【new Bing】PDFが要約できるようなので試してみました

2023.05.05

はじめに

データアナリティクス事業本部ビッグデータチームのkasamaです。
今回は2023/05/04にPreview版として一般公開されたnew BingのPDF要約機能を試してみたいと思います。

※ 本ブログは2023/05/05現在のPreview版の機能を試してみたブログになります。今後フィードバックなどから新機能の追加や修正が見込めれますのであらかじめご了承ください。

Announcing the next wave of AI innovation with Microsoft Bing and Edge

結論

  • Web上に公開されているPDFを開いてチャットで依頼するだけて要約してくれる
  • 途中文字が切れた場合でも「要約を続けてください。」と打つと続けてくれる。
  • 要約の精度は高い

事前知識

Announcing the next wave of AI innovation with Microsoft Bing and Edge

以前からwait listで招待された方限定のプレビュー版は触っていましたが、今回はwait listなしで、一般公開されました。 ブログ記事の内容から大きくは以下の機能を確認しました。

  • 2023/05/04現在 搭載を確認している機能
    • Bing Image Creatorが日本語でnew Bingでも使えるように。(ChatがCreative StyeleかつMicrosoftアカウントにログイン状態で可能でした。)
    • チャットの共有機能。
    • PDF や長い形式の Web サイトなどの長いドキュメントの要約。(改善途中のようですが使用は可能です。)
    • Paragraph、Email、Blog post、Ideasなどの形式で文章構成を記載してくれるCompose機能。
  • 2023/05/04現在 搭載を確認していない機能
    • テキストのみの検索とチャットから、豊富な動画の回答を備えた非常に視覚的なものに移行し、新しいマルチモーダル サポート。
    • 単一使用のチャット/検索セッションから、チャット履歴と Edge 内の永続的なチャットを使用した複数セッションの生産性エクスペリエンスへの移行。
    • サードパーティのプラグインを Bing チャット エクスペリエンスに組み込み、開発者向けのプラットフォームの作成。
    • マルチモーダル機能で可能なことを拡張し、画像をアップロードして関連するコンテンツを Web で検索できるように、ビジュアル検索をチャットに組み込む。
    • チャットをエクスポートできる機能

日本時間の5/26(水)〜5/28(金)に開催される グローバルイベントのMicrosoft Buildで最新情報が共有されるようなので、随時チェックしていきたいですね。

使ってみた

今回は上記の可能となった機能の中からPDF要約機能について使っていきたいと思います。

検証用として、私の大学生時代の論文をPDF化し、Google Drive経由で一般公開して使用していきたいと思います。論文の内容としては、日本という国において、現金は今後無くなるのかにについて調査したものになります。

PDFをGoogle Driveに格納し、一般的なアクセスをリンクを知っている全員とすればインターネットへの公開が完了です。

検証1 チャット上にPDFのリンクを貼って要約

それでは実際にBing上でPDFリンクと要約依頼のメッセージを問い合わせてみます。StyleはCreative Styleを使用します。

Google Driveへはアクセスできないようでした。他2種類のStyleでも試してみましたが、できませんでした。

検証2 PDFをWebブラウザで開いた状態でChatで要約

PDFをBingで開いた状態で、右上にあるBingのマークからChatを選択します。

この状態でKey takeaway from the page要約してと問い合わせてみます。しかし、結果はpageはEmptyで返ってきます。すると追加で、以下の内容を許可するか尋ねられました。

Get the best experience with relevant responses

Allow Microsoft to access your browser web content to enable chat responses about your web page, select text for editing assistance, generate page summaries and more.

