[MinIO]boto3で操作可能なS3互換ストレージをローカル上にDocker Composeで立てる方法
- t_o_dと申します。
- AWSを利用しているとS3に格納しているデータをPython(boto3)で読み取り処理を行うケースは多いです。
- 非常に便利な反面、お金や権限の問題で開発時の気軽な実行は躊躇ってしまいます。
- 今回はboto3で操作可能なS3互換ストレージであるMinIOをローカル上にDocker Composeで立てる方法を記録いたします。
はじめに
- 本記事では以下を行います。
- MinIO環境の構築
- MinIOクライアント(mc)環境の構築
- boto3での動作確認
- なおMinIOやMinIOクライアントの詳細な操作方法等は割愛いたします。
環境
- mac OS Monterey 12.6
- Docker 20.10.14
- Docker Compose 2.4.1
- Python 3.10.8
手順
MinIO環境の構築
- まずファイル群を入れるためのディレクトリを任意で作成します。
mkdir ~/minio-sample cd minio-sample
- 次に必要となるディレクトリ及びファイルを作成します。
# コンテナ起動時に作成されるバケットに入れる初期データファイルを格納するディレクトリ mkdir init_data # コンテナ起動のための設定ファイル touch docker-compose.yml
- 作成後、以下の内容を
docker-compose.yml
に記述します。
version: '3.7' services: minio: container_name: minio command: ['server', '/data', '--console-address', ':9001'] environment: - MINIO_ROOT_USER=admin - MINIO_ROOT_PASSWORD=adminpass image: quay.io/minio/minio:latest ports: - '9000:9000' - '9001:9001' volumes: - ./minio_data:/data restart: unless-stopped mc: image: minio/mc container_name: mc depends_on: - minio environment: MINIO_ROOT_USER: "admin" MINIO_ROOT_PASSWORD: "adminpass" entrypoint: > /bin/sh -c " mc alias set myminio http://minio:9000 admin adminpass; mc mb myminio/sample; mc cp init_data/* myminio/sample; " volumes: - ./init_data:/init_data
- 記述後、作成バケットに初期オブジェクトを流すため
init_data
ディレクトリにデータファイルを追加いたします。
# init_dataディレクトリにfirst.csvとsecond.csvを追加 echo "id,name,score\n1,tod,100" > init_data/{first,second}.csv # 中身を表示 cat init_data/first.csv id,name,score 1,tod,100
- 追加後、以下のコマンドでコンテナを起動します。
# 2つのコンテナが起動 docker compose up -d # 起動確認 docker compose images Container Repository Tag **** mc minio/mc latest **** minio quay.io/minio/minio latest ****
- 起動後、
localhost:9000
にアクセスしてMinIOのログイン画面が表示されることを確認します。
- ログイン画面確認後、
docker-compose.yml
で指定した以下の値でログインできることを確認します。- MINIO_ROOT_USER : admin
- MINIO_ROOT_PASSWORD : adminpass
初期バケットやオブジェクトの確認
- ログイン後、既に以下のバケットやオブジェクトが作成されていることを確認します。
- バケット : sample
- オブジェクト : first.csv,second.csv
- 既に作成されている理由として、
docker-compose.yml
内で指定しているようにMinIOをコマンドラインで操作可能なmcが扱えるコンテナを立ち上げ、その起動時に「バケット作成やオブジェクト追加」のmcコマンドを自動実行しているからです。- MinIO環境のみの立ち上げであれば、バケットやオブジェクトは存在しません。
boto3での動作確認
- バケットやオブジェクトの用意が完了したので、boto3がMinIOでもS3同様に利用可能か確かめていきます。
- まず以下のコマンドをうち、Pythonファイルとモジュール格納用のディレクトリを作成して、そのディレクトリを指定する形でboto3をインストールします。
- ※手軽に試すべく、仮想環境ではなくローカルディレクトリにモジュールを入れる形としています。
# 確認用ファイル作成 touch test.py # Pythonモジュール格納用。 mkdir py-pkgs # boto3を指定ディレクトリにインストール python3 -m pip install boto3 -t py-pkgs
- 作成後、以下の内容を
test.py
に記述します。
# モジュールディレクトリ指定 import os, sys sys.path.append(os.path.join(os.path.dirname(__file__), 'py-pkgs')) import boto3 if __name__ == '__main__': s3 = boto3.resource( 's3', endpoint_url='http://localhost:9000', aws_access_key_id='admin', # ログイン名 aws_secret_access_key='adminpass', # ログインパスワード ) # MinIOのバケット出力 print('バケット一覧') for bucket in s3.buckets.all(): print(bucket.name) print('') # MinIO内のfirst.csvの中身出力 print('first.csvの中身') obj = s3.Object('sample','first.csv') res = obj.get() print(res['Body'].read().decode())
- 記述後、ファイルを実行してバケット一覧やファイルの中身が正常に出力されることを確認します。
python3 test.py バケット一覧 sample first.csvの中身 id,name,score 1,tod,100
- 以上です。
まとめ
- MinIOを利用することでローカルでS3互換操作が可能なので非常に便利だと感じました。
- 他にもモニタリング機能や通知機能などS3同様に機能が豊富にあるため、適宜利用を検討していきます。
参考
アノテーション株式会社について
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