組織課題の解決シリーズ – 繰り返し頻度を加味する
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
組織に関わる定番の問題、その解決策をまとめる組織課題の解決シリーズです。
- 前提知識 - このお題を説明する上で必要な前提知識
- 組織の臭い - 解決が必要な対象の症状、問題点
- プログラムにおける「コードの臭い」を想定しているものです
- 組織課題の解決テクニック / 臭いの解決方法
の構成でまとめます。
今回のお題は「繰り返し度合いを加味する」です。
前提知識
特になし。
組織の臭い - 繰り返し頻度を加味しない
業務には大きく分けると単発・繰り返しがあります。
- 単発 - 同じ業務が繰り返されることはない
- 繰り返し - 同じ業務が定期、不定期問わず2回以上繰り返す
さらに、繰り返しには頻度があります。定期的なものだと
- 年次
- 半期
- 四半期
- 毎月
- 隔週
- 毎週
- 毎日
などがあり、不定期なものだと
- 面談、面接等の実施
- 障害の発生
など、繰り返し発生するが時期が決まっているわけではないものもあります。
何かを改善した効果を見積もる場合も、何かを改善するための労力を見積もる場合も、1回あたりの効果だけではなく繰り返し頻度が影響します。
これを加味しないと
- 半期に1回しか実施しない業務の効率化のために利用中の SaaS を変更する
- 毎日実行する業務の効率化ができるが、その繰り返し頻度を加味せずに検討した結果、改善をしない意思決定をしてしまう
というもったいない判断に至ります。
臭いとしては「意思決定の際に、その業務の頻度に関わる検討がない」という状態になります。
リターンの判断例 - 採用における選考プロセスの改善
採用活動は
- 認知
- 興味
- カジュアル面談
- 応募
- 選考
- オファー面談
- 内定受諾
のプロセスを推移します。
この際に、通り道となる各要素の質を上げることは、そこを通るすべての候補者さんの体験を底上げすることにつながります。そのため、本来は影響の頻度を加味すると取り組むリターンが大きくなりやすいと言えます。認知の質を上げる、求人票の質を上げる、選考の質を上げる、オファーの質を上げる、などです。また、それを行うための起点となる面談・選考アンケートや採用活動に関する定期的なふりかえりが鍵になります。
一方で、手間を惜しんでプロセスの改善をしない意思決定をした場合、そのリターンを得るチャンスを失うことになります。
コストの判断例 - 改善施策を乱発
例えば、部門の問題を解決するための施策をガンガン実施したとします。
ただ、その解決策には継続運用が必要となる解決策も含まれていため、それらの運用コストが積み重なっていき、主要業務を遂行する時間を逼迫していく、ということがありえるでしょう。
ちょっとした業務課題を解決するために都度自社独自ツールを作成した場合、そのツールの運用がつきまとうようなケースです。
組織課題の解決テクニック
繰り返し度合いを加味することで、リスク・リターンの両面からよりよい判断をしやすくなります。
なにかのリスク、リターンを検討する際に、それぞれに対して以下を検討します。
- 単発か?
- 繰り返しか?
- 繰り返す場合、頻度は?
1回あたりのインパクトに頻度をかけ合わせることで長期インパクトを見積もることで繰り返しを加味したリスク・リターンを検討することができます。