クラメソのデザインガイドをDESIGN.mdで実装してみた

クラメソのデザインガイドをDESIGN.mdで実装してみた

2026.04.06

こんにちは、せーのです。今日は社内向けに使っているクラスメソッドのデザインガイドを、DESIGN.md という形に置き換えてみましたので、共有します。

みなさん、AIに画面や資料を作らせるときに「背景は #f4f4f4、角丸はなし、ロゴは右上……」と毎回プロンプトに書いていませんか。私もずっとそうでした。

嘘です。正確には、Claude Code のスキルに寄せて省略しました。/classmethod-brand-guidelines というスキルを作成し、それを呼べば、そこにロゴやトーンのルールがまとまっているので、毎回ゼロから色の指定をしなくて済む、という方法をとっていました。

問題は「スキルは明示的に呼ばないと効かない」「Cursor や別のエージェントでは同じ資産を共有しづらい」あたりが、少しモヤッとするところにあります。

私は今までは

  • Claude Code 上ではスキルでブランドを固定する
  • それ以外では、長めのプロンプトでなんとか寄せる

という運用でした。

もう一歩だけ「プロジェクトのルートに置くだけで、エージェント側が前提を掴む」寄りに寄せてみたらどうなるだろう、ということで、DESIGN.md への移行を試してみました。

DESIGN.md とは(おさらい)

DESIGN.md は、Google Labs の Google Stitch(Gemini ベースの UI デザインツール)まわりで注目されている考え方で、README.md がプロジェクト説明の定番であるのと同様に、デザインシステムを 1 枚の Markdown に集約するフォーマットです。

  • カラーパレット・タイポグラフィ・スペーシング・コンポーネントの型を 1 ファイルに書く
  • Claude Code / Cursor / Gemini CLI / GitHub Copilot などが、ルートの DESIGN.md を参照しやすい

従来は毎回プロンプトで「色は #1a1a1a、フォントは Inter、角丸 8px…」のように指定していたものを、ファイル側に退避しておくイメージです。

Stitch 上で作った UI を DESIGN.md としてエクスポートしたり、URL からデザインルールを抽出したり、MCP 経由で開発ツールと連携したり、という流れも整備されつつあります。公式の紹介は Design UI using AI with Stitch from Google Labs がわかりやすいです。

awesome-design-md の 9 セクション

コミュニティでは VoltAgent の awesome-design-md が、DESIGN.md の構成例としてよく参照されます。2026 年 3 月末公開で、多数のブランドの DESIGN.md をリバースエンジニアリングして公開しているリポジトリです。

ざっくり、次のような章立てが「型」として共有されています。

  1. ビジュアルテーマと雰囲気
  2. カラーパレットと役割
  3. タイポグラフィ規則
  4. コンポーネントスタイル
  5. レイアウト原則
  6. 深さと段階(シャドウ等)
  7. Do's and Don'ts
  8. レスポンシブ動作
  9. エージェント向けプロンプトガイド

各ブランドフォルダには DESIGN.md に加えて preview.html / preview-dark.html がある例も多く、「人間が眺める用」と「エージェントが読む用」が分かれているのが特徴です。

classmethod-brand-guidelines.skill と DESIGN.md

さて、いよいよ本題です。自分で使っている classmethod-brand-guidelines.skill と、DESIGN.md を並べると次のような対比になります。

観点 スキル DESIGN.md
形式 Claude Code スキル ルートの Markdown
発動 明示的にスキル呼び出し 置くだけで参照されやすい
ツール 基本は Claude Code 複数のエージェントで共有可能
アセット スキル内にロゴ同梱 assets/ などに別置き
保守 スキル定義の更新 ファイル 1 枚の更新

違いを整理すると、スキルは「呼んだときに効くブランドパック」、**DESIGN.md は「リポジトリの見た目の憲法」**に近い、というイメージです。

DESIGN.md はテキスト中心なので、ロゴの PNG などバイナリは別フォルダ管理になります。推奨はルートに DESIGN.md、その隣に assets/logo-black.png のように置き、Markdown から相対パス参照する形です。

Claude Code では、CLAUDE.md に「UI や資料生成時は DESIGN.md の値だけ使うこと」と書いておくと、毎回スキル名を唱えなくても寄りやすくなる、というパターンが紹介されています(例: MindStudio の解説)。

手順

DESIGN.mdの作成は非常に簡単です。

  1. DESIGN.mdassets/(ロゴ)をプロジェクトルートに用意する
  2. DESIGN.md に色・タイポ・ロゴ位置・禁止事項(フラット、単一グレーなど)を書く
  3. CLAUDE.md に DESIGN.md 参照の一文を足す(Claude Code 向け)
  4. 「コスト最適化レポートの HTML を」と頼んで、背景の統一やロゴ位置を目視確認する

ハイブリッド運用も現実的で、PDF 生成スキルなど ロゴの実パスが要る処理だけスキル側に残し、references/design-guidelines.md と DESIGN.md を同期させる、といった折衷案もあります。

やってみた

静的 HTML の対比(ブラウザだけで確認)

ログイン不要で済むところから、同じリポジトリ内に小さな実験フォルダを置きました。

  • experiment/DESIGN.md … クラスメソッド用ドラフト
  • experiment/sample-branded.html … DESIGN.md の「HTML Documents」に沿った例(ページ全体 #f4f4f4 単一、フラット、右上にロゴ用スペース、区切りは #dddddd の 1px)
  • experiment/sample-unbranded.html … 意図的なアンチパターン(背景グラデーション、カードとページでグレー値がバラバラ、box-shadow、青・紫のアクセント)

