GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaの選び方と推論設定まとめ
はじめに
OpenAI の新モデルファミリー GPT-5.6 が一般提供になり、Codex でも Sol・Terra・Luna の 3 モデルを選べるようになりました。
本記事では、Codex で GPT-5.6 を使う視点から、3 モデルの違いとクレジット消費、推論設定、GPT-5.5 からの変更点、API 側の新機能を整理します。後半では、ベンチマークを見た感想と、Codex にはなく ChatGPT にだけある品質優先モデル「Sol Pro」にも触れます。しっかり検証した記事というより、公式ドキュメントと発表内容の整理に、普段 Claude と併用している私の所感を添える内容です。
Codex のモデルをどれにするか、推論量をどこまで上げるか迷っている方に向けて書きました。
結論
結論から言うと、Codex の常用は Sol の Extra high か High、簡単なタスクは Terra の High、複雑なタスクは Sol の Max や Ultra が良さそうです。そのうえで、アーキテクチャ設計やレビューのような「考える仕事」は Claude Fable 5 と使い分けるのが執筆時点の私の考えです。
前提
- クレジット・メッセージ投稿量の表は Plus プランのものです
- 仕様・価格・提供状況・ベンチマーク値は、執筆時点の OpenAI 公式ドキュメントと発表ページに基づきます
Codex で選べる GPT-5.6 の 3 モデル(Sol・Terra・Luna)
Codex CLI では /model コマンドでモデルを切り替えられ、同じ設定が非対話的実行にも適用されます。[1] 各モデルの仕様は OpenAI API の Models ページに掲載されているとおりです。価格は API 利用時の 100 万トークンあたりの USD です。[2]
GPT-5.6 Sol
複雑な専門業務向けのフロンティアモデルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル ID | gpt-5.6-sol |
| エイリアス | gpt-5.6 |
| Reasoning | none、low、medium、high、xhigh、max |
| 入力価格 | $5 / Input MTok |
| 出力価格 | $30 / Output MTok |
| 最大出力 | 128K tokens |
| コンテキストウィンドウ | 1.05M |
| 知識のカットオフ | 2026年2月16日 |
| 利用可能なツール | Functions、Web search、File search、Computer use |
GPT-5.6 Terra
知能とコストのバランスを取った GPT-5.6 モデルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル ID | gpt-5.6-terra |
| Reasoning | none、low、medium、high、xhigh、max |
| 入力価格 | $2.50 / Input MTok |
| 出力価格 | $15 / Output MTok |
| 最大出力 | 128K tokens |
| コンテキストウィンドウ | 1.05M |
| 知識のカットオフ | 2026年2月16日 |
| 利用可能なツール | Functions、Web search、File search、Computer use |
GPT-5.6 Luna
コストを重視するワークロード向けに最適化された GPT-5.6 モデルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル ID | gpt-5.6-luna |
| Reasoning | none、low、medium、high、xhigh、max |
| 入力価格 | $1 / Input MTok |
| 出力価格 | $6 / Output MTok |
| 最大出力 | 128K tokens |
| コンテキストウィンドウ | 1.05M |
| 知識のカットオフ | 2026年2月16日 |
| 利用可能なツール | Functions、Web search、File search、Computer use |
3 モデルとも、コンテキストウィンドウ・最大出力・対応ツール・Reasoning の段階は共通です。
Codex のメッセージ投稿量とクレジット消費
Codex の利用枠は、ローカルメッセージと Cloud Task が 5 時間の枠を共有し、週次の上限が適用される場合があります。料金ページの Plus 表では、投稿量は次のとおりです。[3]
