[アップデート]Amazon GuardDuty の AI 調査機能「GuardDuty Investigation」がプレビューになりました

[アップデート]Amazon GuardDuty の AI 調査機能「GuardDuty Investigation」がプレビューになりました

GuardDuty findings の調査に時間を取られたことはありませんか?「GuardDuty Investigation」は、AI が脅威の判定・根拠・推奨アクションを自動で出力してくれる待望の機能です。
2026.06.23

はじめに

みなさん、GuardDuty の findings の対応に時間を取られたことはないでしょうか。

私も日常的に GuardDuty を使っていますが、「この finding は本当に危険なのか?」「どのリソースまで影響が及んでいるのか?」の判断に苦労することがあります。

CloudTrail ログを掘り下げたり、関連するリソースの設定を確認したりと、調査に想定外の時間を費やすことも少なくありません。

昨日 Preview として「GuardDuty Investigation(GuardDuty AI Analyst)」という機能が登場しました。AI が findings の文脈や過去 90 日のアクティビティを分析して、脅威の判定・根拠・推奨アクションまで自動で出力してくれる機能です。

個人的に待望の機能だったので、さっそくコンソールから感触を確かめてみます。

GuardDuty Investigation とは

GuardDuty Investigation は、AI を使って GuardDuty findings やアカウントを自動分析する機能です。

通常、GuardDuty が finding を出したあとの調査は手作業です。CloudTrail で API コールを追ったり、VPC Flow Logs でネットワーク通信を確認したりと、複数のサービスをまたいだ調査が必要になります。GuardDuty Investigation では、この調査を AI に支援させることができます。

分析結果として以下の情報が得られます。

出力項目 内容
Risk level Info / Low / Medium / High / Critical の 5 段階でリスクを評価
Confidence Unknown / Low / Medium / High の 4 段階で確信度を表示
Summary 調査結果の要約と主要な観察事項
Investigation Details 調査の詳細情報と文脈
Recommended Actions CLI コマンドを含む具体的な対処手順

また、MITRE ATT&CK フレームワークへの分類も行われるため、攻撃の戦術・手法を標準的な観点から把握できます。

3 つの分析タイプ

GuardDuty Investigation は以下の 3 種類の分析をサポートしています。

分析タイプ 対象 実行者
Finding 分析 特定の finding ID を指定して分析 管理者・スタンドアローンアカウント
Account 分析 アカウント全体の脅威状況を分析 管理者・スタンドアローンアカウント
Organization 分析 組織全体を横断分析(最大 100 アカウント) GuardDuty 管理者アカウントのみ

対応リージョン

Preview 時点では以下の 10 リージョンのみ対応しています。東京リージョン(ap-northeast-1)も含まれているため、日本で使っている環境でも試すことができます。

  • 米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)
  • カナダ(中部)
  • ヨーロッパ(フランクフルト、アイルランド、ロンドン、パリ、ストックホルム)
  • アジアパシフィック(東京)

また、Cross-Region Inference(CRIS)により、推論処理は地理的に最適なリージョンで実行されます。日本の場合、推論はアジアパシフィック(東京)またはアジアパシフィック(大阪)で処理されます。

データの保管はリクエストを投入したリージョンに限定されます。詳細は公式ドキュメントをご参照ください。

前提条件

試す前に以下が必要です。

  • 対応リージョンで GuardDuty が有効になっていること
  • GuardDuty Investigation 機能(AI_ANALYST)が有効化されていること
  • 必要な IAM 権限が付与されていること

必要な IAM 権限

Investigation を使うには以下の IAM アクションが必要です。権限を確認して試しましょう。

{
  "Version": "2012-10-17",
  "Statement": [
    {
      "Effect": "Allow",
      "Action": [
        "guardduty:CreateInvestigation",
        "guardduty:GetInvestigation",
        "guardduty:ListInvestigations"
      ],
      "Resource": "arn:aws:guardduty:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXXX:detector/*"
    }
  ]
}

Preview 期間中のクォータ

  • 1 日あたり 10 investigations / アカウント
  • 累計 100 investigations / アカウント(失敗は除く)
  • Trigger prompt の最大文字数: 2,048 文字

やってみる

AI_ANALYST feature を有効化する

まず GuardDuty コンソールで Investigation 機能を有効化します。

GuardDuty コンソールを開き、左メニューから「Settings(設定)」を選択します。
「AI powered investigations - Preview」セクションが有効化されているか確認します。私の環境ではデフォルト有効化されていました。

