LiteLLM Proxy ServerのAdmin UIでできることを調べてみた

LiteLLM Proxy ServerのAdmin UIでできることを調べてみた

LiteLLM Proxy ServerのAdmin UIの各機能を紹介します
Clock Icon2025.06.26

LiteLLM Proxy ServerのAdmin UIをさわりながら、各機能を紹介します。

前提

コンテナをローカルで起動して試しています。以下のドキュメントや記事を参考にしてください。

コンテナイメージは、ghcr.io/berriai/litellm-database:main-latest(main-v1.72.6.post1-nightly)を利用しました。

各機能紹介

それでは、サイドバーの上から順に各機能をみていきます。

仮想APIキー(Virtual Keys)

ここは、仮想APIキー(Virtual Keys)を管理する画面です。LiteLLMでは、バックエンドのLLMプロバイダー(OpenAIなど)のAPIキーを直接使うのではなく、この仮想キーを発行して用いるのが基本となります。ここでは、発行された仮想キーの一覧を確認したり、新しくキーを発行できます。

  • 関連ドキュメント: Authentication - Virtual Keys
    • API経由での仮想キーの操作に関するドキュメントですが、Admin UIからできることも多いので参考になります。

Screenshot 2025-06-23 at 10.51.54.png

+ Create New Key ボタンを押すことでキーの発行ができます。権限に応じて自分自身と他のユーザー、サービスアカウントのキーを作成できます。キーごとに利用モデルや紐付くチームを指定できます。Optional Settingsでは、予算や期限などキーごとに細かな設定が可能です。
Screenshot 2025-06-23 at 10.52.10.png

Screenshot 2025-06-23 at 10.53.39.png

Test Key

次に Test Key です。ここでは、仮想キーが正しく動作するかをテストできます。モデルを選択し、メッセージを入力してAPIリクエストを送信できます。仮想キーの権限設定の確認や、モデルへの接続確認、ベクトルストアやガードレールの確認などにも使えます。

Screenshot 2025-06-23 at 15.35.38.png

Models

Models の画面では、LiteLLM Proxy Serverで利用するLLMモデルを管理できます。画面を開くと、まずは config.yaml で定義したモデルが一覧表示されます。画面からはモデルの設定変更、削除等ができます。config.yaml で定義したモデルは変更や削除ができないので、注意が必要です。

Screenshot 2025-06-23 at 17.33.11.png

また、その他にも別タブでいくつかの機能があるので、順番に見ていきます。

Add Models

この画面では、新しくモデルの登録ができます。

Screenshot 2025-06-23 at 17.32.49.png

LLM Credentials

LLM利用時のプロバイダーに対するクレデンシャル情報の管理ができます。

Screenshot 2025-06-23 at 17.33.05.png

/health models

各モデルに対して、動作を確認するリクエストを投げることができます。

Screenshot 2025-06-23 at 17.33.37.png

Model Analytics

この画面では、指定したモデルグループや期間におけるAPIの平均応答時間、成功率、エラー発生状況などを視覚的に監視できます。

Screenshot 2025-06-23 at 17.33.44.png

Usage

続いて Usage を見てみましょう。ここはAPIの利用状況を可視化するダッシュボードになっています。キー別やモデル別で、消費コストや入出力トークン数がグラフで表示されており、利用状況がわかります。
上部のタブを切り替えることで、チームごとやタグごとの利用状況も確認できます。

関連ドキュメント: Spend Tracking / Cost Control

Screenshot 2025-06-24 at 10.11.27.png

Teams

Teamsでは、チーム一覧の確認やチームの作成、設定変更などができます。ユーザーやキーをチーム単位で管理でき、チームごとに管理者を設定したり、利用可能なモデルを制限したりできます。

Screenshot 2025-06-24 at 10.16.24.png

チーム一覧からチームIDをクリックすると、チームに関する画面が表示できます。予算やレートリミット等に関する情報を確認できます。タブを切り替えることで、メンバーの管理やチームの設定の変更なども可能です。