| モデル | ローカルメッセージ / 5 時間 | GPT-5.5 からの変化 |
|---|---|---|
| GPT-5.5 | 15–80 | 基準 |
| GPT-5.6 Sol | 15–90 | 下限は同じ、上限は +10 |
| GPT-5.6 Terra | 20–110 | 下限は +5、上限は +30 |
| GPT-5.6 Luna | 50–280 | 下限は +35、上限は +200 |
クレジットは、モデル・コンテキスト・Reasoning・ツールによって消費量が変わります。以下は 100 万トークンあたりのクレジット単価です。[3:1]
| モデル | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| GPT-5.5 | 125 | 12.50 | 750 |
| GPT-5.6 Sol | 250(+100%) | 25(+100%) | 1,500(+100%) |
| GPT-5.6 Terra | 125(±0%) | 12.50(±0%) | 125(-83.3%) |
| GPT-5.6 Luna | 50(-60%) | 5(-60%) | 300(-60%) |
GPT-5.6 系の利用量は、1 メッセージあたり平均 5〜40 クレジットと案内されています。[3:2]
体感でも、GPT-5.5 より Sol のほうがトークンを多く消費している印象があります。計測したわけではありませんが、単価 2 倍という事実も踏まえると、今までの GPT-5.5 を使うような感覚で Sol を使うと、リミットが思ったより早く来るかもしれません。
GPT-5.5 から変わった点と変わらなかった点
OpenAI の最新モデルガイドに基づき、GPT-5.5 から GPT-5.6 へ移行する際の差分を整理します。[4]
変わった点
| 項目 | GPT-5.6 での変更 |
|---|---|
| モデル体系 | gpt-5.6 は gpt-5.6-sol を指すエイリアスになりました。用途に合わせて、低価格の gpt-5.6-terra と大量処理向けの gpt-5.6-luna を選べます。 |
| ツール呼び出し | Programmatic Tool Calling により、対象ツールの呼び出しと中間結果の処理を JavaScript で実行できます。 |
| エージェント | 複数のサブエージェントを並列に連携させる Multi-agent が、Responses API のベータ機能として追加されました。 |
| プロンプトキャッシュ | 再利用するプロンプト接頭辞を明示してキャッシュできるようになりました。 |
| 推論 | 過去ターンの推論を再利用する Persisted reasoning、最上位の max Reasoning、品質優先の Pro mode が追加されました。 |
| 画像入力 | original または auto を指定した画像は、元の寸法を保持して処理されます。大きな画像では入力トークン数とレイテンシーが増える場合があります。 |
変わらなかった点
| 項目 | 継続して使えること |
|---|---|
| プロンプトの考え方 | GPT-5.5 に適用していたプロンプト指針は、GPT-5.6 にも引き続き適用できます。 |
| 暗黙的なプロンプトキャッシュ | 既存の暗黙的キャッシュを継続利用するだけであれば、コードの変更は不要です。 |
| Reasoning の移行開始値 | GPT-5.5 で使っている reasoning.effort を基準に移行を始められます。そのうえで、同じ値と 1 段階低い値を実タスクで比較します。 |
プロンプト指針が変わらないため、Codex のカスタム指示(AGENTS.md など)は書き換えずに移行を始められます。Reasoning だけは、今の値と 1 段階低い値を実タスクで比較してから決めるのが安全です。
Codex の推論設定: max と Ultra mode
GPT-5.6 世代の Codex では、推論量を引き上げる手段が 2 つあります。1 つ目は reasoning effort の最上位に追加された max、2 つ目はサブエージェントに作業を委任する Ultra です。
実際に Codex CLI で gpt-5.6-sol を選ぶと、reasoning level は次の 6 段階から選択できました。

Codex CLI の reasoning level 選択画面。
Codex 上の表記は Low(デフォルト)から Ultra までで、Extra high が API の xhigh に相当します。
max: 1 本の推論チェーンを深くする
