有限の経験機会を得るために必要なこと

2022.04.01

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こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
従業員体験において、成長は一大要素です。成長には段階があります。例えば
  1. 知る
  2. わかる
  3. 意識してできる
  4. 直感でできる
などです。
多くの場合、 3 の段階にいくためにはまず経験してできるようになるまでの 1〜N 回の経験機会が必要です。
次に、できるようになったことについて意識を割かなくても直感的にできる 4 の状態になるまで (N+1)〜M 回の経験機会で習慣化する必要があります。
つまり、仕事における成長のためには何かを経験する機会=経験機会が重要になります。そこでこの記事では経験機会についてまとめます。

経験機会は有限

会社、部門、チーム。それぞれの場に存在する経験機会は有限です。
例えばチームの経験機会について考えた場合、
  • A 難易度の高いアーキテクチャの設計
  • B 新しいマイクロサービスの技術選定
  • C 既存の枠組みの中でのありきたりな機能追加
  • D 定期的に行う定型作業
が直近のタスクとしてあったなら、それぞれが経験機会になります。
例えば, A, B が未経験で C, D はすでに経験済みの人の場合 A, B を経験できると成長につながりますし、 C, D の場合は成長につながりません。
「炎上現場で人は成長する」という話がたまにありますが、ただ単に泥臭く頑張ったからではなく、経験機会が大量に増えやすいからだと思います。本来なら経験できない業務が人手不足によって自分の手元に回ってきやすい、ということです。当然もともとできることを大量にやったところで成長にはつながらないため、炎上が成長につながるかどうかは何を担当するか次第です。なお、心身へのリスクがある炎上は好ましいもとではないので無いほうが好ましいと考えています。

経験機会の提供有無

マネージャーが経験機会を用意する場合

マネージャーがメンバーのできること、できないことを把握し、次の経験機会を気にかけつつ業務アサインをしてくれる場合、メンバー本人は特別経験機会の創出に対して意識を割かなくても成長できます。場合によってはマネージャーが提供している経験機会によってみるみる新しい事を身に着けている認識すらないかもしれません。
この場合、さらによりよい経験機会を得るためには、自分の少し先の目標や強化したい場所を整理し、マネージャーに常日頃伝えておくと自分が欲しい内容を考慮した機会を提供してもらえる可能性が高まります。その意味では、機会が提供されるとはいえ、自分の成長については自分でも考えておくのが好ましいです。

マネージャーが経験機会を用意しない場合

マネージャーの方針、習熟度、忙しさによって経験機会が用意されない場合もあります。
常に周囲が理想的な前提ばかりとは限りません。この場合に備えて個人の生存戦略としては自分で機会を掴みにいく行動が必要になります。

経験機会を得る方法

経験機会が自然に提供されない場合、どのように獲得するか考えておく必要があります。まず、前提整理が必要です。
  • 自分がもともとできることはなにか?
  • 最近自分がしていた仕事の中に今までできなかった新たな知識・スキルが得られるものがが混ざっていたか?
  • 今、目の前にある経験機会となるタスク群の中に自分にとっての成長につながる機会はあるか?
これらを判別できる必要があります。自分ひとりで判別が難しければ誰かに壁打ちをしてもらうとよいでしょう。
前提が整ったら、機会を獲得にいくための行動をします。チーム内のタスク分配のルール次第で選択肢は変わります。
Pull 式なら自ら成長につながるタスクを担当しにいきます。逆にマネージャー・リーダーによってアサインされるのなら、マネージャー・リーダーに任意のタスクを担当したいという意思表明をする必要があります。
この際、基本的にやったことが無いことを担当することになるためには「この人になら、未経験のタスクを任せても大丈夫」と思ってもらえる必要があります。それは過去の業務を通した信頼の積み重ね、未経験だが自学で知識やサンプルでの経験は積んでいることなどによる信頼度の強化などによるものでしょう。また、未経験のものを任せても大丈夫だった、ということ自体が次回に任せる上での安心材料になります。また、不安が残る場合は経験者とのペアワークの機会をもらうのも手です。

経験機会の枯渇に気づくこと

獲得しようにも経験機会がない場合もあるかもしれません。この場合は2つの手段があります。

視野を広げる

1つ目は少しずつ視野を広げることです。
例えば、チームに経験機会がなければ、部門内、部門内に経験機会がなければ全社を見渡して新たな経験が得られるかどうか探します。この範囲でなんとかなるなら社内異動やタスクフォースや横断プロジェクトへの参加で経験を得ることができます。仮に社内のどこを見渡しても経験機会がないのであれば、副業・転職などが解決手段になるでしょう。

経験機会を創出すること

2つ目は自分で経験機会を作ることです。
例えば新規事業づくりや新しい役割づくりについて前向きな会社であれば、自ら自分の機会を得る場を提案し、獲得することもできます。提案には説得力が必要となるため、プレゼンが上手い人に相談するとよいでしょう。

矛盾も含む経験機会獲得への道

経験機会の獲得は仕事の成果というよりは個人の成長を重視した選択です。もちろん長期的にはその会社の未来の成果をより大きくできるという意味で仕事の成果にもつながります。一方で、目の前の仕事の成果が重視されるタイミングで自己の成長機会ばかりを優先していると逆に信頼をすり減らしていくことになります。信頼がすり減るとその先の経験機会が得にくくなるという矛盾が生じます。そのため、成長につながる経験機会がゼロにならないよう貪欲になりつつも、目の前の業務の成果によって価値を生むこと、そして信頼を蓄えることのバランスが重要になります。場合によっては、後身を育成することで自分がすでにできることを後身に渡し、自分が新たに挑戦する対象に移動しやすくする、という方法もあるでしょう。

場合によっては成長機会を得つつ成果も出していけることもあるとは思いますが状況次第です。

まとめ

経験機会についてまとめました。
経験機会を得るための細かな動きをしなくても経験機会が巡ってきいやすいケースもあります。際立った強みをもち、その領域に関して組織内でトップクラスであり、その事実を多くの人が知っている場合です。ほっておいてもその領域に関する大小様々な相談や機会が頻繁に訪れるでしょう。