ECサイトのより良い顧客体験について学ぶ

先日、ECサイトの案件に関わる機会があったため、文献を読んでECサイトにおけるより良い顧客体験について学びました。そして今後のEC業界に思いを馳せてみました。
2021.12.16

今回のブログはこちらの文献を参考にしています。
EC通販で勝つBPO活用術ー最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

これからのECサイト

2010年代までのECサイトは、実店舗にない商品を求めて、もしくはより便利に商品を手に入れたいという、あくまでも商品の購入をする場でした。
しかし2020年代はただ購入するだけでなく顧客体験の場を作ることがメインになります。顧客はスマートフォンなどのモバイル端末の発達やSNSの普及、そしてマーケティングツールの進化で、さまざまな経路からECサイトへ流入し、他社商品も含めながら検討しながら商品を購入します。購入して終わりではなく、購入後満足度を高めて店舗のリピートへ繋げるという流れを考えた施策が必要です。
実店舗とECサイトが併存するお店では、OMOというマーケティング手法がトレンドになっています。スマホ片手に実店舗で買い物する顧客のように、オンラインとオフラインの境目に囚われずに最高の顧客体験を生み出すことが今後求められています。

OMO
One Merges with Offline の略。2017年ごろ中国で提唱されたと言われている。ECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)を融合した顧客体験の向上を目的とするマーケティング手法。 出典元:NECソリューションイノベータ

One to Oneマーケティング

ECサイト上でのこれからの顧客体験をより良いものにするためにはOne to Oneマーケティングの活用が鍵となります。One to Oneマーケティングは顧客の趣味趣向や属性、行動履歴を元に一人一人に合わせてマーケティング活動を行う手法です。顧客の細かいニーズに答えた形の提案ができることで、より良い顧客体験につながるでしょう。

one to one image

顧客理解

One to Oneマーケティングを実行に移す前に大切なことがあります。それは顧客理解です。ユーザーを深く理解することでどのようなツールを作るべきか又は活用するべきか、どの属性や行動履歴で絞り込む必要があるのかを理解できるためです。

インタビューで顧客理解を深める

顧客理解にはインタビューが最適です。例えば、40代女性でECサイトの買い物が主流のグループなど、情報を得たい顧客層を絞り込んでインタビューを行います。(グループは別の属性や行動で数グループ作ることも可能です)

インタビューの分析

インタビューの回答内容を分析していくと、CRMのヒントが見えてきます。CRMの方向性が固まれば、次に行うのがペルソナの設定とカスタマージャーニーマップの作成です。

CRM
Customer Relationship Managementの略。顧客関係管理の意味。顧客の情報を収集・分析して、最適で効果的なアプローチを行い、自社の商品やサービスの競争力を高める経営手法のこと。 出典元:大塚商会 いまどきのIT活用

ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成

ペルソナを作成する目的は顧客ターゲットのイメージを統一することです。例えばECサイトのデザインや色味、商品に同梱する挨拶状やチラシのデザイン、メルマガの文体などさまざまなツール作成においての判断材料になります。
ペルソナができたら、カスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップを作成すると、マーケティングや商品開発などに活かせます。主要な顧客像が複数パターンあれば複数のカスタマージャーニーマップを作成しても構いません。 顧客理解を深めてマーケティングの方向性も固まったところで、いよいよ一人一人へアプローチを実行していきます。

ペルソナ
自社の商品やサービスの典型的なユーザー像のこと。いわゆる「ターゲット顧客」よりもっと具体的に、年齢、性別、住所、職業、役職、年収、趣味、特技、家族構成、ライフスタイルなど細かく設定する。 出典元:EC通販で勝つBPO活用術ー最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

カスタマージャーニーマップ
ペルソナの状態(認知、情報収集、購入など)ごとに行動・思考・心理を想像し、それに対する自社の施策を考えていくもの。 購買における心理と行動を時系列で辿り、それをまとめた一覧表やシートをカスタマージャーニーマップと呼ぶ。 出典元:EC通販で勝つBPO活用術ー最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップ例

MAの活用

顧客のより細分化されたニーズへ対応するためには、顧客の属性(性別、家族構成など)と行動(閲覧履歴、購入履歴など)を掛け合わせて、適切な提案を見せる必要があります。そこで役に立つのがMAです。MAを活用すると、属性と行動を掛け合わせて細かい粒度でターゲット設定ができるため、多様な顧客と多様な接触方法を持つことができます。そしてその後の結果を素早く分析、改善することができます。MAの活用することで手間と時間を短縮し、より細分化、多様化、高速化した形でOne to Oneマーケティングを実行できます。

MA
Marketing Automation の略でマーケティングを自動化するツールのこと。代表的なツールとしては、Marketo EngageやSARORIなど。ただしMAを使いこなすにはコツが必要で、最初は外部コンサルタントと協力して運用方法を習得する必要がある。 出典元:EC通販で勝つBPO活用術ー最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

さいごに

私はよくECサイトで買い物をするのですが、ごくたまに私の欲しいものを見透かしたようなレコメンドをもらうことがあり、びっくりすることがあります。今思うとECサイト側が念入りにターゲティングしてくれた、貴重な顧客体験でした。
ECサイトでより良いの顧客体験を生み出すためにOne to Oneマーケティングは効果的なようです。そのためには顧客理解と適切なマーケティングが必要で、MAツールを導入すればより戦略的に実行できます。
参考文献には「2030年のEC通販と生活風景」という中々興味深い未来予想図も語られています。興味のある方はぜひ。
EC通販で勝つBPO活用術ー最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す