非エンジニアのIT未経験者が業界理解を深めるために読んだ本3冊

IT業界(インフラ系)に未経験で就業する方におすすめの本を紹介します。またIT初心者を教育する立場の方に知ってほしいことも書きました。
2023.11.30

こんにちは。マーケティングコミュニケーション室の山﨑です。 この記事では、非エンジニアのIT業界未経験者だった私が、業界理解のために役立った本を3冊紹介します。 IT業界に入りたての方や未経験でIT業界にチャレンジしようとしている方の参考になれば嬉しいです。

わからないことは本から学んだ

私はIT業界で働き始めた当初、事業部門のマーケティングチームに派遣された事務員だったのですが「ITのことを知らなくてもなんとかやっていけるんじゃないか」と甘い考えを持っていました。 しかし、製品やその周辺技術について理解していないと業務で結果を出せない=契約更新されなくなるかもと感じるようになり勉強することにしました。

何か新しいことを学ぶときは大きく2つの方法があると思います。

  1. 先人に聞く
  2. 本で学ぶ

人に話しかけるのに抵抗がない方は人に聞いた方が理解が早いと思いますが、私は本で学ぶことを選びました。 人に聞かずに本から学ぼうとしたのは、わかる人に質問できるようになるまでにはある程度の知識が必要だと思ったからです。

もともとIT企業で働きたかった訳ではなく、ただ派遣先がIT企業だっただけということもあり、最初は「サーバーってなんですか」状態でした。 にもかかわらず、入って早々 ”プリセ会議” という名の会議に出ることになりました。当時はプリセールスという言葉も知らず、会議で話されている内容も全くわかりませんでした。 そこで上司に「この会議、私が出る意味ありますか?」と聞いてみたところ「わからなくてもいいからとにかく出て」と言われ、「理解できるようになれ」ということだと察しました。

それからはWeb検索で単語を調べつつ、会議で飛び交う「商流」「コンサル」「二次店」といった言葉から、言葉の意味だけでなくIT業界特有の構造を知る必要があると感じたので、プロの編集の手が加わった本から知識を得ようと思い、初心者向けの本を購入しました。

①IT業界、SI業界の理解におすすめ:世界一わかりやすいIT業界のしくみとながれ

業界理解の助けになったのは、「世界一わかりやすい IT業界のしくみとながれ」です。目次は以下の通りです。

序章 IT業界の基礎知識
1章 IT業界のサービスと顧客
2章 IT事業者のしくみ
3章 システムとIT技術の基本
4章 システムの提案と要件定義
5章 システムの設計と開発
6章 システムの導入と運用
7章 IT業界の新しいながれ
終章 IT業界のこれから

SIerとはどんな役割なのか、代表的企業はどこか、といったIT業界の構造をマンガを交えて初心者にもわかりやすく解説しています。 以前勤務していた会社は商流が非常に重要だったのですが、受発注の流れがつかめたことで営業さんの言うことが理解しやすくなりました。 ※出版からだいぶ年数が経っているので、現在書店の店頭では見つからないかもしれません。

②わかりにくいIT用語をざっくりと知りたいときにおすすめ:ICTことば辞典

次に困ったのは、SAP、RPO、SQLなどアルファベットの用語が全くわからないということです。IT企業に入りたての方にとってはよくあるお悩みなのではないでしょうか。

Web検索をしても解説の中にまた知らない単語があって、そっちを読んでいたら結局元の単語の意味もわからなくて、ということを繰り返していました。「もっと辞書みたいなひとまとめにされたもので学びたい」と思って手に取ったのが「ICTことば辞典」です。

これはIT用語だけでなく、マーケティングやITに関わる法律用語なども載っていてしかも説明文がわかりやすいです。 例えば、OS(オペレーティングシステム)の説明文を見てみます。

「Operating System(オペレーティングシステム)」の略語で、コンピューター(パソコン)全体を管理し、効率よく操作するためのソフトウェア。たとえばオーケストラにおいてさまざまな楽器を扱う演奏者たちを上手にまとめあげる「指揮者」のような役割をしています。(以下略)

152ページ、2015年初版

簡潔に説明しつつ、他の物事でたとえてくれています。これがとてもありがたかったです。

③AWSの基本を理解するのにおすすめ:AWS認定資格試験テキスト クラウドプラクティショナー

IT業界に入り込んでからもうすぐ1年という頃、クラウドチームのマーケ担当だった私は「AWSの資格勉強してみようかな」と思い始めました。本屋で見かけた一番わかりやすそうな本が「AWS認定資格試験テキスト クラウドプラクティショナー」でした。

AWSサービスについての説明がシンプルで「AはBです」と説明されていてスッと頭に入ってきます。

IAMとは、「AWS Identity and Access Management」の頭文字をとったもので、ユーザーのAWSクラウドリソースへのアクセス管理サービスです。

48ページ、2019第2版

この本を読むことでAWSの基本的なサービスをざっくりと理解できますし、何がわからないかを把握したい方にもおすすめです。IT業界5年目となったいまでも「ELBって何と何と何だったっけ?」というような時、たまに見返すことがあります。

IT初心者に業務知識を教えるコツ

経験を重ねたエンジニアの方が、初心者のエンジニアまたはエンジニアではない職種の方と技術の話をする際に、こうしてほしいと思うことがあります。

比喩を使って説明して欲しい

初心者への説明に関しては正確かどうかは重要ではありません。イメージさえ伝わればそれでOKです。
これまで教えてもらった中で最もわかりやすかった例は、サーバーとOSとアプリケーションの関係性をたとえたものです。

サーバー:ノートPC本体
OS:Windows
アプリケーション:エクセル

目の前にあるもので、自分も使っているものなのでわかりやすいですよね。 私は「サーバーにOSをインストールしてその上でアプリケーションが動く」イメージがつかめていなかったのですが、この説明で理解できました。

エンジニアの方から技術的なことを教わる際に困るのは、正確に伝えようとしてくれるがゆえに複雑で、自分の前提知識もないため理解が追いつかないということです。 そんな時、正確ではなくても別のものに置き換えて説明してくれるととても嬉しいです。

※比喩を使ってIT用語を説明するといえば、「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典 です。このサイトの解説には何度も助けられました。ありがとうございます。これからも使い続けます。「○○ わかりやすく」でWeb検索すると出てきます。

まとめ

業界限らず未経験の状態から勤務を続けるには、以下のことを覚えておくとよいです。

  • まず基礎知識をインプットすることが大事
  • 先輩・上司に技術的な質問をするにもある程度の知識が必要

また、初心者に何か専門的なことを教えるときには、こうしてもらえると嬉しいです。

  • 比喩を使って説明する

IT業界に限らず未経験の業界や職種に挑戦するのは勇気が要ります。せっかく飛び込んだ環境に適応すべく、自ら学び・教わる姿勢を見せることが大事です。 こんな大層なことを言いつつ、入りたての頃のハングリー精神は今ではすっかり落ち着いてしまったのですが、今後も学びを忘れず仕事でアウトプットしていきます。