適切な回答で最高の体験を得る

マイクロソフトがお客様のブラウザのウェブコンテンツにアクセスし、ウェブページに関するチャット応答、編集支援のためのテキスト選択、ページサマリーの生成などを可能にします。

追加でブラウザのウェブコンテンツアクセスを許可することで、Webページに関するチャット応答などを支援してくれるようです。Privacy、サービス利用規約等の注意書きを読んだのちに許可しました。

許可した後に再び、今開いているPDFファイルを章ごとに要約してくださいと問い合わせました。

途中で止まりましたが、続きを読んでください。と問い合わせることで続けてくれました。

以下出力されたものをCOPYした全文になります。

こんにちは、これはBingです。:ぽっ: 今開いているPDFファイルを章ごとに要約するのですね。了解しました。 要約する方法は、以下のような手順で行うことができます¹²。 1. 文章を段落に分ける。目次や接続詞などを参考にして、意味段落ごとにグループ分けする。 2. 要点と要旨を取り出す。各段落の中で最も重要な一文を見つけてマーカーを引く。その中から文章全体の中で筆者が最も伝えたいことを要旨として絞り込む。 3. 短い文に整える。マーカーで印をつけた文章を自分の言葉で言い換えて短くまとめる。文章の順番は入れ替えずに、元の文章の構成に沿って書く。 今開いているPDFファイルは、日本の現金は無くなるのかというテーマで書かれた卒業論文です。以下に各章の要約を示します。

  • はじめに:現金廃止論や電子決済の発展が世界的な話題になっている中で、日本ではどうなっていくのかという問いに答えるために、世界と日本の通貨の歴史や電子決済の現状、仮想通貨や現金廃止のメリット・デメリットについて研究する。

  • 第1章 世界の通貨の歴史:世界最古の硬貨はリディア王国で作られたエレクトラム硬貨であり、それ以前は銀や大⻨などが原始貨幣として使われていた。硬貨はアレクサンダー大王の遠征や交易などで広まっていった。

  • 第2章 日本の通貨の歴史:古代から中世にかけては米や布などが原始貨幣として使われており、硬貨は中国から伝わったものが主流だった。近世では江戸幕府が金・銀・銅の三貨制度を確立し、近代以降は西洋式の紙幣や硬貨が導入された。

  • 第3章 電子決済:日本では現金依存度が高く、電子決済はまだ普及していない。高額紙幣廃止論も議論されているが、実行される見込みは低い。インドやスウェーデンでは高額紙幣廃止や電子決済推進が進んでおり、中国ではスマホ決済が主流になっている。

  • 第4章 現金が無くなる日(つまり仮想通貨が主軸通貨となる日):仮想通貨(デジタル通貨)はブロックチェーンという技術を用いて発行 Source: Conversation with Bing, 5/5/2023(1) 「要約」の方法は手順を踏めば簡単! 要旨との違いも解説 .... https://career-picks.com/business-yougo/youyaku-2/ Accessed 5/5/2023. (2) 【要約難しい】文章要約のコツ5+簡単な書き方【本・物語・小 .... https://lifelikewriter.com/in-short/ Accessed 5/5/2023. (3) 要約力を高めるトレーニング法11選!情報を要約する4つのコツ .... https://goalsettinglab.net/general-article30-lifeskills/ Accessed 5/5/2023.

かしこまりました。今開いているPDFファイルの要約を続けます。

  • 第4章 現金が無くなる日(つまり仮想通貨が主軸通貨となる日):仮想通貨(デジタル通貨)はブロックチェーンという技術を用いて発行される電子的な通貨であり、中央機関の管理や介入が不要である。仮想通貨は現金の代替となり得るかもしれないが、まだ安定性や信頼性に欠けるという課題がある。

  • 第5章 現金廃止のメリット・デメリット:現金廃止のメリットとしては、脱税や犯罪の防止、経済効率の向上、決済の利便性の向上などが挙げられる。一方、デメリットとしては、プライバシーの侵害、電子的な障害や攻撃のリスク、現金に依存する人々の不利益などが考えられる。

  • おわりに:現金は長い歴史を持ち、人々にとってなくてはならないものとなっている。しかし、世界では現金廃止論や電子決済の発展が進んでおり、日本もその流れに乗らなければならないかもしれない。現金廃止にはメリットもデメリットもあるが、最終的には国⺠の意思に委ねられるべきだと考える。 以上が今開いているPDFファイルの要約です。ご参考になりましたでしょうか。

私の論文が驚くほど正確に要約されていました。自分の論文がこんな形で要約されて思い出されることになるとは。。感動しています。

最後に

今回はPDFで試してみましたが、同じ手法で、色々なWebページでも試せそうですし、要約以外にも活用できそうな気がしました。今後もnew BingのUpdateは随時追っていきたいと思います。