人間中心設計の基礎を固める!HCD基礎検定を受験してみました

新たなスキル習得の一歩!HCD基礎検定受験レポートです。デザイナー以外の幅広い職種が対象の資格試験で、詳細と勉強方法を解説しています。
2024.03.22

こんにちは。デザイナーのスギヤマです。普段はモバイル・LINEアプリケーションのプロジェクトに従事しています。

ジェネラリスト向けの「HCD基礎検定(https://hcs-cc.org/hcd/)」試験というものがあります。

HCD基礎検定 - 一般社団法人 人間中心社会共創機構の公式サイトより引用

 

概要

どんな資格なのか、運営する公式Webページの紹介文を引用してご紹介します。

「人間中心デザイン(HCD)基礎知識体系」をベースとした検定試験制度です。2020年にNPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)のHCD専門資格認定センター内WGグループが、HCDに関する基礎知識体系をまとめるとともに、制定した検定試験です。

HCS共創機構が問題のライセンスを受け実施します。

さまざまな領域の関連団体・関係者と連携し、組織や社会の変革のために、幅広い領域(メーカー/サービス業/医療/教育/行政など)、職種(企画/技術者/品質保証/調達/営業/サービスなど)の方々にHCDの基礎知識とマインドを学ぶ機会をご提供し、広げることがねらいです。

 

資格名に基礎がついていることからもわかるように、HCDを学び始めた方や、デザイナーだけでなく幅広い領域の職種の方に向けた資格のようです。

第1回HCD基礎検定(HCD検®)の実施が2023年3月11日(土)で私が受験したのは第四回目となります。

 

スキルレベル

HCD基礎検定 - 一般社団法人 人間中心社会共創機構の公式サイトより引用

ビジネスパーソン、学生向けということもあり、実践のベースとなる知識、マインドの獲得が目的となります。そのため、実践経験がなくても、理解を深めたい方も対象となります。基礎的なスキルレベルで受験可能と言えそうです。

 

申し込みから受験までの流れ

名称 HCD基礎検定(HCD検®)
受験資格 受験資格は特にございません
実施日程 3月、7月、11月
受験料 一般 15,000円 学生 8,000円 (税込み:テキスト、映像教材を含む) ※個人申込みは別サイト支払い、団体申込み(5名以上)は請求書払い、となります。
実施形式 選択問題50問 50分 PCからの一斉オンライン受験
出題範囲 「人間中心デザインの基礎知識体系」をベースにした、HCDの理念/マインド、共通言語、手法/プロセスに関する知識と人間工学、認知工学などの人間の特性に関わる基礎知識です。 ※ 具体的な出題範囲に関しては、「出題方針と出題範囲」の内容をご覧ください。
事前学習 HCD基礎検定事前学習システム(オンライン)で、テキスト、映像教材による事前学習ができます。
合格発表 実施日から2週間程度で発表
主催 一般社団法人人間中心社会共創機構(HCS共創機構)
後援 NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)

HCD基礎検定 - 一般社団法人 人間中心社会共創機構の公式サイトより引用

 

推奨受験環境

端末 Windows または macOS が使用可能なコンピューター (スマートフォン、タブレットからの受験はできません)
OS 以下のいずれか Windows 11 / Windows 10 / macOS 10.15(Catalina)以上
ブラウザ 以下のいずれか Google Chrome 最新版 Safari 最新版 Microsoft Edge 最新版 Firefox 最新版
画面解像度 1024 x 768ピクセル以上
接続回線 速度1Mbps以上で安定していること
その他 JavaScriptが有効であること

HCD基礎検定 - 一般社団法人 人間中心社会共創機構の公式サイトより引用

 

申し込み

年に三回実施されますので、ある程度自分の好きなタイミングで申し込むことができそうです。

試験日のおよそ3ヶ月前に「受験申込開始」が告知されますので、チェックしておきます。受験料は、一般15,000円、学生8,000円となります。

2024年3月での申込みは「Peatix」にて行われました。(今回受験自体はPeatixでは行われませんでしたので、注意が必要です)

2024年3月2日実施試験要項(PDF)より引用

 

試験問題対策

申し込みが完了したらいよいよ試験対策です。

ChatGPTを利用した学習方法

今回はUX検定 基礎からあまり時間が経っていない状況で受験したので、1週間程度の学習を行いました。

実際にやったこととしてはUX検定 基礎でやったやり方とほぼ同じであり、プラスアルファとして、公式アカウントから共有された動画教材をノートに加えました。

 

