[C5/M5] Nitro世代EC2インスタンスのEBSスループットが向上しました
こんにちは、菊池です。
地味ですが、うれしいアップデートがありましたので紹介します。
Nitroハイパーバイザーを採用した新しい世代のEC2インスタンスタイプである、C5/M5インスタンスの、EBSパフォーマンスが向上しました。
- Amazon EC2 Nitro System Based Instances Now Support Faster Amazon EBS-Optimized Instance Performance
EBSのスループット(帯域幅/IOPS)は、EBS自身の性能の他にEC2側のインスタンスタイプによっても上限が設定されています。今回、C5/M5インスタンスにおける最大スループット(帯域幅/IOPS)が拡張されました。
C5/M5のEBSスループット
インスタンスタイプごとのEBSスループットは以下のドキュメントに記載されています。
本記事執筆時点では日本語記事には未反映(拡張前の値となっています)でしたので、拡張後のスループットはEnglish表記で確認できます。今回拡張された、C5/M5インスタンスの拡張前後のスループットは以下の通りです。また、先日登場したばかりの同じNitro世代のメモリ最適化インスタンスである、R5のものも参考に記載します。
インスタンスタイプ | 最大帯域幅(拡張前) | 最大帯域幅(拡張後) | 最大IOPS(拡張前) | 最大IOPS(拡張後) |
c5.large/c5d.large ※ | 2,250 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 20,000 |
c5.xlarge/c5d.xlarge ※ | 2,250 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 20,000 |
c5.2xlarge/c5d.2xlarge ※ | 2,250 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 20,000 |
c5.4xlarge/c5d.4xlarge | 2,250 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 20,000 |
c5.9xlarge/c5d.9xlarge | 4,500 Mbps | 7,000Mbps | 32,000 | 40,000 |
c5.18xlarge/c5d.18xlarge | 9,000 Mbps | 14,000Mbps | 64,000 | 80,000 |
m5.large/m5d.large ※ | 2,120 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 18,750 |
m5.xlarge/m5d.xlarge ※ | 2,120 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 18,750 |
m5.2xlarge/m5d.2xlarge ※ | 2,120 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 18,750 |
m5.4xlarge/m5d.4xlarge | 2,120 Mbps | 3,500Mbps | 16,000 | 18,750 |
m5.12xlarge/m5d.12xlarge | 5,000 Mbps | 7,000 Mbps | 32,500 | 40,000 |
m5.24xlarge/m5d.24xlarge | 10,000 Mbps | 14,000Mbps | 65,000 | 80,000 |
r5.large/r5d.large ※ | - | 3,500Mbps | - | 18,750 |
r5.xlarge/r5d.xlarge ※ | - | 3,500Mbps | - | 18,750 |
r5.2xlarge/r5d.2xlarge ※ | - | 3,500Mbps | - | 18,750 |
r5.4xlarge/r5d.4xlarge | - | 3,500Mbps | - | 18,750 |
r5.12xlarge/r5d.12xlarge | - | 7,000 Mbps | - | 40,000 |
r5.24xlarge/r5d.24xlarge | - | 14,000 Mbps | - | 80,000 |
※ 記載のインスタンスはバーストパフォーマンスとなるため、24時間のうち最大で30分間、最大パフォーマンスを維持できます。
新しく登場したR5のパフォーマンスに合わせる形で、C5/M5のEBSスループットが向上したようです。
さいごに
EBSとのIOパフォーマンスについて、EBSの性能だけでなくEC2側のインスタンスタイプによる上限があることは意外と盲点だったりします。
また、高いスループットを求めるケースでは、CPU/メモリが十分でもインスタンスタイプを上げざるを得ないことがあります。今回のアップデートにより、小さいインスタンスタイプでも最大スループットが向上しました。高いIO性能を求められる環境では、現状からインスタンスタイプを下げたり、最新世代のインスタンスタイプに変更することでコストダウンできる可能性もありますので、ご検討の価値はあるでしょう。