Perplexityの公式MCPサーバがリリースされてたので試してみた

Perplexityの公式MCPサーバがリリースされてたので試してみた

Clock Icon2025.04.12

AI検索エンジンであるPerplexirtyのAPI(Sonar API)のドキュメントをチェックしていたところ、公式MCPサーバの記事を見つけました。

https://docs.perplexity.ai/guides/mcp-server

Githubのリポジトリはこちらです。

https://github.com/ppl-ai/modelcontextprotocol/tree/main

ということで、Claude Desktopに連携させて試してみました。
また、MCPサーバで提供するツールによって複数のPerplexityのモデルを利用できるので、それぞれで出力を試した結果も掲載します。モデルごとの出力の差に興味がある方もぜひご参考にしてください。

どんなことができるのか

Perplexityが提供するAPIである"Sonar API"を用いて、プロンプトで渡した情報について調べた結果を返してくれます。
Sonar APIでは利用できるモデルがいくつかありますが、この公式MCPサーバではツールによってモデルを切り替えることができるようになってます。

具体的には、2025年4月時点では以下のツールが定義されてます:

  • perplexity_ask : モデルはsonar-proを利用。複雑な推論が必要ない、シンプルな確認向け。
  • perplexity_reason : モデルはsonar-reasoning-proを利用。複雑なタスクの処理や推論が必要な場合向け。
  • perplexity_research : モデルはsonar-deep-researchを利用。徹底的な検索を行い、詳細なレポートが必要な場合向け。

モデルの詳細は公式ドキュメントを確認してください。

https://docs.perplexity.ai/guides/model-cards

注意点としては、APIを利用するのでPerplexity側の費用が発生するというところです。
良いモデルを使うとそれだけ費用がかさむので使いすぎにはくれぐれも気をつけましょう。価格の情報は公式ドキュメントの下記記事に記載されています。

https://docs.perplexity.ai/guides/pricing

セットアップ

ここからはClaudeで利用できるように設定する流れを説明します。

必要な準備: Sonar APIキーの発行

上述のように、回答を得るためにSonar APIを利用するため、まずはPerplexityのサイトでAPIキーを発行する必要があります。登録・発行の手順は公式ドキュメントのQuick Startを参照してください。
https://docs.perplexity.ai/guides/getting-started

ざっくり紹介すると、Perpelxityのサイトでアカウント登録した後、アカウントの[API設定のページ](https://www.perplexity.ai/account/api)でクレジットカード情報を登録、その後APIをキーを発行、という流れになります。
プリペイド方式で、事前にクレジットカードでチャージを行い、そこからAPIの利用料金が差し引かれる、という形になるようです。

リポジトリのクローンとDockerコンテナのビルド(Docker使用時)

次にMCPサーバのプログラムを公式のリポジトリからクローンします。

git clone https://github.com/ppl-ai/modelcontextprotocol.git

このMCPサーバはDockerかnpxで呼び出します。Dockerを利用する場合は、まずはコンテナのビルドを行います。

# modelcontextprotocolディレクトリで実行
docker build -t mcp/perplexity-ask:latest -f perplexity-ask/Dockerfile .

補足しておくと、これは公式のREADMEの例とはちょっと違います(2025年4月11日現在)。公式のREADMEではビルド時のコマンドは perplexity-askディレクトリで実行する前提でdocker build -t mcp/perplexity-ask:latest -f Dockerfile . と書いてあるのですが、これだとビルド時にパスの問題でエラーが出てしまいました。

 => ERROR [builder 2/4] COPY perplexity-ask /app                        0.0s
------
 > [builder 2/4] COPY perplexity-ask /app:
------
Dockerfile:3
--------------------
   1 |     FROM node:22.12-alpine AS builder
   2 |
   3 | >>> COPY perplexity-ask /app
   4 |
   5 |     WORKDIR /app

いずれ修正されると思いますが、その上のmodelcontextprotocolディレクトリからビルドを実行するとこのエラーは出なかったので、この記事ではとりあえずの対応としてそちらの手順を紹介してます。

Claude側設定

Claude側では設定ファイルclaude_desktop_config.jsonに以下を記述します(Docker利用時)。YOUR_API_KEY_HEREの箇所に、取得したSonar APIキーの情報を入れてください。

{
  "mcpServers": {
    "perplexity-ask": {
      "command": "docker",
      "args": [
        "run",
        "-i",
        "--rm",
        "-e",
        "PERPLEXITY_API_KEY",
        "mcp/perplexity-ask"
      ],
      "env": {
        "PERPLEXITY_API_KEY": "YOUR_API_KEY_HERE"
      }
    }
  }
}

