三種の神器 オンボーディングセミナー#1に参加してきました! #Go_SaaS
はじめに
#Go_SaaS 三種の神器 オンボーディングセミナー#1(東京)に参加してきました!
Go SaaSとは、Auth0・CircleCI・Stripeの3社によるISV・スタートアップ企業のためのSaaS化支援プログラムです。
途中参加になってしまったため途中からのレポートになります。。m(_ _)m
「Go_SaaS 三種の神器」が目指す新たな日本のSaaS化促進支援の形
小島英揮さん
Saas/サブスクリプションを巡る動き
- 圧倒的な伸び率
- 年率40パーセント以上で成長中
- 小島さんの中ではこれでもスピードが鈍化してるイメージだそうです
サビスクリプションのグロース
- 基本的に右肩上がり
- なぜ伸び続けるのか?→継続して使われることが当たり前だから
- ビジネスとしてとてもヘルシー
パッケージ販売→SaaS/サブスクの壁
- ファイナンスの壁
- 月額課金の場合、資金回収が先になってしまう為、キャッシュフローが回らなくなる
- 組織文化の壁
- テクノロジーの壁
- Cloud on cloud、SaaSの上にSaaSを作る
マルチテナントSaaSモデル
- 随時アップデートしていく為にはCICDを入れてサイクルを自動化していくのが必須
- 次に課題となるのがID管理
- 返金処理や課金プランの変更など考えることがたくさん
全部自前で実装していたらビジネスが進まない
Auth0
- 自前で作った場合リスクが大きい
- セキュリティホールを生む可能性
- 自前で作ったとしてもその後の運用やアップデートがまた大変
→すでにあるものを使おう
Stripeの機能
- PAYMENT(都度課金)
- BILLING(定期課金)
- CONNECT(CtoC決済プラットフォーム)
国内ISV、スタートアップのSaaS化
- サブスクリプションビジネス早出の課題解決支援
- 国内ISV →技術オンボーディング支援
- 成長過程のSaaS/ASP→コミュニティタッチ支援 3社が持ってるコミュニティを提供
- 国内スタートアップ →コスト改善支援
三種の神器活用におけるコスト改善
- プロトタイプの段階ではほぼ無料でできる。
- クレカ決済導入してキャッシュフロー改善。(出金よりも入金を先に)
SaaSビジネスに必須のCICD
CircleCI カントリーマネージャー 森本健介さん
ユーザーコミュニティ
DevOpsの歴史
- 1970年 ウォーターフォール(50年前!)
- 2001年 アジャイルの誕生
- 2010年 DevOpsカルチャーの登場
- テストの自動化だけでなくデプロイの自動化を目指す
DevOpsにCI/CDが含まれる
CI/CDとは
ソフトウェアの変更を常にテストし自動で本番環境にリリース可能な状態にしておくソフトウェア開発の手法
Jenkinsからの移行
- プロジェクト毎のサーバー構築・運用が不要になる
- 大量のプラグイン管理が不要になる
CircleCI
- SSHデバッグ機能
- 運用チームや自社開発の構築が不要
- 設定ファイルでテスト環境の統一
- Dockerサポートにより、高速にビルド環境を立ち上げ
- パラレルジョブ・マルチコンテナでキューを解消
- 複数のキャッシュ機能でビルドを高速化
- パイプラインでジョブを連結
- 設定ベースの機能追加で3rdベンダーツールと連携可能(Orbs)
DevOpsとCI/CDが重要である理由
- デプロイの頻度(毎日何度でも)
- デプロイまでの速度(即時にリリース)
- 変更時のトラブル(トラブル減少)
- インシデントのリカバリータイム(すぐにリカバリー)
日本語ドキュメント
来週くらいまでに全てのドキュメントの日本語訳が完了する予定だそうです!
Auth0がB2B SaaS企業に必要な理由
ユーザーコミュニティ
Facebookのグループ
先日沖縄でも開催されたようです。
Auth0
- ディベロッパーがより早くイノベーションを起こすのを支援する
- ディベロッパーに認証・認可を提供する
- 認証認可があるのは当たり前、だけど車輪の再発明は不要
- 実績ある製品を採用し自社のコアに集中しよう
ソーシャルログイン
数週間でLINE連携がリリースされるそうです!
