環境は人のモチベーションや能力に影響を与える。ピア効果とは?

2023.04.03

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こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
会社で働く場合、上司・部下・同僚など他者と働くことになります。
環境としての他者は自分のモチベーションや能力に影響を与えます。
今回は、環境が個人に与える影響に関する概念であるピア効果についてまとめます。

ピア効果とは?

ピア効果とは、ある集団において、意識の高さや能力の高さなど、いい意味でも悪い意味でも周囲の影響が及ぶ効果のことです。
その影響を大きく分けると、
  • モチベーション
  • 学習効果(知識、スキルの習得)
の両面があります。

正のピア効果

ピア効果にプラスの影響があった場合、これを正のピア効果と呼びます。
例えば以下のようなケースがあります。
  • モチベーション - レベルの高い同僚に刺激され、意欲が高まる
  • モチベーション - 好ましい振る舞いの同僚をみて見習う
  • 学習効果(知識、スキルの習得) - レベルの高い同僚を観察したり、質問をすることで知識・スキルを吸収する

正のピア効果を強化する方法

コミュニケーション機会の創出

良い刺激を受けるためにはそもそも交流が必要です。
刺激を受ける、与える相手とのやりとりの場が業務に織り込まれている必要があります。
昨今のリモートワーク環境だと、場合によっては終日一人で粛々とタスクをこなすだけ、ということにもなりかねません。
一見、非効率に見えてもメンバー同士が交流し、刺激を与え合う機会は一定量必要です。

レベルの近い同僚が近くにいる状態を作る

ピア効果において、少し上のレベルの相手がいる状態が効果が高いとされています。
相手のレベルが高すぎると、自信喪失や諦めにつながりやすいためです。
もちろん、格段にレベルが高い相手をみても意欲を減らさず、いい部分を吸収する人もいるでしょうから、個人差はあるでしょう。

貢献の可視化

お互いの貢献機会が可視化されていると、「私もがんばるぞい」という刺激を受けやすくなります。
以前まとめた成果の可視化は、この効果がありそうです。

採用判断

好影響を与えるようなマインドの持ち主であったり、どこかは既存のメンバーよりも優れたところを持つ人を採用することは、正のピア効果を強化する上で重要になります。
人は成長可能であるものの、特にマインド面の変容には時間がかかります。
よくある「自分より優秀な人間を採用する」という方針はピア効果の側面からも理にかなっています。
なお、補足するのであれば、オールマイティーに自分より全てが優れた人である必要はなく、自分と異なる強みを持つ人であれば問題ありません

負のピア効果

ピア効果にマイナスの影響があった場合、これを負のピア効果と呼びます。
例えば以下のようなケースがあります。
  • モチベーション - レベルの高すぎる同僚をみて、意欲を失ってしまう
  • モチベーション - 好ましくない振る舞いの同僚をみて、模倣してしまう
  • 学習効果(知識、スキルの習得) - 特になし
学習効果に関しては、他者の影響で現状の知識・スキルを失うわけではないので低下することはないでしょう。
一方で、吸収すべきいいところを持つ同僚がいなければ、相対的には学習効果が低いと言えそうです。

負のピア効果を強化してしまう行動

ネガティブな言動

否定的な言動で、同僚の意欲を削ぐことは負のピア効果をもたらします。
例えば
  • 挑戦を躊躇させる
  • 挑戦からの失敗を非難する
  • 努力を馬鹿にする
  • 無知を馬鹿にする
などがありえます。

マウントを取る

マウントを取ることで相手の自信を奪ってしまうような行為は負のピア効果をもたらします。

サボり方の見本になる

手を抜く、他者の手柄を奪うなど良くない見本が広がれば負のピア効果をもたらします。
プログラマーの3大美徳で言うところの怠惰のような工夫の意味での「サボり」ならばむしろ良い影響になる

まとめ

環境が個人に与える影響に関する概念であるピア効果についてまとめました。
ある環境が正のピア効果になるのか、負のピア効果になるのか?
その度合は大きいのか、小さいのか?
これらは各個人の性質に依存しそうです。
  • 自分よりレベルの高い人に刺激を受けながら、見本を観察しながら上を目指すのが好きなタイプの人
  • 自分が一番上の状態で、みんなのために力になるのが好きなタイプの人
ただ、一般的には刺激を得られるような同僚に囲まれた方が高いパフォーマンスにつながり、上記で上げたような正のピア効果が発揮されると考えることができます。
私自身も同僚に影響を与える環境の一部として、正のピア効果を与える存在でありたいものです。

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