先ほどの画面の Max にあたる設定で、API 側でも reasoning.effort の最上位として max が追加されています。[2:2]
max は難度の高い、品質優先のワークロード向けの設定です。OpenAI は、いきなり max に切り替えるのではなく、xhigh と比較して品質向上がコストとレイテンシーの増加に見合うかを確認するよう案内しています。[4:1]
Ultra mode: サブエージェントに分割して並列で解く
Ultra mode は、単一エージェントの枠を超えて、モデル自身がサブエージェントを生成して複雑な作業を分担させるモードです。デフォルト構成では 4 体のエージェントが独立してタスクに取り組み、最後に結果を 1 つの出力に統合します。[5]
max が「1 本の作業の思考時間を増やす」設定なのに対し、Ultra は「作業自体を並列に分割する」仕組みです。
Codex では、先ほどの画面のとおり reasoning level の最上位として Ultra を選択できます。説明文も「Maximum reasoning with automatic task delegation」となっており、タスクの自動委任がこのレベルの本体です。段階的なロールアウト中のため、アカウントによっては表示されない場合があります。
私としては、まず Sol + max でタスクのターン数と品質を確認し、分割できるタスクに限って Ultra を検討する順番が良いと考えています。たとえば Codex のセキュリティレビューは、認証まわり・入力検証・依存関係のように観点を分けて同じコードベースを独立に調べ、最後に指摘を統合する流れになるため、サブエージェントに分担させる Ultra と相性が良いのではと見ています。
API 側の新機能
ここからは Codex を離れて、API で自前のエージェントを組む場合の話です。GPT-5.6 とあわせて追加された機能を軽く紹介します。
Programmatic Tool Calling
ツール呼び出しの効率化です。モデルが JavaScript を書いて、複数ツールの呼び出しと中間結果の処理をコード内で完結させるため、大きな中間結果をモデルのコンテキストに入れずに済みます。[6] OpenAI は導入企業がトークンを最大 63.5% 削減した事例を公表しています。[5:1]
Multi-agent(ベータ)
複数のサブエージェントを並列に連携させる構成を、Responses API で組めるようになりました。[4:2] Codex の Ultra に近い動きを自前のエージェントで再現できる位置づけです。
Persisted reasoning
previous_response_id で会話をつなぐと、過去ターンの推論を後続リクエストで再利用できます。[7] ツール呼び出しのたびに推論をやり直さずに済むため、ターン数が多いエージェント処理ほどトークンと時間の節約が効きます。
GPT-5.6 のベンチマークを見た感想
OpenAI の発表ページには、GPT-5.6 の 3 モデルと Claude Fable 5 などを比較したベンチマーク一覧が掲載されています。個別の数値は本記事では引用しないので、最新の値は発表ページを確認してください。
一覧を眺めた感想としては、全体では拮抗しつつ、得意分野がきれいに分かれている印象でした。Sol は Agents' Last Exam や Terminal-Bench 2.1 のようなエージェント実行系の評価で高く、Fable は SWE-Bench Pro や GDPval-AA v2 のようなコーディング・専門業務系の評価で高い傾向です。[5:2]
もう 1 つ印象的だったのは効率の説明です。OpenAI はコーディングエージェント評価について、Sol は Fable より高いスコアを出しつつ、出力トークン数と所要時間は半分未満、推定コストは約 3 分の 1 低かったと説明しています。ただしコストとレイテンシーはシミュレーションによる推定値なので、実運用ではツール呼び出しや入出力トークン量で大きく変わる前提で見るのが良さそうです。[5:3]
ChatGPT にある品質優先の Sol Pro

ここまで見てきた Max と Ultra は Codex(と API)側の推論オプションです。ChatGPT の通常チャットでも応答性能(effort)の調整はできますが、それとは別に、品質優先の選択肢として GPT-5.6 Sol Pro が用意されています。
通常チャットの入力欄では、応答性能メニューに「最速(5.5)」「中程度」「高い」「非常に高い」「Pro」が並びます。Sol Pro は独立したモデルとしてではなく、モデルに GPT-5.6 Sol を選んだうえで応答性能を「Pro」にする形で使う UI になっていました。

