[レポート] 柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録 #Looker #BEACONJapan

2021.07.01

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この記事は、2021年6月22~23日開催の Looker BEACON 2021: Japan のオンラインセッション『柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録』のセッションレポートです。

セッション概要

企業のデジタルマーケティング課題をソリューションとデータで解決するデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)は、この度LINEをはじめとしたデジタルプラットフォームの顧客データ管理・分析を支援する新サービスの開発に際し、Lookerを採用することで今まで以上にスピーディ且つフレキシブルなサービス開発を実現しました。本セッションでは、DACが開発・提供開始した新たな顧客データ管理ソリューションについて、デモンストレーションに加え開発経緯やLookerの採用理由等を踏まえながらご紹介させて頂きます。

登壇者

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
プラットフォームストラテジー本部
プラットフォーム戦略室 室長
園田 友輝

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
プロダクト開発本部 副本部長
河原 亮介

会社紹介

  • インターネット広告業界のメディア仕入・販売を担う企業として1996年に創業
  • 博報堂DYグループの一員として、デジタルを軸とした広告・マーケビジネスを国内外で展開

デジタルプラットフォームの顧客データ管理・分析ソリューション

Lookerで実現した顧客データ統合管理・分析ソリューションの概要と実演

  • 昨今のデジタルマーケティングにおいて重要な要点・活用課題
    • デジタルマーケティングを設計する上でプラットフォームメディアとユーザーのデータは切り離せない
    • 企業はプラットフォームメディアをコミュニケーションのチャネルとして活用せざるを得ない
    • ユーザーデータは新たなユーザー識別子をどうやって定義していくかが課題

  • プラットフォームメディアを活用したDACのソリューションDialogOne
    • LINEをはじめとするプラットフォームのメッセージングサービスをフル活用できるソリューション
    • 一方で1チャネルのコミュニケーションの支援では不十分と考えていた

  • LINEプラットフォームのデータの特性
    • 設計次第でLINEのAPIを通じてデータを獲得できる
      • アカウントフォロー、ダイアログデータ、CRMデータなど

  • LINEプラットフォームのデータの特性
    • ソーシャルログインを活用してデータ連携の同意取得を管理
      • 企業にとっては安全にデータを活用できる
      • Cookieに変わるユーザーIDとして有用性が高い

  • プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
    • 初期投資の壁が高い
    • CDPの構築が不要なデジタルプラットフォームのユーザーIDを軸とした顧客管理基盤を構築してみようと至った

  • プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
    • 分析画面の部分にLookerを活用した
    • OEM的にLookerを埋め込んだ

  • プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
    • DialogOneで収集したデータを統合管理する機能としてDialogOne Insightをリリース
    • アカウントのフォロワーの膨大なデータを分析できるようにした

  • DialogOne Insightの実際の画面
    • 分析画面はLookerの画面そのまま
    • 操作性もシンプルに提供
    • インターフェースを提供することで、ユーザーの条件抽出などの分析がしやすくなっている

  • DialogOne Insightの実際の画面
    • Lookerをダッシュボードとして組み込んだだけでなく、Exploreの画面も利用できる
      • 深堀分析に利用できる
    • Lookerの専門知識を持たないユーザーであっても使いやすい画面になっている

  • Looker活用によるビジネスサイドのメリット
    • 自社開発と既製品の利用を両立していいとこどりができた
      • 開発スピードの向上
      • 高いクオリティを低価格でユーザーに提供
      • 自社開発ならではの柔軟性を維持

開発者が語るLookerの採用理由と開発録

  • プロジェクトのタイムライン
    • 2020年4月頃からDialog Insightの検討を開始
    • 初めはGoogle Data Portalを使ってダッシュボードの構築などを行っていた
    • 2020年10月から12月にLookerのPoC契約
    • 2021年1月から正式に契約
    • 2021年1月から3月の短い期間で開発

  • 顧客管理基盤の機能要件
    • 簡単に言うと、データを入れて様々な分析ができ、その結果を利用できる
    • 分析・可視化
      • ダッシュボードの作成や定期的なKPIのモニタリングができる
      • ドリルダウンやクロス集計など詳細な分析ができる
    • データ活用
      • 分析結果のダウンロード
      • MAツールなど外部プラットフォームへの連携

  • 検証フェーズ(PoC)でLookerを採用した理由
    • Lookerの機能を活用することでプロダクトの開発スピードの向上、効率化が期待できる
    • 大きな要因としては組み込み可能という点
      • Lookerの画面をそのまま利用することで大きく効率化できる
    • ダウンロードなどのデータ利用の観点でも開発の効率化ができる

  • 検証フェーズ(PoC)での主な検証ポイント
    • 開発効率化
      • 工数・データの前処理がどの程度必要になるのか・学習コスト
    • 分析画面への埋込(エンベット)
      • 権限やアクセス範囲の制限・運用工数
    • ユーザーの利用障壁
      • 非エンジニアでも使いこなせるか

  • 導入に至ったポイント
    • 開発効率化
      • ログレベルのデータであっても分析画面やダッシュボードの構築が可能
      • ある程度のスキルがあればLookMLの学習コストは高くない
      • GitHubでリポジトリ管理できる
    • 分析画面への埋込(エンベット)
      • ドキュメントやサンプルがあるため簡単に実装可能
      • 意図したとおりの権限管理やデータ閲覧範囲の制御が可能
      • 運用コストの懸念点もなし
    • ユーザーの利用障壁
      • 開発業務の経験がないユーザーでもダッシュボードの整備は可能
      • 活用の拡大についてはまだ課題がある

  • 現時点でのシステム構成
    • 図の中央のグレーの部分がDialogOne Insight
    • DialogOneのログデータはTREASURE DATA、一部の集計データはBigQueryに格納されている
      • Google Cloud StorageやCloud Dataflowを使ってBigQueryにインポート
    • Dialog Insightの画面をGKE上に構築し、LookerのSSO Embeddingの機能を利用してダッシュボードを表示

  • 今後やりたいこと・課題について
    • LookerからDialogOneへのシームレスな連携
    • パフォーマンスのモニタリング
    • 社内メンバーやビジネスユーザー向けのLooker活用の拡大

まとめ

  • 加速化する市場環境変化への対応
    • マーケティングの手法や生活者のニーズが多様化している
    • 必要な機能・サービスを自分たちで開発し続けることは限界がある
    • マーケットのニーズにスピーディに対応してく
      • 柔軟性、自由度が求められる場面では自社開発を進めていく
      • スピードや専門性が求められる場面ではパートナーシップを活かしてサービスを作っていく
    • 自社開発とパートナーシップの活用の両軸でサービスを展開していくことが重要

さいごに

自社開発とLookerを組み合わせてお互いの良い点を引き出したソリューションの開発事例として、参考になるセッションだったのではないでしょうか。Looker BEACON 2021: Japan のオンラインセッションより、『柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録』のレポートをお届けしました。