「Lean Startup Bootcamp」に参加してきました!~前編~
こんにちは!おおはしりきたけです!レポート書くのが遅くなりましたが、5月19日にLean Startup Japanさん主催の「Lean Startup Bootcamp」に参加してきました!
Lean Startup Bootcampとは?
"10時間でリーンスタートアップのすべてをマスターし、翌日からのスピードを一気に高める!"
詳細はこちらのイベントURLにのっています:http://peatix.com/event/4019?sid=4a53c126e381f0e7fc8517863b1cf22620adf3a3#event-updates
■リーンスタートアップとは
リーンスタートアップとは、上記の著者のエリック・リース(Eric Ries)さんが提唱しているスタートアップのマネジメント手法です。Amazonの紹介にも以下のように記載されています。
リーン・スタートアップとは、新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによって顧客にとって価値のないものを作ってしまうことに伴う、時間、労力、資源、情熱のムダをなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生みだし続けるための方法論です。
■はじめに
まずは、今日の講師である和波俊久さんから、今日の開催の概要と、参加者の方々で「リーンスタートアップ」を読んでの感想、分からなかった部分などを共有しました。
○分からなかった部分
- 仮説検証が難しい
- MVPは物を作らなくてもMVPになる
- 上司の説得方法
- Web系だと仮説検証はしやすいが、メーカー系の仮説検証は難しいのでは?
- マネタイズはどの段階で考えるのか?
- リーンスタートアップのIT系以外での活かし方
- リーンスタートアップの具体的な行動プロセスがわからない
- リーンスタートアップをどのプロセスから始めてよいのか分からない
- 今日で頑張って覚えたい
- リーンを実現できる組織、メンバーのスキルセット
- 評価基準の立て方
■"The lean Startup"完全解説
毎日モチベーションを維持する ⇒より良いアイデアをどう育てるか?
リーンスタートアップは上記の考え方ではない。面白くないことが大切で面白いタイミングは自分のアイデアが動き出して使われる。新規事業の成功はスーパースターから生まれるものではなく「やり方」から成功事例を作れる。
成功は正しい「やり方」から学べるし、教えられる ⇒チームで共有できる ⇒やり方から成功事例を作ることができる
IMVUの実験
- ひどい状態での出荷
- 有料
- 頻繁な修正
- ユーザに意見を聞いた
- ユーザの希望を満足するより、ユーザで実験をした
何をしたか?
- 手当たり次第に本を読んだ※1
- IT以外の参照を参考にした
- 思い込みは大きく膨らむので、外部の意見を取り込むためにメンターを迎えて教えを乞いた
※1:参考資料として紹介されているのは、スタンダードな本
「すごいアイデア」、「最高の戦略」、「マーケティングリサーチ」からの決別。でも、"Just Do It"ではない。ここがリーンスタートアップを実践するには最高に迷うポイント。
○パート1:Vision
- スタート
- 定義
- 学び
- 実験
【スタート】
スタートアップとは規律の構築であり、製品・サービスの構築ではない。バラバラに優秀なタレントが集まっても成功するわけではない。スライドでは、アメフトの写真が出ており、イメージとしては選手はゲームで何をやるかが共有できている。
リーン生産方式とは?
- 個人的な知識や創造性の活用
- バッチサイズの縮小
- ジャストインタイムの製造と在庫管理
- サイクルタイムの縮小
企業とは常にチーム全体の効率を重視する。
リーンスタートアップは企業を操縦する方法 ⇒目的地が明確になればたどり着ける ⇒ゴールが決まっていれば方法を見出すことができる ⇒上記(方法)を考えるのが日々の中心になる
- ビジョン⇒目的地
- 戦略⇒ピボット
- 製品⇒チューニング
ビジョンからどうやって戦略に落とすか。ビジョンから担当するか、戦略から担当するかで対象が違う。ここが、ベンチャーと企業内でリーンスタートアップの意味が違ってくる部分。
【定義】
アントレプレナーとは? ⇒起業家のこと
製品とは? ⇒顧客となる人々にとっての価値を生み出すものすべて
イノベーションとは? ⇒科学的な新発見、スタートアップの成否を左右するもの
イノベーションが生れる状況とは? ⇒ほとんどの安定的な企業にはイノベーションが生まれる状況は存在しない。イノベーションが産まれる状況とは、不確実な状況の事だから
上司が何を言っているのか分からない企画書じゃないとイノベーションは起きない。これにハンコを押してもらうのがイノベーションのジレンマ
【学び】
直接対話から得る「学び」の重要性。お客さんにもらう人と直接的な対話をすることがリーンスタートアップでは重要。戦術の積み重ねは「学び」にはならない。戦術の集合体はリーンスタートアップではない。以下の内容は戦術
- フリーミアムで提供する
- こういうデザインにすべき
- 最初はマネタイズは考えない
戦略をコントロールできるようにならないとダメ!
