「がんばらない読書法」で実践してみる新卒研修

「がんばらない読書法」という方法を、新卒研修で実践してみました!がんばらない読書法では、本を全て読むことはしません。おおさっぱに読んで、短時間で筆者の主張を理解することを目指します。
2023.04.10

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はじめに

こんにちは、23卒で新卒入社した小野山です!ジョインブログ以外だと、DeveloppersIOに投稿するのはこれが初めてですので、温かい目で見てもろて...

今年度のクラスメソッド・アノテーションの新卒メンバーは、新卒で入社してから部署に配属されるまでの3ヶ月で新卒研修を受けます。その内容はビジネス研修から技術研修まで多岐に渡ります。その中のひとつに、読書に関する研修がありました。この読書研修を「がんばらない読書法」で実践してみると、短時間で結構いい感じに本を読み進めることができました。ということで、今回はそちらを紹介していきたいと思います。

がんばらない読書法とは

がんばらない読書法とは、全ての文章を読むのではなく、つまみ食いでおおざっぱに読書する方法の事です。これは「読書するけど眠くなってしまう…」「しっかり隅から隅まで読んでると時間がかかるし疲れちゃう…」みたいな人向けに提案された読書法です(以前どこかのブログで拝見した方法なんですが、肝心の元記事が消えてるみたいです泣)。

私自身が完璧主義的な部分があり、一言一句丁寧に本を読んで疲れて撃沈ということが結構ありました。そんな時に「読書  疲れる」とググって出逢ったのが、この「がんばらない読書法」です。

研修内容

今年度の新卒研修では、読書する習慣を付けるという名目で読書研修が実施されました。今回はこの研修でがんばらない読書法を実践していきます。

もともとは「ペア読書」という名前の研修でした。内容としては「40分で1冊の本を読み、その後ペアでどんな内容だったか、どんな感想を抱いたかを共有する」というものでした。実際は、当日の時間の都合上「40分で読書してみる」という内容に短縮されました。いずれの内容にも共通しているのが、40分という比較的短い時間で1冊の本を読むということです。

丁寧に読み進める読み方だと、40分で本の内容をひととおり把握し、筆者の言いたいことや印象に残ったことを拾っていくのはしんどいと思います。しかし、上述のがんばらない読書法を活用すれば、短時間で本を読んで重要な部分を抜き出すことは可能だと思っています。

対象書籍

今回は研修の内容の都合上、「物語形式で執筆されているビジネス書」を対象とします。違う書き方のビジネス書やゴリゴリの技術書だと、もうちょっと読違う読み方になると思います。あえてここでは割愛させてくださいm(_ _)m(多分別の記事で紹介します)。

読み方

がんばらない読書法で大事なのは、全部を読もうとしないことです

例として、以下のようなページを示します。上述の通り、対話形式で書かれている書籍を想定しています(こちらの書籍は実際に研修で使用されたものです)。

「たしかに。では、葛藤やストレスについてはどうだろう。

いちばんストレスが強かったのはいつだろう。

手を貸そうと思ったときなのか、それとも自分の感情に背いて、翌朝しなければならないことの重要性を大げさに考えたときだろうか」

「もちろん、自分の感情に逆らったときです。葛藤だって同じです。自分の感情を裏切るまでは、葛藤なんかありませんでした」

「その通り。これらの問題は、すべて、自分の感情に逆らった後に起こった」

バドはそう言うと口を閉じ、自分自身を振り返りながら図を見ているわたしえおしばらく眺めていたが、やがてまた口を開いた」

「ということは、つまり?」

「つまりとは?」

「だから、こういう問題はすべて、私が自分の感情に逆らった後で、はじめて起きたわけだ。つまり?」

「つまり......、ええと、その、つまりこういった問題は、自分の感情に逆らったことが原因で、起きたわけです」

私はなんとか答えた。

 

アービンジャー インスティチュート (2006) 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』大和書房

ここで意識して欲しいことですが、具体例は筆者の主張を補強するために書かれています。筆者の主張が主役です。つまり、本を読むには筆者の主張を理解する必要があります。逆に言うと、筆者の主張さえ把握できていれば具体例はそこまで必要にはなりません。この考えに則って、がんばらない読書法では具体例はできるだけすっ飛ばします。そして筆者の主張を見つける時も、全部見つけてやろうと思わないようにします。

この例だと、筆者の主張はおそらく「自分の感情を裏切るまでは、葛藤なんかありませんでした」や「こういった問題は、自分の感情に逆らったことが原因で、起きたわけです」の部分です。それ以外の部分は、おそらく筆者の主張に導くためのガイドです。これらの筆者の主張をまとめると、筆者はこのページで「自分の感情に素直になるべき」と言いたいんだなと判断できるわけです。

「たしかに。では、葛藤やストレスについてはどうだろう。

いちばんストレスが強かったのはいつだろう。

手を貸そうと思ったときなのか、それとも自分の感情に背いて、翌朝しなければならないことの重要性を大げさに考えたときだろうか」

「もちろん、自分の感情に逆らったときです。葛藤だって同じです。自分の感情を裏切るまでは、葛藤なんかありませんでした

「その通り。これらの問題は、すべて、自分の感情に逆らった後に起こった」

バドはそう言うと口を閉じ、自分自身を振り返りながら図を見ているわたしえおしばらく眺めていたが、やがてまた口を開いた」

「ということは、つまり?」

「つまりとは?」

「だから、こういう問題はすべて、私が自分の感情に逆らった後で、はじめて起きたわけだ。つまり?」

「つまり......、ええと、その、つまりこういった問題は、自分の感情に逆らったことが原因で、起きたわけです

私はなんとか答えた。

 

アービンジャー インスティチュート (2006) 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』大和書房

ここで「おそらく」とつけたのは、人によって感じ方が違うからです。少なくとも、私はこの部分が筆者の言いたいことなんだろうなと判断しました。人によっては、他の部分を筆者の主張と感じるかもしれません。これが「全部読もうとしない」の意図です。テキトーにページをざっと見渡して、これが筆者の主張だ!と思えるような部分がなかったら数秒で次のページに進みます。「筆者の主張を見逃してしまうかも...」といった不安は一旦置いておいて、どんどん読み進めます。

筆者の主張だと思った部分には、蛍光ペンで線を引くなどして目印をつけておきましょう。自分がそこを読んで抱いた感情などもペンなどで書き込んでおきましょう。そしてすぐにそのページを開けるように、ページの端などにもマーカーで目印をつけておきましょう。

これを繰り返すと、ページの端につけた目印が増えていって、本を閉じた状態でもマーカを引いた状態がわかる状態になります。こうしてすべてのページをめくり終わったら、読了です。あなたが筆者の主張だと思った部分や自分のメモが書かれた、自分だけの本のできあがりです。がんばらない読書法だと、これらはだいたい40分〜1時間くらいで終わらせることができます。

まとめ

技術書やほかのジャンルの本などを読む際には、いくつかこの方法をアレンジする必要があるとは思います。ですが、「全部読もうとしない」の姿勢は一般的な読書においても非常に効果的だと思っています。がんばらない読書法では、ザッザッザッとおおさっぱに本を読み進めて、「この本読みました!」と言い張るくらいの気概が大事かなと思います