『 Looker User Meetup in Tokyo #6 』の発表内容まとめ #lookermeetup

2021.04.21

さがらです。

Lookerでは定期的にLookerユーザーの集まりとして、「Looker User Meetup」というイベントが開催されています。

こちらのイベントLooker User Meetupの第6回に参加してきましたので、各発表内容をまとめてみたいと思います。

第6回概要

第6回のテーマは「Lookerの普及活動について」でした。

LookerのようなBIツールはただ導入するだけでは何も効果を得られず、「いかにユーザーに普及して業務に活かしてもらうか」ということが重要であることは、前職が事業会社だった私も痛感しております。

そのため、個人的にもとても興味のあるテーマでした!

LT1:社内(ビジネス職)向け Looker浸透活動

登壇者

  • 米田まりな 様(株式会社サマリー)

発表資料

発表内容まとめ

  • 会社紹介
    • 宅配収納サービス:サマリーポケットを運営
      • 冬しか使わない暑い布団やダウンジャケットなど、かさばるものを配送して管理してもらえるサービス
  • 登壇者について
    • SQLはかけないビジネスユーザーの視点でお話する
    • 整理収納アドバイザーもやっているとのこと
  • Looker導入前
    • BigQuery&Redash体制
    • 全員にSQL教育をしていた
    • ビジネスユーザーの急増により、SQLに関する指導側のリソースの限界
    • 難しいクエリやダッシュボードはアナリストが一括で対応
    • 高速にPDCAを回せなくなった
  • Looker導入後に実施したこと
    • すべてのビジネスユーザーにヒアリング
    • カスタマーサクセス、デザイナー、等職種ごとのデータの使い方を確認
    • LookMLの実装
      • アナリストが実施
      • 一旦公開して、要望を頂いて修正、の繰り返し
    • ビジネスユーザー向けのトレーニング実施
      • クイズを作成し、解いてもらいながらExploreの使い方を習得
      • 合計4~5時間で、Exploreを使えるように
      • 新入社員のオンボーディング4日間のうち、1日はLookerをひたすら覚える日を設けている。新入社員の新鮮な観点での分析アイデアが出るという副次効果も。
  • 社内でのLookerの活用状況
    • すべてのビジネスユーザーがLookerアカウント保持
      • 3ヶ月以内の利用率100%!
    • 経営企画チーム
      • 予実比較はSlackで日次配信
      • 実績更新の自動化
      • 天気など外部データと組み合わせダッシュボード作成
      • 経営会議の場で、リアルタイムにLookerで数値を共有
    • プロダクト・マーケティングチーム
      • ABテスト
      • WEB広告パフォーマンス管理
    • その他チーム
      • 物流倉庫内での箱の動きなどのデータを用いた、稼働状況の把握
      • 経理のExcel主体であった業務をLookerに一元化(進行中)
      • 採用に用いているTalentioだけでは見ることの出来ない指標の可視化(例:二次面接通過率、など)
  • 今後の課題
    • 活用しているチームに偏りがある
      • 持ち回りで、各チームへのダッシュボード構築支援を予定

質疑応答

  • Q:Lookerでの、個人情報管理の面で大変なことはありませんか?
    • A:個人情報はLookerで載せないようにしている。人数など、集計値だけをLookerで可視化。
  • Q:Lookerではなくスプレッドシートを使う場面はどういったときか?
    • A:実績を株主と共有する時など、Lookerだと難しいので、スプレッドシートを使っている

LT2:データ・ドリブンな新規事業を根付かせるためには?

登壇者

  • 瀬沼 裕樹 様(株式会社リクルート / 株式会社CloudFit)