Screenshot 2025-06-24 at 10.28.04.png

Organizations

Organizationsは、組織(Organization)の管理ができる画面のようです。組織はチームの上位概念で複数のチームを含めることができます。利用するにはEnterpriseのライセンスが必要なようです。

Screenshot 2025-06-24 at 10.32.44.png

Internal Users

Internal Users では、このAdmin UIにアクセスできるユーザーを管理します。Invite Userから、新しいユーザーを招待できます。ユーザーごとにロール(権限)を設定できます。

Screenshot 2025-06-24 at 11.49.40.png
Screenshot 2025-06-24 at 11.49.08.png

ユーザー一覧でユーザーIDをクリックすることでユーザーの利用状況を確認できます。

Screenshot 2025-06-24 at 11.50.01.png

API Reference

API Referenceは、OpenAI Python SDKやLlamaIndex、LangchainなどからLiteLLM Proxy Serverを介して、LLMにアクセスする方法が記載された画面のようです。

Screenshot 2025-06-24 at 11.54.32.png

Model Hub

Model Hubでは、利用可能なモデルの一覧が表示されています。各モデルのView moreを開くと、モデルの情報と使い方が表示できます。

Screenshot 2025-06-24 at 12.12.22.png
Screenshot 2025-06-24 at 12.12.46.png

Logs

Logsでは、LLMに対するリクエストに関するログを確認できます。リクエストの成功/失敗、どのキーでどのモデルにリクエストをなげたのか、エラー時の情報なども確認できます。

  • 関連ドキュメント: UI Logs

Screenshot 2025-06-24 at 12.15.57.png
Screenshot 2025-06-24 at 12.18.33.png
Audit Logsもありますが、こちらはEnterprise限定の機能のようです。

Screenshot 2025-06-24 at 12.16.13.png

Guardrails

Guardrailsでは、LLM利用時のガードレールを管理できます。たとえば、Amazon BedrockPresidioLakera などを活用し、不適切な単語の検出や個人情報(PII)のマスキングといったガードレール機能を設定できます。

Screenshot 2025-06-24 at 12.24.12.png
Screenshot 2025-06-24 at 12.24.37.png

MCP Servers

MCP Serversでは、MCPサーバーの管理ができます。ここで登録されたMCPサーバーは、LiteLLM Proxy Serverのエンドポイントに/mcpをつけることで利用できます。1つのエンドポイントで登録された複数のMCPサーバーを利用できます。APIキーやユーザー、チームごとに利用できるMCPサーバーを制限することも可能です。

Screenshot 2025-06-26 at 16.40.43.png

Screenshot 2025-06-26 at 16.41.56.png

別タブには接続方法に関するガイドも記載されています。
Screenshot 2025-06-26 at 16.38.50.png

Experimental(実験的機能)

サイドバーの下の方にはExperimentalという項目があります。実験的な機能や古い機能が配置されているようです。

  • Caching: キャッシュ機能に関するダッシュボードです。モデルやキーごとのキャッシュヒット率などを確認できます。
  • Budgets: ユーザーに紐づけ可能な予算(Budget)を管理できます。
  • API Playground: LiteLLMに対するリクエストが、LLMプロバイダーにどのような形で送られるかを確認できます。
  • Tag Management: モデルのルーティングや利用状況分析などに使えるタグを管理できます。
  • Vector Stores: RAG(Retrieval-Augmented Generation)などで利用するベクトルストアを管理できます。
  • Old Usage: 利用状況ダッシュボードUsageの旧版のようです。

Settings(設定)

最後に Settings です。 LiteLLM Proxy ServerやAdmin UIの設定が可能です。

まとめ

LiteLLM Proxy ServerのAdmin UIの各機能を紹介しました。LiteLLM Proxy Serverにはさまざまな機能があり、Admin UIを用いることでそれら機能の活用や運用を楽にできそうです。Admin UIでできないこともありますが、そういった場合にはAPI定義ドキュメントを参照しつつ、APIから操作することが必要になります。うまく利用することで、LLMの活用に役立てていきたいですね。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.