【Org-mode】Org文書内で AWS CLIを実行する #Emacs
はじめに
Org-mode は Emacs のメジャーモードの 1つです。
Org-mode は、ノートの保存、TODOリストの管理、プロジェクト計画、文書編集のためのモードです。 高速で効率的なプレーンテキストのシステムを使ってファイルを編集します。
アウトライナーとしての利用はもちろん、TODOタスク管理ツールとしても使えます。 表計算や 別形式へのエクスポート (Markdown, HTML, PDF) なども可能です。 また、Org文書内で シェルや Pythonといったプログラムの実行も可能です。 プログラムとドキュメントを 1つの Org文書に記述する 文芸的プログラミング にも対応しています。
そんな 何でもできる Org-mode ですが、 今回は コード実行機能(Org Babel)を使って Org文書内で AWS CLIを実行してみます。
実行環境
- OS: macOS Mojave, version 10.14.5
- Emacs: version 26.2
- Org-mode: version 9.1.9
要約
1 AWS CLIをインストールします。
2 exec-path-from-shell を使って シェルのPATHを Emacsに引き継ぎます
3 Emacs の init.el
に下記追加します
;;;; exec-path-from-shell (when (memq window-system '(mac ns x)) (exec-path-from-shell-initialize)) ;;;; org-babel ;; コード実行時に confirm しない (setq org-confirm-babel-evaluate nil) ;; 実行できる言語を指定 (org-babel-do-load-languages 'org-babel-load-languages '( (shell . t) ) )
4 AWS CLIが実行できます
前準備
AWS CLI
AWS CLIを こちら からインストールします。AWS CLI の初期設定手順は省略します。
Emacs: AWS CLI パス設定
aws
コマンドを認識させるために Emacsの PATH設定を行います。
exec-path-from-shell を使って シェルのPATHを Emacsに引き継ぎます。
Installation どおりに exec-path-from-shell
インストールを行います。
Installable packages are available via MELPA: do
M-x package-install RET exec-path-from-shell RET
.
インストール後、 init.el
に下記設定を記載します。
(when (memq window-system '(mac ns x)) (exec-path-from-shell-initialize))
Emacs: org-babel 設定
以下のように init.el
に設定します。
;; コード実行時に confirm しない (setq org-confirm-babel-evaluate nil) ;; 実行できる言語を指定 (org-babel-do-load-languages 'org-babel-load-languages '( (shell . t) ) )
AWS CLI実行
▼bashコマンドを実行してみます
コードブロック内( #+BEGIN_SRC ... #+END_SRC
)で C-c C-c ( org-babel-execute-src-block
) を実行します。
記述したコードが評価され、結果が #+RESULTS
直下に表示されます。
#+BEGIN_SRC sh ls #+END_SRC #+RESULTS[789f649c27406e24e1fb6689fcf186a331f138b6]: : img : index.html : init.el : run-awscli.org
▼ aws
コマンドのパスが通っているか確認します
#+BEGIN_SRC sh aws --version #+END_SRC #+RESULTS[94050750f89caff84a83600af87f81985908ce7e]: : aws-cli/1.16.173 Python/3.7.3 Darwin/18.7.0 botocore/1.12.163
▼ aws
コマンドを実行してみます
aws s3 ls
でバケット一覧を表示してみます。
#+BEGIN_SRC sh :exports both aws s3 ls #+END_SRC #+RESULTS[5681767c5c45395a7ae378fac0a022d23ad41199]: : 2019-08-05 16:36:39 aws-athena-query-results-xxxxx-ap-northeast-1 : 2019-07-08 18:43:57 cf-templates-xxxxx-ap-northeast-1 : 2019-05-20 10:04:01 cm-members-xxxxx
※MFA設定への対応
MFAを設定している場合は少々プロセスが煩雑になります。
以下、 MFA設定有り
かつ スイッチロール有り
のケースの対応です。
- 設定ファイルの編集
~/.aws/config
ファイルを以下のように記述します。[profile mfa] output = json region = ap-northeast-1 credential_process = cat /Users/kawahara.masahiro/.aws/tmp_cred.json
最後の行は
credential_process = cat (tmp_cred.jsonへの絶対パス)
とします。 認証情報「tmpcred.json」 を以降で生成します。 -
認証情報の取得
aws sts assume-role
で一時的な認証情報を取得します。 以下スクリプトを実行します。MFA='240030' MFA_ARN='arn:aws:iam::xxxxx:mfa/cm-kawahara.masahiro' ROLE_ARN='arn:aws:iam::yyyyy:role/cm-kawahara.masahiro' aws --output json \ sts assume-role \ --role-arn "$ROLE_ARN" \ --role-session-name ar-cred-proc \ --serial-number "$MFA_ARN" \ --token-code $MFA \ | jq ".Credentials + {Version: 1}" > ~/.aws/tmp_cred.json
今回は Org buffer 上で shellを実行してみます。 下記の
:var MFA=xxxxxx
部分に MFAの認証コードを記入して実行(C-c C-c )します。(確認) tmpcred.json を表示します。
-
aws コマンド実行
以降、 "Expiration" に記載されている時刻まで AWSコマンドを実行できます。
さいごに
今回使用したOrgファイル他を下記に置いています。
▼Orgファイルの HTML export