発表資料

発表内容まとめ

  • 概要
    • 新規事業開発室、という新しい事業を立ち上げる部署の話
  • 自己紹介
    • クラウドやSaaSが大好き。これが転じて、CloudFitという会社を立ち上げた
  • 新規事業開発室の位置づけ
    • 将来への布石、0➟1で、新しいアイデアを出すところから行っている
    • リクルートのRingという、新規事業の提案制度を活かしている
      • リクルート社員であれば、誰でも提案可能
      • ゼクシィ、スタディサプリ、カーセンサーはこの制度から生まれた
    • Ringの応募件数
      • 年間1000件ほど
      • うち、3~5件を育成対象とする
      • そして、最後に1件未満が事業化
        • 1000件打って1件当たるかどうか、のレベル
    • 「筋の良いアイデアと、成功する事業アイデアの違いとは?」を科学的に探求している
      • 科学的なアプローチでPDCAを行うことが出来た企業は、そうでない企業と比較して1年後の売上が50倍異なる、らしい
      • 科学的な事業開発を実現するプロセスを大事にしている
        • 「計画の策定➟施策の実施➟振り返り」を、「データの設計➟データの取得➟データの可視化」と捉えて、データドリブンかつ科学的なプロセスで行っている
        • 不確実性が多い新規事業こそ、データドリブンであることが必須
  • 新規事業でデータドリブンな事業開発を阻害する3つの壁
    • 人材の壁
      • 最初からデータに明るい人は少ない
    • システムの壁
      • データの可視化・分析を行うためのシステム投資をしようという動きが新規事業では難しい
    • 知識の壁
      • 元々営業の人なども多い。PL作成、KPIツリーの設計、など、事業としてモニタリングすべき指標がわからない
  • データ人材の組織横断化を実施
    • アクセラレーションチームという、複数の新規事業をまたぐ形で、データを扱うためのナレッジ提供をしている
    • ID連携を重視し、横串でJOIN処理が出来るように環境整備をしている
    • 他の事業会社ではグロースのタイミングに入ってからデータ分析を開始する会社も多いと思うが、リクルートでは新規事業の立ち上げフェーズからデータ分析を行っている
  • Lookerについて
    • 事業側の方にも担当者を出してもらいながらやっている
    • ダッシュボードは60%レベルで一度提供し、使いながらPDCAを回しアップデートしている
    • リンク機能をフル活用し、事業全体・マーケ・営業・ユーザー・KARTE、という複数ダッシュボード&システムを相互に移動出来るようにしている
  • データ人材の組織横断化の成果
    • 事業の失敗確率が低下
      • どの事業も、データ・ファクトに基づく判断ができるように
      • 「成功確率」を上げることは難しいが、落とし穴的な失敗にハマることが少なくなった

質疑応答

  • Q:事業立ち上げのSEED段階で使えるデータはどんな内容ですか?データが少ないとデータ比較も難しいそうと感じました
    • A:正直ユーザー数が少なく、日のPVが100もないこともよくあるため、正しいコンバージョンを拾うことは難しい。逆に、数少ない利用状況の中で使っている方はどういう方なのか、熱量の高いユーザーのペルソナを見るためにも使用している
  • Q:事業側が適切なKPIを思いつけなかったり、そもそも可視化に積極的でないケースはありましたでしょうか?そういった時にデータチームはどう動いていましたか?
    • A:あまり可視化に積極的でないことも正直ある。そういったときには、他の事業での実例を見せることで、「めっちゃいいですね」と意見を貰えるので、その流れで意識を変えている。モノを見せるのが大事、と感じている。
  • Q:事業・プロダクトによって、必要なダッシュボードや数値は異なると思いますが、その辺りについてどれぐらいを共通化・非共通化しているのでしょうか?
    • A:現状、そこまでテンプレート化はしていない。なぜなら、事業ごとに追うべきKPIは異なってくる。しかし、いろんな事業を回す中で、同じようなKPIや可視化を用いることはあるため、そういったときは参考にしている。
  • Q:Lookerの導入理由は?
    • A:LookMLによる再利用性の高さ。例えばリクルート内でも使用しているTableauだと、一定の学習コストやファイルベースの管理による属人性が発生すると感じている。一方で、10年後もLookerを使っているかはわからない、常にデータ基盤周りはアップデートしていきたい。

LT3:ファクトを元にした開発チームの振り返り促進

登壇者

  • 後藤 真理絵 様(株式会社リクルート まなび領域データソリューション部)

