Marketing Special DayでB2BマーケやABM、有料広告について聞いてきた。

2017年の有料広告の主流といえば、FacebookとGoogle Adwords。昨今Safariを筆頭に騒がせているクッキー/ITP問題、ABM/B2Bマーケに興味があるかたはぜひご覧ください。
2017.12.11

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは。マーケのたいさです。
Marketing Special Dayに参加してきたので、そのレポートを書きます。

参加したセミナーのうち、特に印象的だった3つを意訳で紹介します。
有料広告、クッキー/ITP問題、ABM/B2Bマーケに興味があるかたはご覧ください。他に、LP、イマドキな営業組織の作り方など聞いたので、この記事で怒られなかったら&ご要望あれば、続報書くかもです。

運用型広告はインハウス?それとも外注?

登壇者:株式会社オーリーズさん

  • 外注した場合、形骸化したレポートや無意味なコンサルタイムを毎月行われ、お互いに消耗しがちだよね、という話。価値のない作業に費用が発生するが、運用会社は儲かり、人材確保のために年収を2割upできる会社もあるぐらいだ、という話を出していて...、アメリカのCMかと思いました。怖いね。
  • 運用型広告は、GoogleとFacebookの2強
    • Googleは機能として機械学習が進んでいるので、事細かに設定するのではなく「おまかせ」できる部分が増えている。作業としては、クリエイティブ。文章や画像に関して注力すべき。
    • Facebookは、「類似オーディエンス」を学習して行く。自社で決めたペルソナよりもよほどCV高められるらしい。どれだけ優良なCVデータを貯められるかがまずはネック?作業としては同じく、現行の改善。
  • 運用サイドの話として、広告設定を最適化した時は、機械学習できるデータがたまるまでの期間は結果が落ちることをまず理解・説得して欲しいとのこと。オーリーズが運用するときは、3つのフェーズに区切り、できるところからインハウスに移譲していく。1stフェーズでは全て構築するため、運用フィーをとるが、それ以降は固定フィー+αとなる。安定してきたら、「新たな取り組み」の提案を行う。例としてアドフラウド対応があった。
  • 外注とインハウスを比較した時、最も良いところは、第三者が評価しやすいということ。一般的な会社では人事評価とキャリアのミスマッチが起こったり、マーケターを正しく評価する仕組みがなく、難しい。いくら頑張っても評価されることなく、担当者の離脱の要因にもなっている。

クッキーが利用できなくなったその後のWebサイトマーケティングの施策とその手法

登壇者:株式会社ジゾンさん

  • 2017/9/20からiOS11のSafariにITPが搭載された話
    • サードパーティのクッキーは1日、ファーストパーティも30日で有効期限が切れる
    • 30日間はログインできるけど、リタげも最大24時間に
    • 30日後はログインできなくなるので、サービス離脱の要因にもなりうる
  • iOS11に変更すると...
    • 設定「サイト越えトラッキングを防ぐ」はデフォルトでOFFになる
    • 日本人スマホの64%がiPhone x Safari
      • そのうち60%がiOS11に対応済み!!
  • 対応方法
    • すべてのページに新しい計測タグを実装する
    • Google Adwordsで新しいコンバージョントラッキングを行う
    • Google AdwordsとGoogle Analyticsを連携する
      • Adwordsの広告クリック情報をAnalytics
    • Google Tag Manager
      • 「コンバージョンリンカー」タグを追加するだけで対応完了 ← Developers.IOはこれで対応してます。

圧倒的な成長を実現するためのABM(Account Based Marketing)その理論・実践・未来

登壇者:株式会社FORCASさん

ABMとセグメンテーション

  • B2Bマーケティングの目的はLTVの合計値の最大化
  • ABMとは
    • アカウントを定義し
    • アカウント別に営業・マーケティング情報を釉薬・分析し、
    • アカウント別に営業・マーケティング組織を再編成し、
    • LTVの最大化を目指すこと
  • ターゲティング=戦略
    • セグメンテーションにとどまらず、具体的な会社名に落とすことで、ターゲットの解像度がぐんと上がる
    • ターゲティングに必要なこと
      1. クリーンな社内の営業関連情報(既存顧客情報の可視化)
      2. リッチな企業情報(そのターゲットの具体的なアクション、SPEEDAで収集可能)
      3. 1と2を統合した分析
    • ターゲティングの際に注意したいこと
      • いかに小さくターゲティングして、どれだけ回していくかが大事
  • セグメンテーション
    • よくあるのは「規模や地域、業界で切る」ことだが、これだと戦略が見えない
    • 良いのは「ユーザーニーズ x LTV (成長率、継続率)」
    • 「自社」のユーザーニーズを見定めた上で、たとえば3カテゴリ1000社程度のアカウントリストに絞り込んでいく

ターゲティング後のマーケティング

  • オフラインとオンラインの共存
    • オンライン:ターゲットに合わせた集客コンテンツの作成
    • オフライン:ターゲットが絶対来たいと思えるテーマでのセミナー開催
  • 目標
    • 小さな独占の連続のための施策の具体化
      • B2Bはそもそもお客さんが少ない
      • SFは日本で最大だが、顧客数は2万社
      • ユーザーニーズを元に、いかにマーケティングストーリーに活かせるかが肝となる。
    • 小さな独占=面でのマーケティングではない
    • 以下のようなウォーターフォールを回していけるかが、今後のマーケターの肝になっていくだろう
    • (ちょうど記事が上がってました、参考に)【特別編】大きく変わった「Demand Waterfall」、Siriusが自ら語る進化の理由

引用元:SiriusDecisions Demand Waterfall 2017: Good Progress with Room to Improve

全体的な所感

今までもマーケティングのセミナーには複数回参加していたのですが、スポンサーセッションで当たり外れなく、これだけ心を動かされたものはなかった気がします。それこそ、開発でいうデブサミのような!

といっても、マーケター向けのセミナーです。仕組みとしては、その製品が解決できることをきちんと見定めた上で、ゴールを設計します。冒頭では、昨今のトレンドやあるあるな問題の紹介から始めて高揚かつ少し不安にさせ、「でもそれをやるには手が届かない」トラップを用意した上で、すかさず「うちのサービスを取り入れれば解決じゃい!」という構成だったように感じました。おかげで、どの会社とも契約したいと思ってしまいましたw(ちょろい)Give&Giveともいいますが、情報をあげすぎるぐらい引きつけてから、サッと手を差し伸べるぐらいが相手を落とせるのかもしれません。勉強になりました。

マーケティングは、あまり認識されていないように感じますが、ROIさえ回収できる見込みがあれば、投資する価値があるものです。けして販管費ではありません。もちろん何も計測の設計がされてなければ、ただの広報の一環。垂れ流している=販管費と取られてしまうかもしれませんね。

いいセミナーは、翌日もとい聞いた直後からやりたいことが増えて困りますね。
マーケティングは楽しいよ!