(小ネタ)EFS のスループットモードがプロビジョンドに設定されているのにも関わらず、クレジットバランスが付与されている

(小ネタ)EFS のスループットモードがプロビジョンドに設定されているのにも関わらず、クレジットバランスが付与されている

2025.10.29

こんにちは。
モットーは なんでもかんでも ゼロショット
オペレーション部のかわいです。

先日「EFS でプロビジョンドスループットを使用しているのにも関わらず、同ファイルシステムにクレジットが付与されている」という質問があり、バーストスループットに設定されていないのにおかしいなぁ~と思ったので調べてみました。

本記事では、バーストで設定してないのにクレジットが付与されているのはなぜか?についてと、事象を回避するための tips について解説します。

クレジットが付与されている理由

結論から言うと、ファイルシステムの ベースラインスループットがプロビジョンドスループットを超える場合、ファイルシステムには自動的にバーストスループットが適用 [1]されます。

[1] https://repost.aws/ja/knowledge-center/efs-burst-credits

ファイルシステムの計測サイズが、プロビジョニングしたスループットよりもベースラインレートが高い場合、ファイルシステムはデフォルトでバーストスループットモードになります。

上記からも、プロビジョニングスループット設定値が実際のワークロードに対し低い場合、意図せずバーストスループットモードに切り替わってしまうことがあります。

そのまま気づかずにいるとクレジットが枯渇し、EFS のパフォーマンスに影響が出てしまいます。

意図しないモード変更を回避するには?

この状況を回避するためには、事前に適切なスループット値を設定する必要があります。

ベースラインレートを算出する場合、まずは以下の仕様に従い値を求めます。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/efs/latest/ug/performance.html#throughput-modes

基本スループットは標準ストレージクラスのファイルシステムのサイズに比例し、ストレージ 1 GiB あたり 50 KiBps の割合で計算されます。

ここで注意が必要なのは、全体の容量や IA サイズではなく「標準ストレージクラス」で使用されている数値が適用される点です。

計算式としては以下で、使用サイズに対し GiB ごとに 50KiB を掛けます↓
(50 GiB 使用している場合)

50 GiB("標準のサイズ"で使用しているサイズ) × 50 KiB/秒 = 2,500 KiB/秒 ≒ 2.5 MiB/秒

となり、1,024 KiB(= 1MiB)で割ると「2,500 KiB/秒 ÷ 1,024 = 2.44 MiB/秒」と算出できます。

まとめ的な

ここまで簡易的ですが、バーストスループットモードに自動的に切り替わってしまうケースの対処法について紹介しました。

EFS を快適に利用するには、前述のようなベースラインレートの算出→プロビジョニングされたスループット値の変更や、一時的な利用過多が見込まれる場合はバーストスループットモードへの変更が検討できると思います。
またワークロードが不明な場合においては、エラスティックスループットの利用も選択肢に入ります。

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