[レポート]『福岡地所グループのデータドリブンに向けた取組』 #jawsfesta2023 #jawsfesta #jawsug #jawsfesta2023_B

JAWS FESTA 2023 in Kyushu 九州事例コーナーで、データ活用のための地道な取り組みをユーモアを交えて紹介いただきました
2023.10.08

コーヒーが好きな emi です。

2023/10/7(土) に開催された JAWS FESTA 2023 in Kyushu に参加しました。

九州事例を紹介するトラックで「福岡地所グループのデータドリブンに向けた取組」を拝聴しました。
撮影不可のセッションでしたが、データ活用のための地道な取り組みをぶっちゃけ話やユーモアを交えて紹介いただき、大変面白かったので紹介させてください。

登壇概要

  • 福岡地所グループのデータドリブンに向けた取組
    • 福岡地所グループのDX実現に向けた取組概要とデータドリブンな組織になるためにマスタデータとどのように向き合っているかお話しいたします。
  • 登壇者
    • 田村 圭志
      • 所属:福岡地所株式会社 DX推進部長
    • 寺師 岳陽
      • 所属:福岡地所株式会社 DX推進部

全体アジェンダ

  1. 福岡地所株式会社様の紹介
  2. DX 推進部について
  3. データドリブンチームの取り組み

1、2 を田村さん、3 を寺師さんにお話しいただきました。

1. 福岡地所株式会社様の紹介

福岡地所株式会社様は、「福岡の町をおもしろく」という想いで地域に根ざした都市開発を手がける不動産デベロッパーです。

これまで「キャナルシティ博多」など九州を代表する施設の企画・開発を手がけられました。
近年は福岡市が展開する大規模な再開発「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」 に参画され、天神ビッグバンの規制緩和第1号ビルとなる「天神ビジネスセンター」の建設では、事業主としてプロジェクトを牽引されました。現在は(仮称)天神ビジネスセンター 2 期計画として、天神ビジネスセンターの南側に新たなビルを建設するプロジェクトなどに取り組んでおられるそうです。

FGN という福岡のスタートアップを支援する施設は小学校の跡地を利用しており、福岡地所様を中心に運営されています。

2. DX 推進部について

福岡地所様の DX 推進部は 20 名ほどで構成され、3 チームあるそうです。

  • データドリブンチーム
    • IT を使って意思決定のスピードと確度を継続的に向上させる
    • Tableau の勉強会を毎週 4 時間やっている
    • データ基盤のアーキテクチャの準備をする
  • 業務効率化チーム
    • ワークフローシステムの入れ替え
    • 毎週の RPA 相談会 
    • 生成系 AI の導入・運用
  • ITインフラ・セキュリティチーム
    • ゼロトラスト対応など

特に今回はデータドリブンチームの取り組みについてお話を伺いました。

3. データドリブンチームの取り組み

最初に力強く「きれいなダッシュボードの話はしません」と宣言したところで、会場に笑いが起きました。

データ分析で一番大変なのはデータを成形することで、そろっていないバラバラなデータをきれいに整えることが優先事項でしたが、こういった内容を社内で共有して進めていくのは地道な作業だったそうです。

「xx という情報が欲しい」となった場合、「調べて報告します」では素早い意思決定ができません。データ活用ができていれば「こうです!」とすぐに報告ができ、ビジネススピードも上がります。
また、「xx ごとに見た ○○ を見たい」という要望がある場合、「○○ を見たい」はすぐ出ますが「xx ごとに」というのはすぐに出せず難しいそうです。

  • 「xx」は経営資源データ
  • 「データチームが指揮をするので権限をください。そうすれば現場での意思決定が早くなります」
  • データレイク整理
    • 名刺管理 SaaS → Lambda → RDS → Lambda →…という構成
    • 名刺管理 SaaS は事業所 ID や名前など、データの形をすっごくきれいにしてくれるので使わない手はない
    • 事業所レベルでIDを振ってくれるのはなかなかない
    • データソースを確定させるのが大事
    • 必ず名刺は名刺管理 SaaS に取り込まないと稟議ができなくなります、というルールにして、ここにデータを集約する
    • 更にすこしずつ販売管理システムのテーブルをきれいにしていく

まとめ

  • データドリブンには経営資源のマスターデータが必要
  • データ活用に向けてデータ基盤を AWS で構築
  • データソースと全員通過するシステムをおさえる

不動産という特殊商品のデータ構造化に挑戦したい方はぜひ福岡地所に!とのことでした。

※この画面のみ撮影可

おわりに

データ活用のための地道な取り組み紹介いただきました。本当はもう少しぶっちゃけた話もあり、もっともっと面白かったです。
実はこんな苦労があって、こうやって乗り越えて、今もこんなことを継続していて……という裏話が聞けるのはコミュニティならではなのかなと思います。

参考