FinOps & クラウドコスト関連ナレッジ - 2025年11月
近年、クラウドコストに関する課題が注目を集めています。私自身も注目し、情報収集を行なっているテーマです。そんな中で、同じ関心ごとをお持ちの方のお役に立てればと思い、個人的に気になった記事をシェアしています。
アップデート
12月にリリースされた re:Invent アップデートも含めたので、大盛りになっています。
トピック
今回のトピックは re:Invent 2025 です。(開催日として12月ではありますが)
コスト管理の領域でも様々なアップデートがありました。
- 新しいサービス・機能
- DB Savings Plans / Billing Transfer
- コスト最適化の既存サービス機能アップデート
- RI/SP グループ共有機能 / Cost Optimization Hub コスト効率メトリクス / Compute Optimizer オートメーション など
- AI For FinOps の拡大
- Amazon Q の機能強化 / Cost Explorer 予測説明機能 / Cost Anomaly Detection のアルゴリズム改良 など
- その他
- 各サービスでのサーバーレスやストレージタイプといった 効率的な利用を実現する選択肢が増加
- もちろん FOCUS 1.2 対応 も!
事前に 紹介されていたセッション などで既に公開されていたものを共有したいと思います。(冬休みの宿題ですね...)
- COP202: What’s New with AWS Cost Optimization
- COP203: What’s New with AWS Cost Management
- COP366:Streamline Multi-Organization Billing with AWS Billing Transfer
- COP401: Advanced analytics with AWS Cost and Usage Reports
- COP419: Advanced multi-cloud cost reporting with FOCUS
- DAT326: [NEW LAUNCH] Deep dive into AWS Database Savings Plans
- DEV318:Optimize AWS Costs: Developer Tools and Techniques
- SNR306: A leader's guide to AI-powered FinOps
※ 一部のセッションの中で紹介されていたクエリがこちらで確認することが出来ました。
ナレッジ
Aurora Serverless v2はACU 0に設定してもログを確認すると起動します
こんな動作をするなんて知らなかったです。いつかうっかりログを確認してしまい原因を調べることになり、この記事に戻ってきそうです。ありがたい TIPS です。
【開催報告 & 資料公開】AWS 秋の Cost Optimization 祭り 2025
11月5日に開催された「AWS 秋の Cost Optimization 祭り 2025」の資料が公開されています。参加できなかったので早速公開していただいて、とても嬉しいです。
Analyzing On-Demand RDS Usage for RI Planning with Athena (Legacy CUR)
(Athena (レガシー CUR) を使用した RI 計画のためのオンデマンド RDS 使用状況の分析)
あくまで購入時は推奨事項を利用することが記載されていますが、サンプルクエリも記載されていて、現状分析や推奨事項が利用できない環境下では参考となるナレッジです。
Reducing AWS Systems Manager Automation Costs: A Guide to Identifying High-Frequency Associations
(AWS Systems Manager 自動化コストの削減: 高頻度の関連性を特定するためのガイド)
無料利用枠の廃止に備えて、その影響と要因となるリソースを特定する方法が紹介されています。無料利用枠が 2025/12/31 までとなっているため Systems Manager Automation を利用中の場合は、今年中に一度影響を確認されることをお勧めします。
Having a Framework is always better than Firefighting. The FinOps edge
(フレームワークを持つことは、常に消火活動よりも優れています。FinOpsの優位性)
スポットで事後的な対応から継続的な習慣としての FinOps を実現するために重要なガードレールやプロセスを設けるためのヒントが紹介されています。 FinOps フェーズの Operate をイメージするのに役立ちます。
Why Human Expertise Still Defines FinOps Success
(なぜ人間の専門知識が依然として FinOps の成功を決定づけるのか)
昨今の AI For FinOps が進む中で、人が介する意義が書かれています。
テクノロジーはデータを提供します。人は成果をもたらします。
AI はツールで人を支援するものであり、最終的な判断や戦略への落とし込みは人による領域だと個人的には理解しています。(今後はどうなるかはわかりませんが)
また FinOps においては、各ペルソナ間でのコミュニケーションや当事者意識、企業の戦略の理解と活用が重要となるため、この点では単にデータを提供するだけではなく、専門性を持つ人が介在することによって実現されるものだと個人的にも考えています。
I Built a Java Annotation That Fails Your Build If Your Code Is Too Expensive.
(コードが高すぎる場合にビルドを失敗させる Java アノテーションを構築しました)
N+1 問題を例にして、開発における FinOps シフトレフト が紹介されています。事後的な検知や対応も重要ですが、そもそも回避したいというのも大切で、こういった機能が今後増えてくるのではないかと個人的には思っています。
How to Start Your FinOps Journey: A Practical Guide to Cost Sprints
(FinOps の旅を始める方法: コストスプリントの実践ガイド)
コストスプリントとして、既存のアジャイルの中に、クラウドコスト管理に関する内容を取り込むことで継続的な習慣とするための始め方が紹介されています。
目的の定義やデータを活用する点や定期的に実施することなど、とても参考となる内容です。
OCIで実践するクラウドコスト削減・最適化手法まとめ
OCI におけるクラウドコスト最適化の方法について、前提となる知識やメリットデメリットを交えてわかりやすく紹介されています。まとめていただいた記事を見ていると OCI においても他クラウドと同じアプローチが有効であることがわかります。
Optimize Amazon WorkSpaces applications fleet capacity with the Scaling Optimizer Tool
(スケーリングオプティマイザーツールを使用して Amazon WorkSpaces アプリケーションのフリートキャパシティを最適化する)
キャパシティプランニングを支援する Amazon WorkSpaces Applications AutoScaling Policy Optimizer Tool (Excel)に関する紹介記事です。ツール内は英語ではありますが、Amazon WorkSpaces アプリケーション のフリートキャパシティに課題を抱えている場合は、解決の一助になりそうです。