①出題範囲の確認

 

HCD基礎検定

上記リンクに出題範囲と簡単な問題例が提示されています。

出題範囲はこちらのPDF(https://hcs-cc.org/wp-content/uploads/2023/12/scope_202403.pdf)を参照します。

HCDの基礎的なキーワードが網羅されていますので、これらの単語と、文脈を暗記していくことになります。

 

②動画教材の確認

試験日の約2週間前(3月2日(土)実施の試験では2月16日(金)に)に動画教材のメールが届きますので忘れずに閲覧しておきます。このときに動画の内容でノートを作成しました。

モザイクでわかりにくいですが、左列に動画、右列に自分のメモを記載しています。

 

③出題範囲と動画教材の内容をChatGPTの問題集で暗記

詳しい手順は下記の記事でご紹介しています。

 

ChatGPTを活用して合格!UX検定基礎試験の攻略法

https://dev.classmethod.jp/articles/chatgptuxbasicex/

やったことはこちらと全く同じです。

出題範囲のノートと、動画教材のノートを使って以下の命令文をChatGPTに入力します。あとはひたすら問題を解くだけです。

実際のノート。左列に単語、中列に説明ノート、右列に参考資料をおいて運用していました。

 

あなたは世界的に活躍するのHCDの専門家として振る舞ってください。 わたしはUXデザイナーとしてUXやHCDの理解を深めたいです。 以下の議題・知識を使って問題を1問ずつ出題してください。 必ず私が答えてから回答してください。

#議題

※ここに単語を内包した議題タイトルを入力する。

(例:人間中心デザインの産業規格化)

#知識

※ここに覚えたい単語をいれる。

(例:SO規格(ISO 9241-210)/JIS Z 8530)

 

結果と振り返り

結果発表は約2週間後(3月2日受験で3月18日)にメールで通知が来ます。

試験を受けたシステムにログインすることで合否確認ができます。

無事に合格することができました。満点!

受験を終えての所感

①「UX検定 基礎」と範囲がかぶっているため同時に受けると効率的

「UX検定 基礎」と「HCD検定 基礎」は、内容の一部が重複しています。しかし、UX検定の方が多岐にわたる内容を扱っており、課題図書なども明確に提示されているため、学習しやすいと感じます。一方で、HCD検定には動画教材が用意されていますが、その内容だけでは不十分です。

そのため、両検定のスケジュールを合わせて学習することで、効率的に学習できると思います。また、統合して学習することで、より内容が定着しやすくなるでしょう。

 

②動画教材以外の内容も出題される

動画教材以外の内容も出題されました。そのため、HCDに関する書籍をある程度読んでおくか、または現場でHCDの試作を実践しておくことが効果的だと考えられます。

 

③基礎的な内容のため比較的簡単な印象

全体的に基礎的な内容が出題され、そのため比較的簡単な印象を受けました。実践的な経験がある方は、日常の業務で使用されるキーワードが頻繁に登場し、問題を理解しやすいでしょう。学生の方はHCDに関する書籍などを理解していれば問題ないと考えられます。

 

④受験サイトに迷ったので事前に確認しておく

個人的なことで恐縮ですが、申し込みや試験方法について、少し迷いました。

申し込みは「Peatix」を使用しますが、Peatixのサイトには公式サイトへのみリンクがあり、受験場所への案内がなく、当日受験をしようと思いながらアクセスをして顔が青くなりました。

また、受験前日の最終確認のメールには問い合わせフォームがあるものの、試験URL自体の記載や案内はありませんでした。

また申し込み、動画教材、受験、アカウント確認…などそれぞれ別の形で複数のメールが届いたため少し混乱しました。これは完全に私の怠慢な部分もありますが、試験場所と手続きの流れをしっかりと確認しておくべきだったなと感じました。

おわりに

HCD検定基礎とUX検定基礎を修了し、ジェネラリストレベルの知識については体系的に学べたのではと感じています。これまでUXやHCDの本を散発的に読むなどしていましたが、試験を受けることで集中して学習することの意義を感じました。

ただし、学習自体が主目的ではありません。より良い提案を行うための学びであることを念頭に置きながら、今後はこの知識を実践で生かしていくことに重点を置いていきたいと思います。

 

HCD基礎検定 公式サイト

HCD基礎検定

 

UX検定基礎 公式サイト

https://www.uxia.or.jp/certification/