経産省主催の「次世代店舗実証実験」を体験してきた

2019.02.18

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はじめに

こんにちは、橋本です。2019年2月12日(火)~28日(木)で実施中の経産省主催「次世代店舗実証実験」を体験してきましたので共有したいと思います。

次世代店舗実証実験とは

「次世代店舗実証実験」は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業(国内消費財サプライチェーンの効率化)」の一環で、近年社会問題化している”食品ロス”や人手不足など、店舗における課題解決を目指す産官学の取り組みです。

ということで、店舗とユーザー間のインターフェイスとして「LINE」が、キャッシュレスな決済手段として「LINE Pay」が、ペーパレスな取り組みとしてLINEと東芝テックが共同開発した「電子レシシート連携技術」が活用されています。

実験内容は2つあります。1つ目は「食品ロスの削減」を目的とした、消費・賞味期限が近くなった商品在庫と、安くなった商品を購入したいというユーザーニーズのマッチングです。これに電子タグ(RFIDタグ)が使われています。RFIDタグに書き込まれている個品の消費・賞味期限からダイナミックに価格を変えてLINEに通知する仕組みです。2つ目は「電子レシート化による購買情報の利活用」です。要するに購買情報ベースで、ユーザー毎にパーソナライズされた提案をする為の、基盤提供です。

実験店舗としては、下記の4店舗が参加しています。

  • ウエルシア 千代田御茶ノ水店
  • ココカラファイン 清澄白河店
  • ツルハドラッグ 目黒中根店
  • ローソン ゲートシティ大崎アトリウム店

 

LINE Pay、"食品ロス"や人手不足などの解決を目指す 経産省「次世代店舗実証実験」に参画

実際に体験してみる

事前準備として、LINEで「経済産業省・NEDO 次世代店舗実証実験」を友達追加します。こんな感じです。



今回はローソン ゲートシティ大崎アトリウム店にお邪魔してきました。2月新規オープンの店舗のようです。
ちなみに大崎ゲートシティにはローソン本社が入っています。



ありました。わかりやすく看板が出ています。



ニョキッと上に出ているTOFセンサー(深度センサー)でエリア内への人物の侵入を検知します。



次にこちらのカメラで人物の顔画像から性別、年代などの属性を推定します。
すると上のディスプレイに「M1層にはこの商品を推奨」「F2層にはこれ」
というようなレコメンデーションロジックでおすすめ商品やセット提案が表示されます。



商品一つ一つにRFIDタグが貼り付けてあります。



商品棚の底にRFIDタグのリーダーが設置されていて、
商品を手にとって持ち上げるとそれを検知して、ディスプレイに商品紹介やセット商品を表示します。
こんな感じです。
 あとは気に入った商品をレジに持っていくだけです。 その際にLINEのUIから電子レシートバーコードを表示して読み込んでもらい、LINE Payで決済します。 

決済が完了すると通知と同時に、このように電子レシートを確認できます。

まとめ

ユニクロやGUなどアパレルSPAでRFIDタグを導入しているケースは購買体験としても経験済みたったのですが、今回の実証実験のように「食品」や「OTC医薬品」への適用は初めての体験でした。経済産業省は2025年までに「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定し、コンビニ各社を初め、関連業界団体・有識者団体、各種ベンダーと協力の上、RFIDの導入を推進しています。

工業製品ですので電子タグ自体の価格はスケールするほどに下がっていきますが(10年前は1枚100円〜200円程、現在10円程、2025年には1円以下が目標)、タグを貼り付けるコスト(人件費)がボトルネックになります。特に今回様々な商品を手にとって見るとパッケージ毎の「形状」や「素材」「内容物」によって貼り付け箇所が変わりますので、自動化のハードルもまだ高いと感じました(一緒にレンジでチンできませんので簡単に取り外せる必要もあります)。

一方で各方面で利便性があることは間違いありませんのでこれらの課題と折り合いをつけながら、またカメラやセンサー、AI技術などと組み合わせながら、導入が進んでいくことは間違いないと思います。楽しみです。

 

「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定しました~サプライチェーンに内在する社会課題の解決に向けて~