[レポート]特別講演:テクノロジー活用と顧客体験の新常識 #discovery2020
SORACOM Discoberyとは?
2020年7月14(火)にSORACOM Discobery2020がオンラインで開催されました。 SORACOM Discovery 2020@ONLINEは以下のようなイベントです。
SORACOM Discoveryは、株式会社ソラコムが主催する日本最大級のIoTカンファレンスです。
2016年の初回開催より年々規模を拡大し、デジタルトランスフォーメーションがもたらす未来、IoTの最新トレンド、ビジネス活用事例、IoTプラットフォームSORACOMの最新サービスを、IoT先駆者の皆様とご紹介しています。
世界情勢の急激な変化により、需要と供給が極端に抑え込まれ、これまでにない社会的かつ経済的な混乱を誰もが経験しました。私たちはこの不透明な時代に対して、ビジネスにおいて、何を変え、何を守るという判断をすべきなのでしょうか? 短い期間での急激な変化ではありましたが、社会も企業も個人も少しづつ新しい時代に順応しています。 世界が変わる。自分も変わる。 IoTやAIなどのテクノロジー活用で既成概念を覆すアイデアを実行しているゲストと、オンラインで全国からご参加いただく参加者と共に、予測できない変化が起こり続ける時代のニューノーマル、新たな常態や常識に順応する指針を見つけましょう。
オンラインでセッションに参加させてもらいましたので、セッションレポートをお送りします。
特別講演:テクノロジー活用と顧客体験の新常識
スピーカー
- 株式会社チカク 代表取締役:梶原健司氏
- 株式会社Mobility Technologies 代表取締役会長:川鍋 一朗氏
- AWL株式会社 代表取締役社長 兼 CEO:北出 宗治氏
- 株式会社ソラコム ビジネスプロダクト マネージャー:伊佐 政隆
セッション概要
対面から非対面へと生活様式が大きく変化し、すべての産業が影響を受け、変革が求められました。本セッションでは、モビリティサービス、シェアリングサービス、店舗サービス、オンラインサービス等、私たちの生活に身近なサービスとテクノロジー活用の未来をゲストの皆さまと共に探求します。
セッションレポート
はじめに
伊佐さんからモビリティや店舗など生活に身近な領域のサービスの未来はという話をゲストの方に話していただきますというオープニングトークで始まりました。
モビリティDXカンパニー Mobility Technologiesの取り組み
- JapanTaxiとMOVが4月に合併した会社
- タクシーアプリとして日本のモビリティのDXを進めていく会社として、現在500人くらいの規模になった
- 新型コロナの影響で5月の全国タクシーの営業収益が-66.2%になった
- タクシー産業始まって以来の落ち込み
- 以前は、配車の依頼に対して、配車が追いついてなかったが、コロナによって全体の売上が下がったことにより、アプリでの配車率が大幅にアップした
- この状況下じゃなかったら、3年位かかったかもしれない
- 今は、アプリで車が見つかる確立が上がった
どうやって顧客体験を上げるか?
- アプリのUI/UXを突き詰めていくのも分かりやすい顧客体験だが見逃してはいけないのがタクシーのオペレーションレベル
- タクシーの運転オペレーションの体験を上げていく
- フィードバックが届きにくく、フィードバックループがうまく働いていない
- ドライブチャート・ドラレコ事業として以下を展開している
- AI活用の交通事故削減サービス「DRIVE CHART」
- タクシー運転管理に特化した「Japan Taxiドライブレコーダー」
- 運行管理者が、気軽に指導できる。ツールがあることによりコミュニケーションが増やせる
- タクシーの体験は、乗った後も含めて全体の移動UXを上げていく必要がある
Mobility Technologiesの取り組み
- モビリティDXカンパニーとして各種事業を展開
- 配車関連事業
- 広告決済事業
- 乗務員向けソリューション事業
- ドライブチャート・ドラレコ事業
- 次世代向けR&D事業
- タクシーを基点に交通課題の解決、社会課題への取り組みを行っている
質問
- テクノロジーを浸透させるいいタイミングになっている?
- 高評価をつけた乗務員さんが来てくれるとか細かいユーザビリティを上げている
- 社会インフラ化に向けて、どのように見据えているか?
