Mixpanelでネット広告の分析に使える新機能の紹介!
ミックスパネラーの國崎です。
今回はMixpanelでリリースされたネット広告の分析に使える新機能「マルチタッチアトリビューション」と「アドネットワークデータサポート」の紹介をします。
マルチタッチアトリビューションとは
マルチタッチアトリビューションとは「ある1つのコンバージョン指標に対して、複数広告からの流入があった場合の影響を可視化する」分析機能です。
ユースケースで言うと、以下の流れで購入があった場合の分析などに使えます。
- ユーザーがFacebookで製品の広告を目にする
- ユーザーが広告をクリックすると、会社のWebサイトの製品ページが表示される
- ユーザーが商品をカートに追加する
- ユーザーが注文の途中でカートを放棄しWebサイトを離脱
- 離脱したユーザーにInstagramでリターゲティング広告が表示される
- ユーザーが広告をクリックして商品を購入する
この場合、上記ユーザーは購入に至るまで「Facebook」と「Instagram」2つの広告をクリックしました。
購入につながったのはInstagram広告ですが、商品の認知につながったのはFacebook広告です。
複数広告を展開していると、このようなユーザー行動を可視化することで、最適な広告パターンなどを分析することができます。
こういった複数広告のタッチポイント分析に役立つのがマルチタッチアトリビューションです。
使い方
マルチタッチアトリビューションの使い方について、今回はインサイトレポートを参考に説明します。
まず計測したいコンバージョン指標を選択します。
次に表示されるプロパティで、広告パターンがわかるパラメーターを選択します。
今回はUTM Mediumを例に進めます。
そうすると、今回指定したコンバージョン指標Purchase Completedの下に、いつ時点の広告クリックを表示するかの選択が表示されます。
以下、各選択できるパターンの説明です。
100%の数字をどの時点の広告に割り振るかで、パターン分けしています
First Touch | 最初のクリック広告を100%とする |
Last Touch | 最後のクリック広告を100%とする |
Linear | 全てのクリック広告に均等の評価をする |
U-shaped | 最初の広告に40%、最後の広告に40%、残り20%をそれ以外の広告で割る |
J-shaped | 最初の広告に20%、最後の広告に60%、残り20%をそれ以外の広告で割る |
Inverse J-shaped | 最初の広告に60%、最後の広告に20%、残り20%をそれ以外の広告で割る |
Custom | 割り振りを全てカスタマイズできる |
試しに「First Touch」「Last Touch」「Linear」を選択して、棒グラフ表示にすると以下のようになりました。
マルチタッチアトリビューションでは、このように複数地点での広告クリックを1画面で可視化することができます。
アドネットワークデータサポートとは
アドネットワークデータサポートとは「有料広告のデータをMixpanelに取り込み、ROASやCPCを確認する」分析機能です。
Mixpanelに取り込む広告データは以下のような形式のイベントとして表されます。
{ event: 'ad data', properties: { time: 1680307200000, source: 'Google', campaign_id: 12345, campaign_name: 'Launch Commercial US', // Cost of this campaign in USD for this day cost: 37.19, // The total clicks of this ad campaign for this day clicks: 11, // The total impressions of this ad campaign for this day impressions: 482 } }
広告データをイベントデータとして処理するにあたり、以下のことがベストプラクティスとして挙げられています。
- コスト、クリック数、インプレッションを含んでいるため、カスタムプロパティや数式を使用すればクリック単価も算出することができます。
- 広告データと特定のユーザーの紐付けはされていないため、Distinct IDはありません。そのためファネル、フロー、リテンション、ユニークユーザー数のレポートには当イベントは含まれません。
- 広告データの取り込みはアドネットワークのエクスポートタイミングに依存します。通常集計は最短でも1日1回の間隔となります。
- イベントを一意に識別するためにInsert IDを含めることが推奨されています。
上記のイベント例ではInsert IDが含まれていませんが、含める場合は以下のように一意に識別可能なプロパティを組み合わせて構成することが推奨されています。
// "G" = Google Ads // "2023-04-01" = The date of our data // "12345" = The specific campaign ID $insert_id = `G-2023-04-01-12345`;
使い方
先述したように、取り込んだ広告データはファネル、フロー、リテンションのレポートでは見れないため、インサイトレポートで確認します。
上記の[ad data]のイベントで取り込んだ場合を例にすると、広告データの取り込み後はad dataがイベントで指定できるようになっています。
他のイベントと同様、ad dataに紐づくプロパティでBreakdownも見れます。
以下は[cost]別で分けた場合です。
従来通りプロパティを掛け合わせてみることもできます。
以下は[cost×source]別の表示。
CPCをカスタムプロパティで作成し、[cost][clicks][CPC]をsourece別にテーブル形式で表示することも可能です。
アドネットワークデータサポートを使うと、以上のような感じで広告データの可視化を行うことができます。
まとめ
以上、マルチタッチアトリビューションとアドネットワークデータサポートの紹介でした。
アドネットワークデータサポートで連携するやり方などはドキュメントでも案内されております。
詳細気になる方はぜひ!!