B2B SaaSのお客様に共通するID関連の
- カスタム開発の削減と開発スピード向上
- セキュリティ要件への対応
顧客企業毎に異なるIdentity関連の要件
サービス立ち上げ当初は内製のIDプラットフォームで対応できても、サービスが成長してくると共に運用作業も大きくなりコアの開発を圧迫する。
大手企業で使われているEnterprise Directory
→それら全てに内製Identityプラットフォームを作ってメンテしていくのは現実的じゃない。
ロール毎のアクセス制御
どの企業も権限管理は必須の要件になってくる
- Roleの定義
- RoleのPermissionの紐付け
以上!(ダッシュボードで完結)
2要素認証
Contextual MFA
フリップスイッチのみで設定可能!
特定の条件を設定して一致した時のみMFAを要求することができる
不正アクセス検知
- 不正な挙動
- Brute Force Protection
- 漏洩したID/PWDによるログインを自動検知
- Breached Password Protection どちらもフリップボタンで設定可能です。
ログ分析
外部の分析サービスと簡単に連携できる
- Sumo Logic
- Splunk
- ElasticSearch
B2B SaaSお客様事例
- Atlassian
- 高いトランザクション負荷に対応可能であることが要件
- 300万ユーザーを1週間で移行することができた
- VMware
- 大きなユーザーベースに対応可能なスケーラビリティ
【Stripe】SaaSを支える決済機能のコツ
StripeJapan株式会社 代表取締役 ダニエル・へフェルナンさん
前職はクックパッドでエンジニアをされていたそうです。
Stripe
- 決済まわりの構築はすごく大変
- Stripeを使うことで決済のハードルを下げる
請求もUXの一部
ユーザーコミュニティ
JP_Stripes facebookグループ
料金設定の考え方
- サービスの価値に見合った料金設定
- コストにマージンを乗っけて考えがちだが、これではだめ。お客さん目線でサービスの価値を考える
- お客様が期待する価格での料金設定
- 予算を大きく超えてしまうと検討の対象にも入らない
- お客様からの不満(フィードバック)も料金に反映していく
- サービスの拡大に伴った料金設定
- 既存顧客は設定料金を変えずに新規顧客の値上げするのが肝
よくある料金設定のパターン(ロータッチ)
- $25(¥2,480)
- $49(¥4,980)
- $99(¥9,800)
- $249/$499(¥19,800~¥49,800)
500ドル以下だと購入されやすい
よくある料金設定のパターン(ハイタッチ)
月次150万円
ハイタッチの場合は年間契約にしたほうがいい。
月額だとチャーンレートが上がってしまう為
料金計算ロジックの実装
→これを実現するのがbilling
クーポンや無料期間の設定
- クーポン
- 20%OFF
- 1000円OFF
- 先着100名
- 2019/9末まで有効
- 無料期間
- 初月無料
- トライアル期間 などのユースケースで柔軟に設定が可能。
KPI分析
- コホート分析も可能
- 定期顧客の解約率
- 解約された売上
- ダッシュボードで確認できる
「Mackerel」での実装例
Mackerelでもstripeが使われています。
Mackerel における決済プラットフォーム Stripe の利用について
レポーティングのニーズが高くマッチしたそうです。
日本SaaS市場の課題
- ノウハウが少ない
- 営業活動が必要なため、CAC(顧客獲得単価)が高い
- まだまだオンプレ必須な企業が多い
日本SaaS市場はチャンス
- 市場が大きい
- 競合が少ない
- 解約率が低い
Go SaaSの特典
- 初回決済額250万円分まで決済手数料が無料
- 初回決済額1億円まで、Billing利用料が無料(標準)
- 実装サポート、無料のコンサルティングサポート
質疑応答
AWS CognitoとAuth0の選定は?
Auth0の特徴としてアプリケーションがどの環境にあるかを気にせず使えるところがメリット。
AWS上にアプリケーションがあってIAMのロールで権限管理したいなどの要件があればCognitoと親和性が高いと思う。
AWS CodePipelineとCircleCIの選定は?
上と同じく、CircleCIであればアプリケーション環境に依存せず使える。
Stripeの質問もあったんですがマイクが遠く聞き取れませんでした。。
Shifter開発の舞台裏 ~三種の神器編~
ここからは事例紹介です。 Shifter WordPressサイトを保守不要なスタティックサイトに変換しCDNで高速配信/公開できるSaaSです。
ちなみにGo_SaaSのページもShifterで作られているそうです。
発表者はデジタルキューブの小賀 浩通さんです。
開発体制
- 17人のチーム
- 100%リモートワーク
- SaaS専業ではなくwebの受託開発も行なっている
アーキテクチャ
- AWSのサーバーレス環境
- ダッシュボードはReactで開発
- 一番更新が多いのはユーザー向けのダッシュボード
- CI/CDはCircleCI
Jenkinsでいいんじゃないの?
