
非営利組織のためのAI活用ラボ - 第3回:思った通りに答えてくれない?生成AIへの“問いかけ方”の工夫
はじめに:「AIが期待外れ」なのは、よくあること
ChatGPTやClaudeなどの生成AIに質問してみたものの、
「なんかピンとこない答えが返ってきた」「意図とズレてる」と感じたことはありませんか?
実はそれ、あなたのせいではありません。
AIが“気のきかない新人”であるという前提に立てば、むしろ自然なことなんです。
今回は、生成AIに“思った通りに答えてもらう”ための問いかけ(プロンプト)の工夫について、
非営利組織の業務でもすぐに試せるコツをご紹介します。
プロンプト設計の基本3原則
1. 誰のための文か?(ターゲット指定)
例:
「中学生にもわかるように説明してください」
「助成金担当者に伝わるように、丁寧にまとめてください」
読み手を明確にすることで、文体や言葉の選び方が格段に変わります。
2. どんな目的か?(意図の明示)
例:
「この文は、イベントの趣旨を説明する案内文として使います」
「申請書の『活動目的』の欄に書きたいです」
AIに“なぜこの回答が必要か”を伝えることで、余計なズレが減ります。
3. 出力の形式は?(型の提示)
例:
「300字以内で要約してください」
「見出しと本文に分けてください」
「表形式で提案してください」
AIは自由形式より、型がある方が得意です。5W1Hなどのフレームワークを活用すると回答の品質がグッとあがります。
よくあるNGパターンとその改善例
NGなプロンプト | 改善プロンプト |
---|---|
「これについてまとめて」 | 「以下の箇条書きを300字以内で、大学生向けに要約してください」 |
「SNS投稿文を考えて」 | 「Facebook投稿用に、親しみやすい告知文を150字以内で3案ください」 |
「案内文を作って」 | 「高齢者向けのイベント案内文を、やさしい日本語で作ってください」 |
📌 ワンポイント:**「だれに」「なにを」「どんな形式で」**をセットで伝えると、グッと精度が上がります。
実際に使っているプロンプト例
私自身、以下のようなプロンプトを日常的に使っています。
ChatGPTにSNS投稿文を依頼する時
以下のイベント概要をもとに、Facebook投稿用の告知文を150字以内で3案作ってください。
読み手は地域の子育て世代を想定しています。
Geminiに会議の要点整理を依頼する時
この会議の要点を300字以内で5項目にまとめてください。
読み手は、会議に参加していないプロジェクト関係者です。
テンプレート化しておくことで、再利用もラクになります。
まとめ:AIは“問い”に忠実。だからこそ“問い”を育てる
AIは、曖昧な指示にも律儀に応えようとしてくる存在です。
だからこそ、こちらの“問い”を磨くことが大事になります。
「どんなふうに伝えれば、自分の意図が伝わるか?」を考えることは、
AI活用だけでなく、人とのコミュニケーションにも通じるスキルです。
まずは今日の業務の中で、一つだけでも“丁寧な問い”を試してみてください。