スタートアップ=実験 「この製品をつくることは可能か?」 ではなく 「この製品は作るべきか?」 「このような製品・サービスを中心に持続可能な事業が構築できるか?」
【実験】
価値仮説(ValueHypothesis) 顧客が製品を使うことによって得られる「価値」に関する仮説、顧客はこれを得られることができるために、対価を支払う
成長仮説(Growthhypothesis) アーリーアダプターがMVPを採用した後、マス・マーケットのユーザーにどのように拡散していくかにつていの仮説
マーケットの状況を正確に予測することはできないし、プロセスを守ることに集中しても持続的な事業化の達成へのフォーカスがブレる。
コダックの事例 「プロダクトマネージャが欲しいものをエンジニアが作る」というやり方をやめた
- 我々が解決しようしている問題に消費者は気づいているか
- 解決策があれば彼らは購入するか
- 我々の製品は選ばれるのか
- その課題を解決するソリューションを開発できるのか
メンターは戦略を教えてくれる人で、戦術しか教えられない人は向いていない。あとはチームの文化を大切にする人
○パート2:Stter
- Leap:始動
- Test:構築・検証
- Measure:計測
- Pivot:方向転換(あるいは辛抱)
【Leap:始動】
挑戦の要(Leaps of Faith)
<事業計画の前提となっている仮説はほとんどがごく普通のものである。業務経験やすなおな推論で導かれており、確かな事実として扱ってよい。フェイスブックの場合で言えば「広告主は顧客の注目に対してお金を払う」などは明らかだった。そういうありふれたものの陰に、まじめな顔ではっきりと言う勇気のいる仮説がいくつか存在する。現在形で語らなければならない仮説だ。「我々が提供するような製品を使いたいと顧客は強く思っていると我々は考えている」とか「スーパーマーケットが我々の製品を取り扱ってくれると我々は考えている」などだ。このような仮説が真実であるかのようにふるまうのがすごいアントレプレナーだといままでは考えられていた。この仮説が挑戦の要である。ベンチャー全体の成功を左右するからだ。この仮説が正しければ大きなチャンスが待っている。逆にまちがいなら完全な失敗に終わる危険がある。 (本書より抜粋)
いかにまとめられた資料でプレゼンしてもベンチャーがやることは崖の上から飛び降りるのと変わらない。
- 現地現物
- 顧客発見
- 類例反例
iPodが成功した要因 ⇒音楽を持ち歩いて聞くというのはウォークマンですでに成功している(類例) ⇒MP3をダウンロードして聴く(反例)
成功するためには、反例を検証しなければならない。一つ一つ計画に落としていく。これがリーンスタートアップのやり方。
顧客発見の注意として、適当にすましてもいけないし、考えすぎてもいけない。インタビューは何をしにいくという目的が無ければ失敗する。適当に済ますと考えすぎるはトレードオフの関係
【Test:構築・検証】
MVPを目指す。リーンスタートアップでは「構築~計測~学習」の学習ループを回す最小限の労力と時間で開発できるものをMVP(minimum viable product)と呼んでいる。MVPはToolでありProductではない。顧客発見をしていくためのツールであり、ローンチしている、完璧である必要はない。
MVPの品質
- 顧客と我々で評価が違っていないか?
- 品質はターゲットする人が満足するかしないかで変わる顧客が評価を上げているかどうか?
- シンプルなほど顧客と我々の評価をしやすい
- MVPは小さければ小さいほど良い
【Measure:計測】
MVPをリリースしたら「計測を」開始する
- 虚栄の測定はいらない
- 真実を映す鏡を手に入れる
- 登録ユーザー数などは計測する情報としては役に立たない
Cotort分析
- 施策ごとに分析する方法
- クックパッドもやっている
革新会計の3ステップ
3つのマイルストーン
1.MVPでベースラインを設定する
- MVPを開発してスタート地点を設定する。つまり、定量的測定の開始を宣言する!
2.定量的なチューニングを実行する
- 「なに」を「どのような基準」で測定すればよいかを設定する
- コンバージョンふぁねるとKPIの設定
- 類型集計ではなくコホートによる分析
3.Pivotするか判断する
- 最適化と学習の違い
- 作るものがあっている⇒最適化でOK
- 作るものが間違っているかも⇒最適化ではダメ
【Pivot:方向転換】
成功したベンチャーは例外なくPivotしている ⇒逆に言うと当初の事業計画で成功した会社はない
Pivotの判断が遅れる原因
- 虚栄の評価基準による判断を続ける
- 仮説があいまいで、完全なる失敗に気づく機会を失う
- 今の計画の失敗を宣言するのが怖い
Pivotの判断を早くするためにはPivotを前提とした戦略を立てる!