ブラウザで両方を並べると、「単一グレー+フラット」がノイズをどれだけ減らすかが一発で分かります。ロゴ PNG は環境依存なので、experiment/assets/README.md にスキルからのコピー手順だけ書いてあります(この Vault ではバイナリは同梱していません)。

ブランドガイドライン準拠

sample-branded.png

アンチパターン

sample-unbranded.png

Claude Code × DESIGN.md(コスト最適化レポート HTML)

experiment/DESIGN.md をルート相当の前提に置き、CLAUDE.md 側で「UI 生成時は DESIGN.md の値のみ使う」と書いたうえで、と同じ依頼を出しました。

DESIGN.mdのデザインに従って、コスト最適化レポートのHTMLを生成して。

generated-by-claude.png

チェックポイントを設けて確認してみたところ、いずれも問題なし(○) でした。

確認項目 結果のメモ
背景が #f4f4f4 でページ全体が単一トーンか body / .page / セクション背景がすべて #f4f4f4 で統一
ロゴが右上か position: absolute; top / right で右上固定(画像が無い場合はテキストプレースホルダ)
フォント指定 スタイルシート上は Univia Pro, Noto Sans JP + macOS / Windows フォールバック(実機で Univia が効いているかは未計測)
グラデ・シャドウなし box-shadow や gradient 系の指定なし
フッターに著作権 © 2025 Classmethod, Inc. 相当の表記あり

生成物の一例を experiment/generated-by-claude.html として残してあります。タイトルは「AWSコスト最適化レポート(Claude生成・DESIGN.md準拠)」で、右上は画像ではなく 「CLASSMETHOD」テキストのロゴ代わり、本文は見出し・箇条書き・表組みのレポート構成です。別途、ロゴ画像パス付きの版として experiment/cost-optimization-report.html もあり、assets/logo-black.png が無いときは onerror でプレースホルダに落ちるようにしてあります。

プロンプト長の比較(スキル呼び出し vs DESIGN.md 前提)

同じ「コスト最適化レポートの HTML を作って」に近い依頼を想定し、ブランド指定の入れ方だけを変えて文字数をざっくり数えました(2026-04-05 時点・1 回の実測)。

パターン おおよその文字数 メモ
/classmethod-brand-guidelines 相当(スキル本文を毎回コンテキストに載せるイメージ) 約 11,520 文字 ロゴ配置・禁止事項・色コードまで一式がプロンプト側に乗る
DESIGN.md + 短い依頼(ファイルはリポジトリに既にある前提) 約 3,513 文字 「DESIGN.md に従え」に寄せられるぶん、約 7 割削減

「スキルは呼ばないと効かない」の逆は、正規のデザイン情報をファイルに寄せておけば、依頼文は短くて済むという実感に近い数字でした。もちろん、初回に DESIGN.md を整備するコストは別です。

DESIGN.md を匂わせずに HTML を依頼

最後に、「DESIGN.md を読め」「ブランドに従え」といった文言なしに、次だけ投げました。

1ページのコスト最適化レポート HTML を生成して

エージェント側の応答では、探索のあと 「DESIGN.md に沿い、1ページに収まるコスト最適化レポートの HTML を作成します」 と明示されていました。生成・更新された cost-optimization-report.html の CSS コメントには Classmethod DESIGN.md: 単一グレー #f4f4f4, フラット のような記述があり、フッターの年表記も DESIGN.md の © 2026 Classmethod, Inc. に合わせて調整されていました。プロンプトにファイル名を出していなくても、ルート付近の DESIGN.md を自分から拾って当てにいく挙動がこの一回では確認できました(再現性やモデル差は別途たたき台が要る、という位置づけです)。assetsにロゴをセットしたところ、ロゴもバッチリ表示されました。ただ大きさや余白は調整が必要かな、と感じます。ここらへんはDESIGN.mdの作り込みですね。

design_md_cursor_2.png

まだ手を付けていない/保留にしたもの

次はログインや追加の再現実験が要るものだけ列挙します。

  • Google Stitch での DESIGN.md エクスポートや URL からのルール抽出(Labs アカウントが必要)
  • DevTools で computed font を確認し、Univia Pro が実表示かフォールバックかをスクショ付きで残すこと

PDF 化まで含めたパイプラインは、利用するスキル(例: create-pdf)と環境に依存するので、別のタイミングでまた試してみたいと思います。

限界とハイブリッド案の所感

DESIGN.md だけにすると、ロゴの実体パス社内スキルに閉じたテンプレートのような「ツール連携の都合でスキルの方が楽」なケースは残ります。だからこそ、スキルは削除せず並存し、テキストの正は DESIGN.md に寄せる、が落ち着きどころだと思います。

また、フォントが Univia Pro であることは DESIGN.md に書けますが、実行環境にフォントが入っていなければフォールバックになります。

まとめ

DESIGN.md を使ってみて感じたのは次の点です。

  • スキル呼び出しに依存せず、リポジトリ単位で「ブランドの前提」を共有しやすい
  • Cursor など複数ツールに同じファイルを持ち込める
  • 一方で ロゴ等のアセット実フォントは別問題なので、ハイブリッド運用のほうが現実的

もっとスマートな運用例や、Stitch との連携でハマった点などを御存知の方がいれば、ぜひ X などで教えてください。

参考資料

この記事をシェアする

関連記事