Screenshot 2026-06-23 午前8.14.38.png

Finding 分析を実行する

今回の環境に AttackSequence:EC2/CompromisedInstanceGroup があったので、この finding で試してみます。

Screenshot 2026-06-23 午前9.36.31.png

GuardDuty コンソールで「Investigations(調査)」を選択し、「Initiate investigation(調査を開始)」をクリックします。

Screenshot 2026-06-23 午前8.15.51.png

分析スコープの選択画面が表示されます。「A specific finding(特定の finding)」を選択し、finding ID を入力します。

Screenshot 2026-06-23 午前8.16.28.png

「Initiate investigation」をクリックすると、調査が開始されます。

Screenshot 2026-06-23 午前8.18.45.png

数分待つと Status が「Completed」になります。

結果を確認する

Completed になった investigation のタイトルをクリックすると、詳細画面が開きます。

Screenshot 2026-06-23 午前8.40.01.png

出力のポイントを見ていきます。

General information

概要の情報が整理され、Risk level と Confidence が記載されます。

Screenshot 2026-06-23 午前8.40.01.png

Summary(要約)

調査の主要な観察事項が記述されています。どのリソースが関与していて、どのような行動パターンが検出されたかが自然言語でまとめられています。

Screenshot 2026-06-23 午前9.01.57.png

Investigation Details(詳細情報)

脅威の具体的な証拠となる情報が記載されています。MITRE ATT&CK フレームワークの技術分類(Technique ID)も含まれています。

Screenshot 2026-06-23 午前8.41.23.png

具体的な CLI コマンドを含む対処手順が出力されます。実際に実行できるアクションが提示されています。

Screenshot 2026-06-23 午前8.41.31.png

全体を通して概要から詳細、脅威の説明、推奨される具体的なアクションまでが整理されており、初動調査に必要な情報がまとまっていますね。

Account 分析(My account)を実行する

次に、アカウント全体の脅威状況を分析してみます。Finding 分析と同様に「Initiate investigation」から、スコープとして「My account」を選択します。

Screenshot 2026-06-23 午前9.10.16.png

こちらも数分で Completed になります。Account 分析では、アカウント内の複数の findings を横断的に見たうえで、全体的なリスク状況と優先度が出力されます。

Screenshot 2026-06-23 午前9.09.34.png

GuardDuty の findings が多く発生した場合、現状のリスクを把握するのに良さそうです。

注意点

GuardDuty Investigation を使う際に知っておきたいポイントをまとめます。

Preview 中の制約

  • 1 日 10 件・累計 100 件のクォータ
  • Finding 分析は XTD findings と一部の foundational / S3 / Runtime プランの findings のみ対応

"For preview, GuardDuty Investigation supports all Extended Threat Detection (XTD) findings and select findings from the foundational, S3, and Runtime plans."

非対応のFindingは、実行後に以下のエラーが返ります。

Screenshot 2026-06-23 午前8.24.12.png

Investigation failed
The investigation failed: The investigation could not be completed.
The finding type 'UnauthorizedAccess:EC2/TorClient' is not supported by this agent.

AI の出力は参考情報

GuardDuty Investigation の結果は AI による分析です。誤りや不完全な評価を含む可能性があります。コンソール上にも以下の注記があります。

AI-generated analysis and recommendations may contain errors or incomplete assessments. Human review is recommended.

最終的な判断は必ず人間が行うようにしましょう。

Cross-Region Inference によるデータ処理

GuardDuty Investigation は Cross-Region Inference(CRIS)を利用しており、推論処理は地理的に最適なリージョンで実行されます。東京リージョンを利用している場合、推論はアジアパシフィック(東京)またはアジアパシフィック(大阪)で処理されます。

データの保管はリクエストを投入したリージョン(東京)に限定されていますが、推論処理自体が大阪で行われる場合があります。リージョンをまたいだデータ処理を懸念される場合は、公式ドキュメントの CRIS ルーティング表をご確認ください。

料金

公式の料金ページに記載はありませんでした。GA 後の料金については公式の発表をご確認ください。

まとめ

GuardDuty Investigation(Preview)を実際に試してみました。

findings の調査は状況の把握に時間を要することが多いですが、AI による自動分析で MITRE ATT&CK 分類と具体的な推奨アクションまで確認できのは嬉しいですね。

対応している Finding の制限もありますが、CLI でも同様の操作が可能です。ぜひ自動化のワークフローにも組み込んでみてください。

以上、鈴木純がお送りしました。

参考


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