[デザイン勉強会レポート]クラスメソッド×RoomClip×ネイルブック DesignNightを開催しました!
こんにちは。デザイナーの藤澤です。
1月25日にRoomClipを運営されているTunnelさん、ネイルブックを運営されているスピカさんとの合同イベント「クラスメソッド×RoomClip×ネイルブック DesignNight」を開催しました。 Tunnelからデザイナーの高橋さん、スピカからグロースチームリーダーの星さん、クラスメソッドからはアプリケーションエンジニア/デザイナーの横山雄大が登壇してお話をさせていただきました。 今回はクラスメソッドとしては珍しくデザインに関する勉強会となりますが、イベントページの公開後にはすぐに定員に達したため会場を変更して増枠しての開催となりました。
この記事は発表の内容を簡潔にまとめたものとなります。
セッション1:「望みを叶えるUIデザイン」クラスメソッド横山雄大
発表では、サービス提供者がサービスを提供することで期待する利益が得ることを「望み」として扱います。 望みを達成するために利用者にサービスを使ってもらう必要があり、使ってもらえるUIデザインが必要になります。 UIデザインにあたり、制約事項・機能一覧・機能の目的・機能の利用のされ方・機能が利用された結果どうなるか、という材料が必要です。しかし、目的、利用のされ方、結果どうなるか、は足りないということが現場ではよくあります。 それらの材料がなくてもUIの構築は可能ですが「望み」は叶いません。 望みを叶えるために常に意識することは、目的を達成するために、機能がどのように利用されれば期待する効果が出るか、について検証と再設計を繰り返すことです。 望みを叶えるUIとして、想定するユーザーの生活に溶け込むように設計するのがコツ、というの印象的でした。 質疑応答では、材料がない際の対処法について質問がありましたが、その場合は、一緒に考えていきませんか?とスパッとサービス提供者に言うと受け入れてくれることが多いそうです。すぐにうまくいかない場合もコミュニケーションを続けることで徐々に材料を集めていくスタンスが重要とのことです。 材料が足りないために本来の目的が達成できない状況を防ぐためには、クライアントと一緒に問題を解決していくスタンスを持つこと、思考プロセスを変えていくことが大切だと再認識した発表でした。
セッション2:「アプリを生み出す現場でUI/UXデザイナーが意識するべきこと」Tunnel高橋さん
RoomClipは8人体制で開発されていてデザイナーは1名で運営されています。どこからどこまでがデザイナーの範疇か境目がなくなる傾向がありますが、高橋さんは(悪い意味ではなく)典型的な「機能実装はやらない見た目デザイナー」というスキルセットで関わっているそうです。 グラフィックツールとしてはモックも含めてPhotoshopで完結させていて、実装前の社内プレビューツールとして、Adobe Preview CCを使用されています。このツールは開発メンバーがアプリを立ち上げればUIの確認等がリアルタイムに行えるのでとても重宝されており、私も試してみたいと思いました。 エンジニアとのコミュニケーションを円滑にするために様々な工夫をされています。iOSやAndroidのガイドラインを読むことを重視されています。アプリの画面設計はWebの画面設計に比較してパーツのあしらいが多いため、ガイドラインを理解しそれに沿うことで開発コストの増大を防ぐそうです。 逆にエンジニアに対するデザイナー側の理解のためにデザインパターンとパーツに名前をつけて共通言語化する試みをされています。以前ではエンジニアがjpgから色をスポイトで吸い出す現象が起きていましたが、色の意味や用途を言語化することでエンジニアはそれを変数に落とし込むコラボレーションが生まれています。エンジニア主体でクオリティが高いものが生み出されるようになったそうです。 また、組織の中のデザイナーの立ち位置に関する悩みで、発言する機会が少ない、便利屋として使われるなどありますが、原因としてデザイナーが現状をロジカルに捉えていない点を指摘されました。ロジックありきの仕事だからそこから逃げて受け身にならず根拠となる数値、課題、問題点の把握し仮説を立て、前向きに提案し影響力のあるデザイナーなろう、ということでした。 高橋さんはデザイナー・エンジニアの仕事をフラットな視点で分析的に見ており、デザイナーのトップダウンではなく双方にとってクリエイティブな解決策を編み出されており、同業者としてリスペクトを感じる発表でした。
セッション:3 「デザイン負債の返し方」スピカ星さん
星さんはネイルブックではグロースチームリーダーを担当されています。ネイルブックは100回のバージョンアップと3人のディレクター、デザイナーの入れ替わりを経てきているそうです。引き継ぎがなされていないため、いわゆる「どうしてこうなった」と感じさせる機能やデザインの不統一、コードの可読性の低下やダサさなどが引き起こされていたそうです。それらのことを「デザインの負債」と括られています。 心情的には全部変えて全面リニューアルをしたい!ということになりますが、実際にユーザーからはそう言った意見が寄せられることは少なく、機能的な問い合わせの方が多かったそうです。 全面リニューアルをユーザーが求めているわけではなく、プラットフォーマーの承認欲求に踊らせらていると結論されました。優先すべきはユーザーの課題や需要を満たす体験を提供することだと方針づけられたそうです。 デザイン負債対策の基本方針として「横浜駅方式」を紹介されていました。横浜駅は100年も改修工事を続けつつ非常に未完成な状態の駅であるにもかかわらず、膨大な利用者に使われるターミナルとしてUXを達成しているので、その方式に倣うやり方だそうです。 細かい改修や負荷対策を継続的に進めた結果、1ヶ月継続を45%から69.5%まで改善されたそうです。また、Android版のタイムラインも爆速化もされており、画面を見せていただきましたがをガンガンスクロールしても驚異的なパフォーマンスでネイルが読み込まれていました。 合意形成についても方針を定められており、入念かつフェアにコミュニケーションを扱われている印象を受けました。 細かい改修を継続的に進めることで結果的にリニューアルをすることができるというのが斬新かつ盲点だったと感じました。 割り切るところは割り切って効率的に結果を出す方法を確立されてらっしゃるので、マネージメントの参考として大変役立つ発表をしていただきました。
まとめ
どの発表も成果物と結果に至るプロセス、コミュニケーションの方法を深い洞察とご経験を持ってロジカルに説明していただき、とても内容の濃い勉強会になりました。 参加していただいた関係者の皆さん、参加していただいた皆さん、ありがとうございました。 クラスメソッドでは今後もデザイン勉強会を開催していくのでお願いします!
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