「スイッチロールして作業してください」と言われたときのために
ストーリー
あなたはある日突然AWSを使うことになりました。 担当者の人に「はい、これIAMユーザーの認証情報ね。あとはスイッチロールして使ってもらっていいから」とだけ伝えられ、謎の文字列を受け取ります。 さて、ここからどうしたらAWSを触れるようになるでしょうか?
用語の整理
スイッチロールを行うに当たって関連する用語を整理していきます。
AWSアカウント
AWS上の様々なリソース(IAMユーザー、ロール、EC2インスタンス )などを管理する本体。 アカウントIDと呼ばれる12桁の番号を持つ。
IAMユーザー
AWS上のサービスであるIAMで管理されるユーザー 一つのアカウントの下に複数のユーザーが作成できる。 こちらを使って作業をすることが多い 「アカウントID」、「IAMユーザー名」と「パスワード」で認証を行う。
ロール
AWS上の様々なリソースにアクセスするための権限の集合体。 IAMユーザーがこれを使用して、様々な作業を行う。
スイッチロール
IAMユーザーがロールを切り替えること 環境ごとに用意されたロールに切り替えて作業したりする。 切り替え先は別のアカウントの場合もある。 切り替える先の「アカウントID」と「ロール名」がわかれば切り替えができる。
ここで先程の言葉を整理します。
「はい、これIAMユーザーの認証情報ね。あとはスイッチロールして使ってもらっていいから」
つまりここで担当者は以下の情報をくれたはずです。
ログインに必要なもの:
- アカウントID
- IAMユーザー名
- パスワード
スイッチロールに必要なもの:
- 切り替え先のアカウントID
- ロール名
スイッチロールに必要なものについては単なるURLかもしれません。それは後ほど解説します。
ここからAWS上で作業をするためには以下のステップが必要です。
- ログイン
- スイッチロール
では実際にスイッチロールまでしてみましょう
スイッチロールについて詳しく知りたい人は以下の記事がおすすめです。
実践
ログイン
まずはログインページを開きます。 すると以下のようなページが出てくると思うので「IAMユーザー」にチェックを入れアカウントIDまたはエイリアスを入力します。
アカウントIDは数字ですが、エイリアスは人間が覚えやすいようにつけた名前です。 渡された方を入力します。
次にIAMユーザー名とパスワードを入力します。 始めてのサインインの場合は、パスワードの変更を求められることがあるので、その場合は安全なパスワードに変更します。 これでログインは完了です。
スイッチロール
いよいよロールを切り替えます。 画面上部のナビゲーションバーからロールの切り替えをクリックします。
ロールの切り替えをクリックします。
アカウントIDとロール名を入力します。この二つは必須です。 表示名と色はわかりやすいものをつけましょう。
場合によっては担当者から以下のようなURLをもらうかもしれません。
https://signin.aws.amazon.com/switchrole?roleName=xxxxxxx&account=xxxxxxx
その場合は上のような画面がいきなり表示されます。 これは今までのステップを省略するための便利なURLです。 同じ画面が表示されるので、そのままで問題ありません。
入力が完了した後はロールの切り替えを押します。
これでロールに切り替えが完了しました。
情報を確認するとアカウントIDやIAMロール名が表示されていることが確認できます。 ちなみに元のアカウントに戻ることを「スイッチバック」と呼びます。
応用編
取引先などからAWSアカウントに招待される場合があるかもしれません。 そんな時あなたは何を伝えれば良いでしょうか?
少なくともAWSアカウント、できればIAMユーザーも伝えましょう。
これは以下のようにして確認できます。
このとき、しっかりとスイッチバックを行い、正しいアカウントの状態になっているかを確認しましょう。