Jenkinsおじさんの発生→1人のリソースが潰れてしまう Jenkinsは機能も便利だけど必ず運用者が発生してしまうので17人のチームで賄うのは厳しかった
もしStripeを使っていなかったら
SaaSの利用料金→月初に入金
- PCI DSSなどの認証
- 多通貨対応・多国籍対応
- 定期決済
- カードの不正利用・不審請求処理
- リトライロジック
- 支払いの催促処理
- 管理ダッシュボード
を全て自分で用意しないといけない。。
- Stripeの入金サイクルがキャッシュフローに効果的
- SaaSの利用料金→月初に入金
- AWSの利用料金→月末締め
使っているサービス
- LogRocket(webサイトのロギング)
- New Rellic(webのパフォーマンス監視)
- netlify(UI開発)
- ProfitWell(サブスクリプション)
- Datadog(モニタリング)
- intercom(CRM)
ID管理(サーバーレス)
AWSのCognitoを利用しているが、CognitoからAuth0への移行を検討中
BYOLからSaaS提供への変換
- AWS Market Placeからスタート
- AMI8種類
- CloudFormation8種類
- パフォーマンス最適化されたAMI
- 構成・チューニングが必要
- AMIMOTO(SaaSシングルテナント)
- サーバ構成 2種類
- プラン8種類
- WordPress専用環境(フルマネージドホスティング)
商品自体にお金を払う時代が終わり、ユーザーは「体験」に価値を見出すように スペックや性能で差別化するモデルは終焉を迎え、使い続ける過程でどのような体験を得られるかが重視されている
→そこでShifter
- Shifter(SaaSマルチテナント)
- 新しいWordPress体験
- JAMstackコンセプト
- フリープラン有り
- 利用に応じた価格体系
Shifterでの体験
WordPress運用で必要な
- OS/ミドルウェアの継続的メンテナンス
- WordPressの継続的アップデート
- WordPress Pluginの継続的アップデート
- パフォーマンスの継続的な最適化
- サービス監視・運用保守・サポート
が不要になる。
ユースケース
- SORACOMのダッシュボード
- LIXIL SQUARE
- HENNGE採用コンテンツ
- IETF Journal
- Go_SaaSのページ
まとめ
SaaSに完成という概念は存在しない
ローンチしてからも常にアップデートが必要
フィードバックループを回し続けなければならない
SaaSを提供するならSaaSを使い倒せ!
【事例紹介】AppSocially
Jeremy Hall, PhDさん
こちらは英語での発表でした。
AppSocially
https://appsocial.ly/
Chaasの構築(チャットボット as a Service)
企業と個人の両方にとって役立つようにチャットボットを進化
最新サービスはTruffle AI
SaaSの利点
- 実戦での経験
- 共通のユースケースを解決
- 大勢はサービスを利用している信頼性
- 高い可用性
- マルチリージョンにおいての可用性
- 自動バックアップ
- バージョンアップデート時もダウンタイムなし
- 低コスト/低い保守コスト
- サービスの保守・追加機能・インフラの管理などは長期にわたり継続して発生し、製品の老朽化に伴い時間の経過とともに大きくなる
- 極力SaaSに任せる
CircleCIによる構築
- 手動でデプロイする場合の問題
- オペミスの発生
- 機能の開発スピードの低下
- 自動CI
- エラーの減少によりダウンタイムの低下
- エンドユーザーに素早く機能を提供できる
Auth0による認証
- ログイン・サインアップの体験が悪ければ誰もそのアプリを使いたくなくなる。
Stripeによる支払い処理
- クレジットカード、Alipay、Apple Payなど様々な決済をサポート
- 充実したダッシュボードにより様々な変更が可能(サブスクリプション、請求書など)
- ログ機能
- 十分に機能するテスト環境
その他の驚くべき利点
- SendgridのEメールテンプレートエディタ
- Netlifyの継続的インテグレーションシステム
- MixpanelにEメールおよびプッシュ通知システム
- Auth0のユーザー基盤移行システム
結論
- SaaSは小規模なチームが指数関数的にアウトプットを増やすことを可能にするための強力なツール
- SaaSを活用することで、市場投入までの時間、開発コスト、保守コスト、及び同等機能の社内開発の総コストを削減
全体の感想
どちらかというと企業向けのセミナーでしたが、SaaSの開発とSaaSの利用者両方の視点でのお話が聞けて面白かったです。
特に2社の事例の話ではSaaS開発のリアルな話が聞けて課題やメリットがわかりやすく、とても勉強になりました。
今回紹介されていた3種の神器を10分で試す方法もご紹介してますので参考にしてください。