Amazon Direct Connectの”実際の”接続プランガイド

Amazon Direct Connectの”実際の”接続プランガイド

Clock Icon2014.05.16

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ども、大瀧です。
AWSを業務システムで本格的に使うというときに一度は検討するのが、Amazon Direct Connectだと思います。AWSのネットワーク(VPC)とデータセンターやオンプレミスのネットワークを接続するサービスというのはご存知の方が多いと思いますが、Direct Connectに対応する通信事業者(キャリア)のサービスカタログを見ると価格帯に開きがあったり、物理線なのに帯域幅が決まっていたりと各社の接続プランが比較しにくいかもしれません。

そこで今回は、キャリアごとになぜ接続プランが複数あるのか、どのプランがどういうケースにマッチするのか、簡単なガイドとしてご紹介します。

Direct Connectのキホン

キャリアのサービスと組み合わせるのが定石

Direct Connectは、日本ですとEquinix TY2にAWS東京リージョンとの接続ポイント(Derect Connectロケーション)があります。AWSは、AWS-接続ポイント間のみを提供するため、実際に利用するためにはTY2内の接続ポイントの手配に加えて接続ポイントからユーザーのネットワークまでの設備が別途必要です。そのため、キャリアの閉域網やIP-VPN、相互接続などを組み合わせて利用することになります。ユーザー自身がEquinixおよびキャリアと個別に調整するのは大変なので、キャリアがEquinixロケーション内の設備とキャリア網をセットで提供しているサービスの利用が一般的です。接続ポイントからどこまでがサービスの提供範囲なのかによってプランの様子は大きく変わります。

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AWSのサイトでは、APNパートナーとしてキャリアの一覧がありますが日本のキャリアはあまり載っていないため、現在利用しているデータセンター事業者やネットワーク事業者がDirect Connectに対応するサービスを提供しているか、まずはお問い合わせいただくのが現実的です。もちろん、AWS環境を含め弊社クラスメソッドにご相談いただくのもオススメです(宣伝)。

物理接続と論理接続を理解する

接続プランの特性を理解するためには、Direct Connectについて多少の技術的理解が必要です。

Direct Connectで通信するためには、TY2で光もしくはUTPケーブルで接続ポイントに実際に接続する物理接続と、Direct ConnectのルータとBGPという経路プロトコルでセッションを確立する論理接続があります。論理接続はVLANというネットワークの抽象化の仕組み上で構成されるため、1本の物理接続上で複数の論理接続が構築できます。

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AWSのネットワーク(VPC)は論理接続と1対1で対応づけるため、複数のVPCをDirect Connectで接続するためには、その個数分の論理接続が必要になります。ココ、今日の最重要ポイントです。

では、具体的なプランを見ていきましょう。

Direct Connectの接続プラン

キャリアが提供するサービスは、AWSとの物理接続の使い方によって占有プラン共有プランに分けることができます。プランによって価格帯が異なるため、用途・規模に応じて適切なプランを選びましょう。

占有プラン

AWSとの物理接続を占有するプランです。

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1Gbps/10Gbpsの2種類から選択します。後述の共用プランと比べて高価ですが、論理接続が作り放題、かつ論理接続数は課金対象にならないので複数VPCとの接続が必要であれば、こちらがオススメです。

一般に冗長構成を組むことになるので、サービス料金が2本分なのか1本分のみなのかを必ず確認しましょう。

また、複数のAWSアカウントをまたぐことも可能なので、そちらも合わせて検討します。

共有プラン

AWSとの物理接続はキャリアが所有・管理し、キャリアから払い出される論理接続を利用します。

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占有に比べて提供帯域のラインアップが多く安価なほか、TY2内の工事はキャリアが済ませているので短納期が期待できます。
一般的な共有回線と同様、帯域保証型やベストエフォートなど品質はキャリア、サービスによって様々です。また、キャリアの物理接続の維持費は一定なので、キャンペーンなどで割安になりやすいとも言えます。

ただし、基本的には論理接続あたりの値付けなので接続数が多くなると、占有プランよりもコストがかさんでしまう恐れがあるのは注意が必要です。
また、占有プランと同様、キャリアの物理接続が冗長構成になっているかは事前に確認しましょう。

まとめ

占有プランと共有プランの比較を表にしてみました。

プラン名 料金 納期 柔軟性
占有プラン 高価 長い 高い
共有プラン 安価 短い 低い

案件に応じて、上手く使い分けていただければと思います。

2014/05/17 8:45追記
AWSの中の人、@ar1さんから至高(笑)のコメントを頂きました!

@takipone 良くかけてる。だが、甘いわ士郎!肝心のキャリアがTY2に顧客むけラックを持ち出す場合があることをな! 客のサイズに関わらない標準メニューを公言しているのはtokai,kvhの2社だけだがそのようなキャリア努力を忘れないでいただきたい!

— ARAKI Yasuhiro (@ar1) May 16, 2014

確かにキャリア各社、設備やプランの企画で様々な工夫をされていますよね。

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