各AWSリージョンとのネットワーク遅延を計測したい
AWSは世界各地にデータセンターを集積したリージョンが存在します。
日本国内であれば、東京と大阪の2リージョン、北米であれば米国東部 (バージニア北部)を含む7リージョンなど、世界で26のリージョンが存在します。
※ https://aws.amazon.com/about-aws/global-infrastructure/ から
これだけ多くのリージョンが存在すると、インフラを構築するリージョンによって、レイテンシーがどう変わるのか気になりますね。
そこで
- クライアントとリージョンとの通信の遅延
- リージョン同士の通信の遅延
を計測するツール・サービスを紹介します。
クライアントとリージョンとの通信の遅延
ウェブサイトに接続し、クライアントとAWSリージョン間の遅延を計測します。
AWS Global Accelerator Speed Comparison tool
1つ目は、AWS公式の AWS Global Accelerator Speed Comparison tool です。
https://speedtest.globalaccelerator.aws/#/
※ ドイツから計測
本ツールは、本来はネットワークの可用性とパフォーマンスを向上させる AWS Global Accelerator の効果をシミュレートするツールです。
サイトにアクセスし、「Start」ボタンを押すだけで、各リージョンへの
- 素の通信時間(Direct over internet)
- Global Acceleratorを利用した通信時間
を計測できます。
参考 : AWS Global Accelerator を導入するとざっくりどのくらい速くなるの?手軽にシミュレーションできるWebツールができた | DevelopersIO
AWS Ping Test
2つ目は AWS Ping Test (Latency) です。
※ ドイツから計測
サイトにアクセスすると計測が始まり、各リージョンに対して順に ping
を実行し、最小、最長、平均、中央、個別の ping
時間を計測できます。
AWS Cloud Ping Speed Test
3つ目は AWS Cloud Ping Speed Test です。
https://www.cloudping.cloud/aws
※ ドイツから計測
サイトにアクセスし、「HTTP Ping」ボタンを押すだけです。
各リージョンのEC2との通信をもとに、ネットワーク遅延を計測します。
リージョン同士の通信の遅延
AWS Latency Monitoring
リージョン間通信の遅延を計測したい場合のツールが AWS Latency Monitoring です。
ping
のラウンドトリップ時間を定期的に計測しており、直近の期間をもとにした Percentile の値を表示します。
2022年2月10日の過去1日の50thパーセンタイルの場合、以下の通りです。
- 東京 - 東京 : 3.71 ms
- 東京 - 大阪 : 9.27 ms
- 東京 - オレゴン(アメリカ西海岸) : 101.19 ms
- 東京 - バージニア北部(アメリカ東海岸) : 146.81 ms
- 東京 - フランクフルト(ヨーロッパ大陸) : 224.98 ms
直感通りですね。
注意
今回紹介したツールはあくまでも簡易的に遅延を把握するためのものです。
より精緻に把握したい場合は、各リージョンにインフラを構築した上で、実際の通信プロトコルで計測ください。
それでは。