、今週のツールの方がこの点が良くなってる」といった気づきが増え、それが積み重なることでキャッチアップのハードルも下がっていきました。最初は30分かかっていたセットアップが、慣れてくると10分で終わるようになりました。

「また新しいツール覚えるの面倒だな」と思っていたのが、今では「とりあえず触ってみるか」という気持ちになれるようになりました。新しいAIツールを触ることへの拒否反応を減らすための基礎体力 ができた実感があります。

注意点

セキュリティには十分注意する

新しいAIツールを試す際は、セキュリティに十分注意しましょう。最近、AI活用を狙ったマルウェアなどの被害報告が増えています。ツールを導入する前に、提供元の信頼性や評判を確認し、慎重に検討してから使用することをおすすめします。

おわりに

「AIを使いこなさないと。。」と感じている人が多いと思いますが、そのためにはまずは「こういうツールがあって、こういうことができる」を知ることが大事だと感じました。
もし皆さんも「新しいAIツールを試したいけど億劫」「いつも同じツールばかり使ってしまう」と感じているなら、まずは少しずつAIのキャッチアップしてみるのはいかがでしょうか。

以上、クラスメソッド × AI駆動開発 Advent Calendar 2025の一発目は私の記事からでした!
明日(12月2日)は、佐藤智樹さんの記事です。お楽しみに!

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