
ギャップから始めるカルチャーオンボーディング
とーかみです。
転職などで環境が変わるとき、オンボーディングは欠かせません。
入社、異動したらすぐに戦力として活躍できるわけではないためです。
オンボーディングを通して、新しい環境で成果を出せる状態まで持っていく必要があり、そのために事前設計が必要です。
この記事は、新メンバーを受け入れる側(マネージャー/メンター/既存メンバー)向けにカルチャーのオンボーディングについて説明した記事です。
カルチャーのオンボーディングの目的は、適合度チェックではなく、期待値の翻訳です
カルチャー以外にも、オンボーディングの内容は、ツール、ルール、仕事の進め方(マニュアル)、組織・チーム、人的ネットワークなどが挙げられます。
なぜカルチャーのオンボーディングが必要なのか
企業ごとにカルチャーは異なり、似ていても細部はズレやすいからです。
グループ企業でも異なりますし、同じ企業の別の部署やチームでも異なります。
さらにそれらは、一方が他方の上位互換であることはありません。
カルチャーのオンボーディングを行わないと以下のようなリスクがあります。
- これまでのカルチャーをもとに行動した結果、衝突やすれ違いが起こり、関係性が悪化する
- 上記を恐れるあまり、萎縮し、不安で行動が制限される
衝突やすれ違いは、簡単に言えば期待値とのギャップです。
これは行動が過剰(やり過ぎ)な場合もあるし不足(やらなさすぎ)な場合もあります。
例えば、よかれと思ってやった善意の行動が、「余分な/不適切な行動」と捉えられてしまうようなことです。
このようなリスクを可能な限り予防するため、既存メンバーにとっての「普通」「ベースとなる期待値」を伝える活動としてカルチャーのオンボーディングが必要です。
何を伝えればいいのか
カルチャーのオンボーディングで伝えるべきことは多種多様です。
細かいものとしては、用語の定義があります。
(部署の略称や提供しているサービスも含まれます)
他にも以下のようなものが考えられます。
- 判断の基準
- 裁量の範囲
- 「オンボーディング期間はここまで」「今のグレードではここまで」のような段階があることもあると思います
- ビジネスモデル
- 価値観
- ミッション
- ビジョン
- バリュー、提供している価値
- 習慣
- 特に直近新たにやるようになったものは見落とされがちです
- 得意なこと(苦手なこと)
- お隣さん(関係性の近い部署、グループ企業)、役割分担、守備範囲
どう伝えればいいのか
まず、現状とどれくらいギャップがあるのかを認識しましょう。
本人だけでなく受け入れ側でもギャップを認識する必要があるため、ワークショップのような形で実施するのもいいでしょう。
新しい環境のカルチャーについて、すべてを座学で伝えることは難しいです。
これは、受け入れ側も認識しているカルチャーが完全に一致しているわけではないことと、言語化が難しい領域があるためでもあります。
まず、大きな価値観から伝えて、具体的な行動に落とし込んでいきましょう。
最終的には OJT (On the Job Training) で調整していくことになります。
審査ではない
オンボーディングは、カルチャーに馴染んでいけるようにサポートする活動です。
『適合度チェック』にならないよう、対話とすり合わせを中心に進めるのがおすすめです。
これまでのカルチャーは、これまでの環境に適合していたものであり、ギャップがあるのは環境が違うからです。
チームで取り組む
カルチャーのオンボーディングは、ひとりではなくチームで取り組みましょう。
可能であれば、チーム外のメンバーも巻き込んでみましょう。
理由は、カルチャーのギャップがあることをチームとしても認識する必要があることと、多くの人と対話することで「カルチャーの幅」を認識することができるためです。
(このプロセスで、人的ネットワークの形成にもつながります)
時間(期間)がかかることもある
行動は、これまでのカルチャーや知識に基づいて行われるため、移行には時間がかかります。
過去のカルチャーからの移行が難しいのは、「ワークフローツールが A から B に変わる」のように対応付けがしづらいことと、部分的にでも「忘れる」「捨てる」「やめる」ことが必要なためです。
「忘れる」「捨てる」「やめる」とは、過去の価値観や考え方をアンラーニングするということです。
無意識な習慣になっているものほど、気づいて手放すことは難しくなります。
完全に排除するのがもったいないケースもあるので、いいとこ取りできるといいですね。
どれくらい残すのかが難しいので、いったん手放してから拾い直すイメージで取り組むといいでしょう。
さらに、ギャップを認識したとしても、アンラーニングしながら移行していくには負担がかかります。
習慣に関わることでもあるため、ギャップが大きいと、極端な例ですが「利き手を変える」ような負担になる場合もあります。
ギャップが大きい場合は、オンボーディングにかける時間(量)だけでなくだけでなく、期間も長く取る必要があります。
「一度で」「急に」変えることが難しいものもあるためです。
特定のオンボーディング期間だけでなく、日々、周囲と関わりながら過ごしていく中でカルチャーをすり合わせ(確認)し合えるようにできると理想的だと思います。
まとめ
カルチャーのオンボーディングについて、内容とやり方について記述してみました。
「同じようなことをやっているのに、カルチャーが全然違う」ということもあり得るため、ギャップの大きさを確認しながら、必要に応じて時間をかけていきましょう。
カルチャーは、会社だけでなく、部署、チームによっても異なり、小さい粒度の価値観は戦略や方針、環境によって変化することも考えられます。
「今はこうだけど前はこうだった」という情報も知っておくと効果的なシーンもあるため、チームメンバーのような身近な人と話してみるのもオンボーディングになると思います。
1 on 1 も効果的ですが、時にはチーム全体で話してみると、他のメンバーが知る機会になったり新たな発見があると思います。






