【レポート】GitHub Constellation Conference: デジタルイノベーションを支える富士通研究所の役割 #githubconstellation
はじめに
本記事はGitHub Constellation Conferenceのセッション「デジタルイノベーションを支える富士通研究所の役割」のレポートです。
レポート
スピーカーは株式会社富士通研究所の佐川 千世己さん。
富士通研究所について
先端材料から次世代阻止、ソリューションからソフトウェアまで、幅広く活動。
特許数は日本で5位、アメリカで17位。
従業員は国内1200名、海外230名。
スペインでは医療系AIを開発。
シンガポールでは都市全体計画をAIで最適化。
中国では都市部の交通量を自動計測する仕組みを開発。
基礎研究から先行研究、事業展開を行っている。
Digital Co-creation
IPv6によって世界中が無尽蔵に繋がる。
ITの基礎技術はいろんなところで限界に来ている。
微細加工の限界によってムーアの法則も限界。
ブレイクスルーは量子コンピューティング。
ネットワークは100Tbpsが光の限界。
データも今のテクノロジーでは爆発に堪えられない。
様々な新しいセキュリティの課題が発生。
人やデバイス全てが繋がる世界。
大量生産に対応したピラミッド型のビジネス構造は限界に来ている。
いろいろな企業が持っている機能が相互に接続されるような構造に変わっていく。
イノベーションにはソフトウェアが不可欠。
ソフトウェアのサイズは爆発的に加速。
ソフトウェアの利用者も圧倒的に増加。
ネットワークに繋がるIoTデバイスも将来的に500億を超えると言われている。
普及速度も進歩が早い。
ソフトウェア開発者が不足しており、今後増加が必要。
富士通が取り組んでいるソフトウェア開発の多くは大量生産型。
20世紀を牽引。ウォーターフォールでピラミッド型、統制された管理の中で確実に大量販売。
納品型なので品質の確認及び管理が大変。T型マトリクスなどに取り組んできた。
21世紀前半をドライブするモデル。
アジャイル、集合と競争、クラウド。
ソフトウェアは購入時が一番価値が高いが機能は増えない。
クラウドは価値は一定で機能はどんどん追加されていく。
開発スタイルの違い。
品質を確保するウォーターフォールと常にデリバリしながら進化するアジャイル。
富士通のウォーターフォールではPMx1、リーダーx1、プログラマ、ほかは協力会社が数十人。
富士通のアジャイルではPOx1、スクラムマスターx1、チームメンバーが6-7人。
富士通時代にアジャイルチームを作ろうとしたがなかなか上手くいかなかった。
なぜなら社内にプログラマがそもそも少ないから。
内製できるリソースがない。
課題解決のために富士通インキュベーションセンターを設立。
完全にアジャイル・スクラムな開発チーム。
3年で50人体制。
GitLabを社内で利用開始。
2017年6月からCI/CD環境を実施。
これまでの組織とこれからの組織でモデルが違う。
これまではウォーターフォール型、これからはアジャイル型。
大量生産ではウォーターフォールが最適だが、新しいモデルの採用も必要。
富士通研究所の取り組み
基礎技術と応用技術は組み合わさって進化している。
応用技術は急に生まれるわけではない。
CPUやストレージなどが飛躍的に進化したことで実現された。
要素技術をどのように応用技術に繋げていくか。
ソフトウェアをモジュールではなくサービスで提供。
ソースコードを共有する仕組みが必要。
研究対象としてのソフトウェアの変化。
統計から機械学習やAIへ。
データサイエンティストやスペシャリストの考え方が必要になる。
1人ではなくみんなで解決していかなくてはならない。
今後、答えのわからない応用系の研究が増えていく。
GitHubの導入
K5でGitHub Enterpriseを提供。
お客様に提供するだけでなく、自分たちでも使う。
GitHubを使うことで文化を社内に取り込みたい。
社内にある15,000の開発リソースを繋げて有効活用したい。
オープンソースの世界と親和性を確立させたい。
富士通の中でソフトウェアエンジニアを抱える必要性はない。
もっと人材の流動性があって良い。
であればオープンソースの開発手法、開発ツールに慣れておいたほうがいい。
ムラの中で使っているツールではなく、デファクトスタンダードのツールをちゃんと使えるように。
富士通研究所が実践し、富士通全社に展開したい。
さいごに
富士通さんのような大きな会社が、GitHubの全社導入に取り込むというのは、とても興味深い話ですね。