- 移動のオペレーションの最適化がタクシー業界にはある
- 人が移動するインフラだけではなく、物を運んだり、見守りに役に立つと思っている
With/Afterコロナ時代のAIカメラソリューション
AWL概要
- 4年前に創業した北大初認定ベンチャー
- サツドラHDの店舗のデータを使って独自のアルゴリズムを作ってきた
- 今年の2月に8億円の資金調達して、スーパー、コンビニ、アパレル向けに監視カメラ向けAIサービス開始
- コロナ禍になり、ホテル、学校、介護施設などで導入が進んで行った
- 18カ国から集まるGlobalチームによるソリューション開発
- AWLのエッジAI技術
- 高機能なVMS機能と、多機能・低機能なAI昨日をワンストップで利用可能
- 1.既存カメラが使える
- 2.簡単に設置できる
- 3.行動分析結果の汎用性
- マーケティング
- 来店属性分析
- 店舗内動線分析
- 他名前立ち止まり状況分析
- 商品への接触
- 購買者属性分析
- 店内状況分析
- 販売支援
- お困りごとアラート
- 来店社に合わせた情報提供
- 防犯
- など様々な対応が可能
- マーケティング
- 4.外部連携
- パートナー企業による機能開発
- クラウドの通信でSORACOMを利用している
- テキストデータのみを送っている
- ソフトをアップデートする時にNapterを使っている
- 高機能なVMS機能と、多機能・低機能なAI昨日をワンストップで利用可能
早急に解決すべき新しい課題
- 長期化することでテクノロジーを活用し、Withコロナ/Afterコロナ時代に求められる安心安全の「ニューノーマル」の確立
- 同時に店舗や施設のリモート化、デジタル化、省人化、メディア化を推進し、収益性を向上する
- お客様のニーズ
- 店内の混雑状況を事前に知りたい
- 他のお客様との距離を保ちたい
- 消毒の徹底がされているか気になる
- お客様、従業員のマスク着用状況を知りたい
- 熱のあるお客様、従業員をチェックしてほしい
- 混んでいる場合にはテイクアウトを利用したいなどなど
- 企業のニーズ
- 出勤時の検温を徹底したい
- 勤務中のマスク着用を徹底したい
- 定期的なアルコール消毒の利用を徹底したい
- 直接対話の接客を減らしたい
- 店舗で働くスタッフの数を減らしたい
- 店舗の見回りをリモートで完結したいなどなど
- 長期化するにしたがって、デジタル化が進んでいる
コロナウィルス対策から始まるDX推進
- とにかくまずやろうということで導入が進んでいる
- せっかくエッジAI入れているので、ステップを分けて進めていく
- ステップ1:コロナウィルス感染対策
- ステップ2:リモート化・デジタル(AI)化:コスト削減
- ステップ3:省人化:コスト削減、売上向上
- ステップ4:メディア化 :売上向上
- 感染対策、3密対策を月額4,000円/第で提供
- コロナウィルス対策の具体的な機能
- 1.マスク検知
- 2.混雑度予測
- 3.発熱検知
- 4.消毒検知
- 5.距離検知
- 6.データ連携
- 一般的な防犯カメラシステムでの相場と比較すると年間の総額でAIカメラ(クラウド型)と比較すると90%コスト削減できる
- AIで不審者を検知アラートする機能を提供し、声がけすることで70%万引抑止に効果がある
- 対面での接客ができないのでAWL、サツドラ、サイバーエージェントで購買者にあった広告の出し分けが可能になり、売上げアップに加え、広告収入による新たな収益源を作ることが可能
- サツドラ様との取り組み
- 来店顧客の見える化:カメラを使ってポイントカードのデータを正しく取れた
- 動線分析も変わってきている
- AWLは、手軽にSaaS形式で利用できる
- 体温は複数人一気に把握することができる
- イベント会場でのスポット利用などが増えている
- 体温は複数人一気に把握することができる
質問
- サービス事業者さんの対応スピードはどうか?
- 最初に業界のトップランナーが対応していると、消費者の方は最初の方がスタンダードになる
- 検温なども止まらず測れると、それがスタンダードになる
- テクノロジーの活用は消費に見られることが多いが、メディア化などはどのように考えているか?
- コロナのための1次的なコストではない
- せっかく導入したので、売上につなげる
- アプリを切り替えたら、色々なことに利用できるよう意識して設計している
まごチャンネル Business Deck
- ミッション:距離も時間も超えて 大切な人を近くする・知覚できる世界を創る
- 創業して5年くらい、累計して10億くらい調達し、会わせられる体験を作りたく「まごチャンネル」というプロダクトを作っている
まごチャンネルとは?
- 一見シンプルな形でプロダクトを提供している
- 家族のスマホ:送る
- 実家のテレビ:見た、お気に入り、通知
- サービス開発において、最も大切にしていること。
- シニアファースト
- 100歳でも使えて、本当に喜ばれるプロダクトを
- シニアファースト
- なぜシニアが誰でも使えるデバイスなのか?
- Wi-Fi普及率は20%を切っている
- 本当に誰でも使える仕組みの実現
- 通信内蔵
- 簡単セットアップ
- 操作はリモコンで
- Amazonカスタマーレビューで4.7の高評価を頂いている
- 使いやすい
- テレビの画面なので等身大に感じてもらえる
- ユーザーさんから導入後にコミュニケーションが増えたというフィードバックを頂いた
- 家族と会話する機会が増加した:97%
- 家族と会話する回数が1.5倍以上に増えた:85%
- 直筆のお手紙を頂くこともある
- コロナ禍では、帰省が出来ない
- オンライン帰省の一つの手段として、まごチャンネルを取り上げていただくことが増えた
- 中々会えない中でどうやったら会える体験を作れるか?
- 今のテレビは等身大のように映るので、実際に孫に会える感覚
- 高齢者のみの世帯が急拡大している
- シニア1200万世帯と家族・社会をつなぐエコシステムへ
- 離れて暮らすことによる限定された家族関係から家族+社会がシニアとチカクになる関係
- SECOM様と「たのしい。みまもり。」をコンセプトとして、これまでにない見守りサービスを共同開発、2020年1月に販売開始
- 行動が何となく類推できるような体験を提供
- デジタルな二世帯住宅のような感じでゆるく見守れる
質問
- 今は何でも自治体の活動は中止になっているが、サポートできそうなことはあるか?
- 各自治体で横のつながりも求められる
- 家族を繋ぐというのをベースにしながらも家族以外の方とも繋がれるようにサービスを拡張していきたい
- 体験するための一歩を踏み出すためには?
- IoT Storeのように身近にちょっと試せるものが増えてくれば体験が増えてくると思う
まとめ
Withコロナ/Afterコロナになり、各業界の方々が顧客体験がどうなったのか、どうなっていくのかというお話をしていただきました。やはり、それぞれの業界でインパクトは大きかったようで、この変化の状況に対応するために、各企業様がどのような対応を行ってきたのかを伺うことができて、非常に感銘を受けました。