オリンピック金メダリストの語る「機械学習×スポーツ」の可能性について学習してきた #AWSreInvent
はじめに
こんにちは!AWS事業本部コンサルティング部の和田響です。
AWS re:Invent 2023では、ラスベガスへにて現地参加しています。
この記事では、先ほど参加したBreakout Sessionの「SPT201 | Creating new analytics in sports」について紹介します。
概要
The raw data of sports has transitioned from box scores to tracking data, and with that comes an opportunity to apply AI/ML to surface new insights that impact how we coach, train, and consume sports. In this session, hear the NHL and AWS discuss how new analytics are created—from conception to on-air presentation. スポーツの生データはボックススコアからトラッキングデータに移行しており、それに伴い AI/ML を適用してスポーツのコーチング、トレーニング、消費方法に影響を与える新しい洞察を明らかにする機会が生まれています。このセッションでは、NHL と AWS が、構想からオンエア プレゼンテーションに至るまで、新しい分析がどのように作成されるかについて話し合います。
一言でまとめると「現在のアイスホッケーを例に機械学習をスポーツに活かす可能性」について学びました。
スピーカー
スピーカーは以下の五人で、Cassie Campbell氏は女子アイスホッケーの選手でオリンピックで3個、世界選手権で8個の金メダルを獲得しています。現在はブロードキャスターとしてアイスホッケーに携わっています。
そんな彼女を中心に機械学習を活かしたスポーツの可能性について学習しました。
セッション内容
現在のアイスホッケーについて
現在アイスホッケーでは小さなデバイスを身につけ、そこから得られる情報を機械学習させ、対戦相手の行動を予測できるようになっています。
例えば、「xx選手が〜度で構えた場合⚪︎⚪︎%でこっちに打つ」のように行動パターンを数値化することが可能になってり、それをもとにコーチングを行ったり、視聴者にその情報を見せることで一種のエンタメコンテンツにもなっているみたいです。
機械学習の方法
今回説明していた機械学習では70,000件以上の動画データを用いて教師あり学習をすることで、行動パターンを導き出しているようです。
AWSインフラの構成
今回のセッションで紹介されたアプリケーションは以下の構成になっており、機械学習にはAmazon SageMaker、リアルタイムの配信にはKinesis Data Streamsを使っているのが特徴です。
Cassie Campbell氏の語る機械学習×スポーツ
前述の通り輝かしい功績を持つCassie Campbell氏は、機械学習とスポーツの可能性について以下のトピックを重要視する位必要があると話します。
スポーツに機械学習を用いる分野はまだ歴史が浅い
つまり機械学習の精度はまだまだ向上する可能性が高いと考えており、今の機械学習の常識が数年後には覆っている可能性もあると説いていました。
我々が機械学習を使って相手チームもまた我々を研究している
忘れてはならないのが、我々のチームだけが機械学習を行っているわけではなく、相手もまた同様の方法で我々を研究していることと説いていました。
機械学習の精度の高さよりも、感動を生み出せるかどうかが大切
すべてのチームが同じように機械学習で研究を続けた先に感動をどう生み出すのかを考える必要があるとは説いており、トークの中で「必ずしも正しい選択だけが美しいとは限らない」ということも話していました。
最後に
今回は「機械学習×スポーツ」について金メダリストの視点から語るという面白い内容でした。Amazon SageMakerを使って高いレベルの機械学習ができていることは組織にとって素晴らしいことだが、スポーツ全体の今後を考えると機械学習を用いいたからこそ生まれる感動が今後必要になるという、エンジニア視点からは見えない角度の話が聞けて新鮮でした。
機械学習の進化とともにスポーツ界の進む道を、一人のスポーツファンとして見守っていきたいと思います。