ChatGPT 通常チャットの応答性能メニュー。「Pro」も応答性能の 1 つとして並びます
Sol Pro は、Sol に推論時の計算リソースを追加で割り当てた構成で、難しいタスクや時間のかかるワークフロー向けの最上位オプションと説明されています。[8] 回答までの時間が長くなる代わりに 1 回の回答の質を優先する位置づけで、対象は Pro・Enterprise プランです。通常チャットの GPT-5.6 Sol(Plus・Pro・Business・Enterprise 対象)の上位にあたります。
実際に使ってみた感想です。まだたくさん触れたわけではありませんが、GPT-5.5 Pro と比べて、伝えた内容の意図を汲み取って、こちらの欲しい情報を集めて整理してくれる印象を受けました。回答を待つ時間はかかるので、設計の検討や案出しのように、じっくり考えてほしいタスクで有用かもしれません。
なお、ChatGPT Work では詳細設定から、モデル(Sol・Terra・Luna・GPT-5.5)と思考レベル、速度を選べます。[1:1] 通常チャットと違い、Work 側では Terra と Luna も選択肢に出てきました。

ChatGPT Work の詳細設定。Work 側では Terra・Luna も選べます
思考レベルは「軽」から「最大」に加えて「ウルトラ」があり、「利用枠をより早く消費」という注記が付いていました。Codex と同じく、Work でもウルトラはクレジットを多く使う前提の位置づけです。

思考レベルの選択肢。「ウルトラ」には「利用枠をより早く消費」の注記があります
カレンダーやメールと連携した定期実行タスクもできるらしいので、追って試す予定です。
まとめ
今回は、Codex を軸に GPT-5.6 のモデル選択と推論設定、新機能をまとめました。
ポイントは、次の 3 つです。
- Codex の常用は
SolのExtra highかHighにして、簡単なタスクはTerra、複雑なタスクだけMaxやUltraに引き上げます。Ultraはサブエージェント委任なので、並列化が効くタスク向けです。 - クレジット単価(100 万トークンあたりの消費クレジット)は、Sol が GPT-5.5 の 2 倍になった一方、出力の単価は Terra が 750 から 125 に、Luna が 750 から 300 に下がりました。簡単なタスクを Terra・Luna に寄せると利用枠を節約できます。
- ChatGPT の品質優先の選択肢は Sol Pro(Pro・Enterprise 向け)です。API では
reasoning.mode: "pro"で同等の推論を有効化できると思われます。
最後に、Claude Fable 5 との使い分けです。私の中では、Fable は 0 から 1 を作るのが得意で、GPT-5.6 Sol は 1 を 10 に伸ばすのが得意というイメージを持っています。
- 考える仕事は Claude Fable 5 へ: アーキテクチャ設計、要件整理、UI/UX 設計、文章作成、アイデア出し、レビュー
- やり切る仕事は Codex + Sol へ: 実装、リファクタリング、既存コードへの適応、大量タスク処理、長時間実行、Computer Use、サブエージェント運用
ベンチマークの傾向とも矛盾しない使い分けだと考えています。
本ブログが Codex で GPT-5.6 を使い始める方や、モデルの使い分けを検討している方の参考になれば幸いです。
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Models | ChatGPT Learn(2026年7月10日参照) ↩︎ ↩︎
Models | OpenAI API(2026年7月10日参照) ↩︎ ↩︎ ↩︎
Codex Pricing | ChatGPT Learn(2026年7月10日参照) ↩︎ ↩︎ ↩︎
Model guidance | OpenAI API(2026年7月10日参照) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
GPT-5.6: Frontier intelligence that scales with your ambition | OpenAI(2026年7月10日参照) ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
Programmatic tool calling | OpenAI API(2026年7月10日参照) ↩︎
Reasoning | OpenAI API(2026年7月10日参照) ↩︎
GPT-5.6 in ChatGPT | OpenAI Help Center(2026年7月10日参照) ↩︎