つまり、戦略自体を仮説とすること。Pivotの失敗はなにも初期段階だけの問題はない。適切なタイミングでメインストリームに向けてすることもPivot
○パート3:SpeedUp
和波さんいわく、第3部第9章のバッチサイズがリーンスタートアップの要
- バッチサイズ
- 成長
- 順応
- イノベーション
【バッチサイズ】
質問:10個の封筒を作るのに、各工程ごとに作業するか1個ずつ作っていくかどちらが早いか? ⇒『リーン・シンキング』のお話だが、結果としては1個ずつ作っていく(1個流し)の方が早い
実際の検証した動画を見てみる
[SWF]http://www.youtube.com/watch?v=Bi9R1Hqr8dI&feature=gv,480,360[/SWF] ※リーンスタートアップは参照の情報も素晴らしいので、読み終えた方ももう一度見てみた方が良いとのこと
マスプロダクションでは十分にまとまるまで出荷しないことによって、後工程の無駄がでる、かつマスは無駄な動きが多い。1個流しはトータルでも早いし、結果が見えるのも早い。
○1個流しのポイント
- 無駄な時間はどこ?
- 待っているだけのプロセスと不良在庫
- 最初の結果が格段に早く見える
- アンドンの効果
スタートアップでどのように適用していくか?
- エンジニアとデザイナーを同じチームに
- 限定したユーザ向けに公開する
- なるべく早くデータを収集する
- 結果から次のアクションへ移る
ポイントは!?
- あらかじめKPIを設定する
- テストの自動環境を構築する(継続的デプロイメント)
なぜバッチサイズは大きくなりがちなのか?
- 個人レベルでは、バッチは大きい方が効率的
- スキルに専門性を求めやすい
- 責任の所在が明確
- じゃまされず、没頭できる
つまち、チームとしての価値はなくなる。放っておくとバッチサイズは必ず大きくなってしまう。半年かけてリリースしたものが失敗した場合誰かを責めないと腹落ちしない、1週間で問題が分かったことを前向きに考える文化が大切
ようこそジャストインタイム方式へ
- 「プル」の概念が在庫切れを解決する
- 倉庫が小さくなる
- 仕掛り在庫がなくなる
ジャストインタイムをスタートアップに適用する
- 検証されていない機能は大量の仕掛品在庫だと考える
- 「プル」信号は行うべき実験をベースにする
- 仮説⇒実験方法と測定基準⇒実行の順で実行する
まずは、データを集めてみるではジャストインタイムにはならない。
【成長】
スタートアップの3つの成長エンジン。失敗には早く気が付けるけど、どのように進捗をはかっていくか?
スタートアップは、広告やメディア露出といった一時的な成長ではなく、持続的な成長が必要
- 口コミ
- ブランディング
- 売上からの広告
- リピーターの増加
持続的な成長を支える仕組みは、追加する機能やキャンペーンのアイディアで決めてはいけない。まずは定量的な評価指標を持つことが大切
4つの成長パターンは、3つの成長エンジンで測定する
- 粘着型成長エンジン
- ウィルス型成長エンジン
- 支出型成長エンジン
本物の見込み客が大勢いる素晴らしい市場では、市場が製品をスタートアップから引き出す形になる。検索キーワード連動広告、インターネット・オークション、TCP/IPルータなどはいずれもそのパターンだ。逆にひどい市場の場合、世界最高の製品とこれ以上はないトップチームを用意しても効果がない---失敗するのだ。
マーク・アンドリーセンの「Product/marketFit」
我々はProduct/marketFitしているか?=していない PivotはProduct/marketFit失敗時のイベントではなので要注意 成長エンジンはすべて定量的な指標に基づくので、直観に依存する必要がなくなる
成長エンジンは、ターゲットするマーケットが変わるたびに変更し、チューニングする必要がある。
以降は、成功後の内容の為、セミナーでのお話は割愛された。
【順応】
組織論のお話
- 5つのなぜ?
- 5つの誰?
【イノベーション】
イノベーションのジレンマのお話
■まとめ
"The lean Startup"完全解説は、リーンスタートアップを読んでいる前提のポイントの部分の説明となります。1個流しは、実際のところ本当に早いのか!?と疑問に思っていた部分もあるのですが、ビデオで改めて見ると納得いくことが多かったです。講師の和波さんの「リーンスタートアップは第9章がすべて」という言葉のとおり、第9章は素晴らしい内容だと思います。私もセミナー受けてから読み直していますが、受ける前と受けた後では、理解度が変わってきています。次回の後半は、実践編を書かせてもらいたいと思います。