
【CONTACT Softwareブース訪問】IoT化してモニタリングして終わりじゃなかった。稼働データが設計にフィードバックされるPLM #HM26
概要
こんにちは、クラスメソッド製造ビジネステクノロジー部の田中聖也です。
HANNOVER MESSE 2026 で、CONTACT SoftwareのブースでPLMソリューション「CONTACT Elements」の展示を見てきました。
製造業のお客さんと話していると「PLMをなんとかしたい」という声はめちゃくちゃよく聞くのですが、CONTACT SoftwareのアプローチはCADベンダーに依存しないニュートラルなPLMという点が、個人的にめっちゃ良かったので記事にしたいと思います。
この記事では以下の内容を紹介します。
- CONTACT Softwareとはどんな会社か
- コアプラットフォーム「CONTACT Elements」の構成と特徴
- AIアーキテクチャ「Fourier AI」の概要
- ブースで見た「IoT→設計フィードバック」デモ
- 実際にブースで話して感じたこと
CONTACT Softwareとはどんな会社か
CONTACT Softwareは、ドイツ・ブレーメンを拠点とするPLM(Product Lifecycle Management)ソリューションベンダーです。今から約35年前にCEO自らが「製品開発の情報を管理する」というコンセプトで創業した会社です。
日本には現在まだ日本法人はなく、日本語を話せる担当者が1名駐在している状態で、複数社のパートナーが日本国内にあり、販売・実装を担っているとのことでした。
CONTACT Elementsとは
CONTACT Softwareが提供する「CONTACT Elements」は、製品ライフサイクル全体(企画・開発→製造→運用)を管理・最適化するためのソフトウェアプラットフォームです。
オープンWebアーキテクチャ・コンポーザブルなモジュール構成・ローコード/ノーコード原則を採用しており、企業のデジタルスレッド構築を支援します。
4つのモジュールで構成されていて、必要なものから段階的に導入できる設計になっています。

| モジュール | 役割 |
|---|---|
| CIM Database PLM | 製品ライフサイクル全体のマスターデータ管理。Single Source of Truth の確立 |
| CONTACT Project Office | アジャイルと従来型ウォーターフォールを統合したエンジニアリングPM |
| CONTACT Collaboration Hub | サプライチェーン・パートナー間のセキュアなデータ・プロセス共有 |
| CONTACT Elements for IoT | スマートファクトリー・コネクテッドプロダクト向けIoTプラットフォーム |
CADニュートラルという強み
CADベンダー(DassaultやPTCなど)が作ったPLMは、自社CADのデータ管理が出発点なのでそのCADへの親和性は高い一方、他のCADとの連携は難しくなりがちです。
CONTACT Softwareは創業時からPLMの会社であり、特定のCADに依存していません。なのでマルチCAD環境でも柔軟に対応できます。
実際に対応しているCAD/ECADはかなり幅広く、以下のようなものが連携できます。
- MCAD系:SolidWorks / CATIA / Creo / NX / Inventor / MicroStation
- ECAD/EDA系:Altium / Zuken / EPLAN / Xpedition
- ERP/IT系:SAP / Microsoft Dynamics 365 / IFS / PSI
「〇〇を使っているなら△△の製品を使わないとデータ管理が難しい」という状況のお客さんでも、上位レイヤーのつなぎはCONTACT Elementsでニュートラルに、という使い方が増えてきているという話はなるほどと感じました。
また、コードベースは全部Pythonで書かれているとのことで、AIとの親和性も高いそうです。
AIアーキテクチャ「CONTACT Fourier AI」
PLMにAIを載せるというアプローチは他社でもよく見ますが、CONTACT Softwareのアプローチは「AIをPLMの最下層プラットフォームに作り込む」というものです。これによりAIがPLMの持つ情報全体にアクセスできる状態を実現しています。


提供しているAI機能は以下のとおりです。
- Similarity Search(類似検索):3D CADの形状をリファレンスにして、幾何学的に似た形状を検索
- Semantic Search(セマンティック検索):キーワードではなく文脈・意味を理解した文書検索
- Fourier Chat(チャットボット):パーソナルAIアシスタント
- Summarization / Classification / Data Migration:要約・分類・データ移行支援
データは組織内に置いたまま、計算リソースだけクラウドから調達するハイブリッド運用ができる点もポイントです。
ブースで見た「IoT→設計フィードバック」デモが面白かった
個人的に一番刺さったのがIoTとPLMを繋ぐデモです。
車のサスペンションの挙動データをIoTデバイスからリアルタイムに取得し、その力学的な変化(フォースデータ)をPLMに取り込んで、設計部門へのエンジニアリングチェンジ(設計変更)プロセスに自動的に流し込む、という一連の流れをデモで見せてもらいました。
よくある話として「IoT化してモニタリングできるようにして終わり」というのがあります。データが可視化されてもそこから先のアクションに繋がらないパターンです。CONTACT SoftwareのデモはそのIoTデータを設計変更のインプットとして使い、実際に製品改善のループを回すところまで見せていたのが印象的でした。
現場から吸い上げたデータが設計に戻っていく「Closed-Loop Engineering」という考え方で、製品ライフサイクルのインフィニティループとも表現されていました。


ブースで話して感じたこと
CADニュートラルなPLMが刺さる理由
部署ごとに使っているCADが違っていたり、エンジニアリング部門の外(調達・原価計算・カスタマーサービスなど)に情報が繋がっていないという悩みもあると思います。
特定CADのベンダーに依存しないCONTACT Softwareのアプローチは、そういう課題を持っている方にとっては、とってはかなり選択肢として有効だと感じました。
SharePointに入ったドキュメントが製品と紐づいていない問題
ブース担当者の方が話してくれた「SharePointで管理はされてるけど製品と紐づいていないから結局また検索し直し」という相談が多いと担当者の方が言っていました。PLMが本来持つべき「情報をつなぐ・組織をつなぐ」という価値がまだ発揮できていないケースだなと思いました。
導入の進め方は「最初から全部はやらない」
最初からすべての機能を入れようとすると必ず失敗する、というのも共感しました。まずはCADデータ管理(PDM)から始めて、そこから調達・要求仕様・サービス部門へと段階的に広げていくというアプローチはCONTACT Softwareも推奨していました。
製品ライフサイクルが長い重工・長大産業(航空・造船など)への対応実績があるのも、長期間データを管理したいお客さんには安心感があります。
まとめ
CONTACT SoftwareのPLMをブースで見てきました。
CADに依存しないニュートラルなアーキテクチャと、IoTデータを設計フィードバックまで繋げる発想はめちゃくちゃ面白くて、様々な場所で使えそうだと思いました。
※本記事はHANNOVER MESSE 2026(2026年4月20日〜24日)現地での取材にもとづいています。








