業務の遂行に必要な要素を因数分解することで習得可能な範囲を広げる
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
業務を遂行する能力は個々人によって多様です。それをふわっと捉えれば「センス」「才能」で終わりかもしれません。
一方で、任意の職務を遂行する能力は、個別に存在する具体的な知識・スキルの集まりや組み合わせです。センス、才能というと生まれつき持っている能力、というニュアンスになると思いますが、大半の人が業務で使う知識・スキルは後天的に身に着けたものです。生まれてすぐに素晴らしいコードを書ける人はいませんし、抜群のファシリテーションをできる人はいませんし、仕組み化ができる人はいません。
そこで、業務の遂行に必要な要素を因数分解することについて整理し、組織内で習得可能な知識・スキルを増やすい法について整理します。
業務の遂行に必要な要素の因数分解
業務の遂行に必要な要素を因数分解する方法について考えてみます。
手順として書き出してみるとシンプルです。
- 因数分解する対象の業務を選ぶ
- その業務がどのような要素で構成されているか洗い出す
- 洗い出されたそれぞれの要素には、どのような知識・スキルが関わっているかを洗い出す
なお、洗い出しをする場合は、該当領域に習熟した人が実際に業務をする手順や思考をなぞりつつ言語化していくなどするとよいでしょう。思い出しながらだとはかどらなければ実際に実施しながらでもよいです。
例 - ミーティングの因数分解
例えば「ミーティング」の業務を因数分解するとします。
ミーティングの中にどのような要素があるか考えてみます。
- ファシリテーション
- 議論の構造化
- タイムマネジメント
- 具体と抽象のコントロール
- 発散と収束のコントロール
- 合意形成
- etc
- 事前のアジェンダ作成
- リアルタイム議事録の作成
- 意思決定
- 決定内容の確認と記録
などが洗い出せたとします。更にこの中でリアルタイム議事録に必要な知識・スキルについて掘り下げてみます。
- 参加ミーティングの業務に対する前提知識
- タイピング速度
- 構造化して考える力
- 聞いた内容から「記録が必要な部分」と「記録が不要な部分」を切り分ける判断力
- 会話内容をより簡潔な言葉に素早く置き換えて記録する能力
- 不明点があったら素早く質問をするマインド
- 上記を実践で実施する際のスピード
ざっとこのくらいの要素がありそうです。
因数分解した要素の活用
因数分解した業務内容は以下のように活用できます。
- 評価の判断基準
- 育成要素の洗い出し
- 採用要件の元ネタ
採用、評価、育成、異動の受け入れ条件などに使える要素が集まります。
まとめ
必要な要素を分解していくには、分解対象の要素を理解できる事が必要です。
そのため、チームで因数分解を実施する場合、対象業務に詳しい人の参加が欠かせません。
一方で、対象業務に詳しい人が言語化が得意とは限りませんので、質問で言語化を手伝い、答えを引き出す人がいると理想です。
引き出す側の人はいわゆるコーチング時の「問い」が上手い人であれば該当分野に長けている必要はありません。
あとは、徹底的に因数分解を繰り返すのみです。
チームの熟練者が持つ暗黙知を言語化し、習得可能な範囲を広げていきましょう。
これを1つだけではなく、任意の職種や部門の業務全体に対して行ったものの結果がキャリアラダーなど、育成基盤になっていきます。チームにおいてトップの知識・スキルを持つ人達が力を習得可能にしていけたら、それは組織の力の大きな向上につながります。
それは顧客価値の増大につながります。