発表資料

発表内容まとめ

  • 自己紹介
    • 2020年にリクルート入社
    • これまでは、マーケティングリサーチや、ビッグデータ分析を行う会社に勤務
    • 現在は、サービスのグロース担当
  • Looker活用のBefore-After
    • Before
      • サービスのグロースやデータ分析を担うチームがなかった
    • After
      • データ分析チームを立ち上げた
      • 開発チーム40~50人集まる打合せで、Lookerダッシュボードで数値共有するように
  • チーム立ち上げの流れ
    • 課題が山積みだった
      • 登壇者はリクルートにおいては新人かつ、Lookerの知識も少ない
    • チームビルディングに関わることは何でもやった
      • エンジニアの方にヒアリング
      • リモート朝会を毎日、定期的な振り返り会も実施
    • データを毎日見るためのホームページ作成
      • 「データ」から連想されない、堅苦しくないページを意識
      • Lookerのデフォルトのホーム画面を、HTMLタグを駆使して、カスタム化
        • サービスの非公式キャラの画像を載せたり
        • データチームの顔も見える化した
          • Slackのプロフィール写真を自動反映
  • Looker浸透に向けて
    • 作成したホームページと主要なLookを公開
    • 「Lookerおさわり会」の要望を受け、開催
      • 可視化までの業務紹介
      • フィルタの説明
      • 社内の先行事例を紹介して、データへの興味を促した
    • おさわり会後の反響
      • Lookerに関する大型案件を頂いた
      • SlackでBOTでの通知を開始
        • このBOTに対して、もっとこうしたい、など感想を頂けるように。頂いた感想を反映させたり、コミュニケーションを重視
    • 開発40~50人が集まるチームでの共有
    • ダッシュボードを作るだけでなく、データチームの存在を伝えることにも注力

質疑応答

  • Q:ホームページの作成工数は?
    • A:2~3週間かけて、スキマ時間で実施。現在、スマホで見ると表記がくずれてしまうため、PC以外で見てもきれいになるようにしていけると尚良いと感じている
  • Q:ホームページの顔の見える化による良い影響は?
    • A:誰に連絡すればよいかが明確になったことが大きい

LT4:Looker初心者向けノウハウをqiitaで量産してみた

登壇者

  • 山下 敬介 様(株式会社リクルート まなび領域データソリューション部)

発表資料

発表内容まとめ

  • 社内というよりは、社外への浸透活動を半年していた
  • Lookerブログ量産の背景
    • 2019年春頃、Lookerと検索しても、Lookerという美容室が出てくるレベルだった
    • Lookerのマニュアルは英語が大半
      • わからないことがあると、LiveChat頼みで対応していた
    • LiveChatで教えてもらった内容や、業務上苦労した点をまとめられれば、自社・他社含めてLookerを利用する方の役に立つのでは?と考えた
  • 実績
    • 半年間で23記事作成
  • Lookerブログ量産後、反響が大きかった記事
    • PythonやBigQueryなどをLookerと絡めた記事の反響が一番大きかった
    • 次点でLookerを導入している企業のイベントレポート
    • 合計View数は17800、LGTMは60
      • 投稿数に応じて線形的に増加している傾向を確認
  • 現在のLookerの日本語情報について
    • 2019年の春と比較して、日本語情報はかなり増えてきた
      • LookerのLiveChat担当者の負荷削減にも貢献できたのでは…?
    • 日本ではクラスメソッドさんがLookerについて多くの情報発信をしてくれている(ありがとうございます!引き続き多くの情報を発信していきます!)

所感

社内のユーザーにLookerを普及させる取り組み方が、クイズを併せたトレーニングだったり、Lookerのログイン後のページをカスタム化したり、それぞれの企業ごとにアプローチが異なっていて面白いなと、純粋に感じました。

またLookerだけの話ではないですが、新規事業の立ち上げ時からデータを活用することを浸透させている取り組みのお話は、私自分も出来ることならばそうするべきだと感じているため、とても共感しました。

組織が少しでも育ってきてからデータの活用を浸透させようとすると、対象となる人数の多さや、各部署でのデータのサイロ化が発生しており、必要以上に工数が取られてしまうと感じているためです。

データ活用を組織に浸透させることは一概に出来ることではないですが、私もデータ活用に関わる一人として、情報発信やお客様への関わりを通して貢献していきたいと改めて感じたユーザー会でした。