Claudeを起動し、MCPツールを確認します。うまく動いていれば、冒頭に紹介した3つのツール(perplexity_ask ,perplexity_reason, perplexity_research)がリストに追加されているはずです。

perplexity_mcp_tool

実際に使ってみる

では実際に使ってみましょう!
ツールによってモデルが異なり、出力結果も変わると思うので、それぞれ試してみたいと思います。

プロンプトは以下を設定してみました。

<ツール名>を使って、クラスメソッド株式会社の概要を教えてください。参考にした文献数も教えてください。

ツール名にはPerpelexityが提供するMCPツール、すなわちperplexity_ask, perplexity_reason,perplexity_researchが入ります。
最後に文献数の提示の指示を入れているのは、何も入れないとPerpelexityの特徴でもある参考文献の提示が最終的な出力から省かれたからです。かといって全参考文献のリストを表示させても長くなるので、とりあえず参考にした数だけ出してもらうようにしました。

ではそれぞれのツールでの出力結果を見ていきます。

perplexity_ask

まずはsonar-proをモデルに利用するperplexity_askです。シンプルな調査に向いているということで、結果もそつなくシンプルなものになりました。参考にした情報源は8件とのこと。

出力結果:

perplexity_askを使ってクラスメソッド株式会社の概要を調査します。

# クラスメソッド株式会社の概要

クラスメソッド株式会社は、クラウド技術やデジタル変革を支援する日本のIT企業です。以下、調査結果をまとめます。

## 基本情報

- *設立*: 2004年7月7日
- *代表者*: 横田聡(代表取締役)
- *資本金*: 1億円
- *従業員数*: 約780名(2024年7月時点、グループ全体)
- *本社*: 東京都港区西新橋(日比谷フォートタワー26階)
- *拠点*: 国内7拠点(東京、札幌、上越、大阪、岡山、福岡、那覇) 海外6拠点(ドイツ、カナダ、インド、タイ、韓国、ベトナム)

## 事業内容
- *クラウド技術支援*: AWSを中心とした設計・構築・運用・セキュリティ強化
- *データ分析基盤*: データ集約・可視化・分析・機械学習導入支援
- *アプリケーション開発*: LINEミニアプリやモバイルアプリの開発
- *SaaS・Webサービス導入支援*: 各種ソリューションの提案・運用
- *無人店舗技術*: 「DevelopersIO CAFE」の運営
- *IT人材育成*: トレーニングやオンサイトコーチング

## 特徴
1. AWS技術力: 最上位「プレミアティアサービスパートナー」に8年連続認定
2. 導入実績: 国内外4,000社以上のAWS導入実績
3. 技術発信: 技術ブログ「DevelopersIO」運営(累計4万本以上の記事公開)
4. 働きやすさ: リモートワーク対応、育休取得率100%など

## 受賞歴
- AWSサービスパートナー・オブ・ザ・イヤー: 国内表彰あり
- ベストモチベーションカンパニーアワード2021: 社員の働きがいを評価

クラスメソッド株式会社は「オープンな発想と高い技術力で、すべての人々の創造活動に貢献し続ける」という経営理念のもと、クラウドやデジタル技術を活用したビジネス支援に特化した企業です。

本回答は8つの情報源を参考に作成しました。

perplexity_reason

推論モデルであるsonar-reasoning-proを利用したツール。情報源の数が10と増えてました。
「事業領域」「技術的強み」「組織文化」「人事戦略」「最近の動向」など、ビジネス分析にも使いやすそうな項目で情報が整理されている点が目を惹きますね。

出力結果:

クラスメソッド株式会社についてより詳細な情報を調査するために、perplexity_reasonを使用します。

# クラスメソッド株式会社の詳細概要

クラスメソッド株式会社は、AWSを中心としたクラウド技術支援で国内トップクラスの実績を持つITコンサルティング企業です。2004年の設立以降、持続的な成長を続け、2024年度には売上高771億円を達成しています。その技術力と柔軟な組織文化を強みとして、国内外で幅広く活躍しています。

## 基本情報
- **設立**: 2004年7月7日
- **資本金**: 1億円
- **従業員数**: グループ全体780名(2024年7月現在)
- **本社**: 東京都港区西新橋(日比谷フォートタワー26階)
- **代表者**: 横田聡(代表取締役)

## 事業領域
### 主力事業
1. **AWS総合支援**  
   コンサルティングから運用まで一貫支援。2014年から8年連続でAWSプレミアコンサルティングパートナー認定
2. **デジタル変革支援**  
   LINEミニアプリ生成サービス「CX ORDER」やEC/CRM基盤構築
3. **データ分析基盤**  
   Alteryx/Tableau導入支援とビッグデータ活用
4. **新技術実証**  
   無人店舗「DevelopersIO CAFE」や機械学習活用事例

### 特徴的な取り組み
- 技術ブログ「DevelopersIO」と技術情報プラットフォーム「Zenn」の運営
- AWS認定資格保有者2,000名以上
- グローバル6カ国に拠点展開(ドイツ/カナダ/インド等)

## 技術的強み
| 領域 | 実績 |
|------|------|
| AWS | ・2022年AWSグローバルアワード受賞 ・2300社以上の導入実績 |
| セキュリティ | 世界標準のガイドライン策定支援 |
| コスト管理 | 継続的なクラウドコスト最適化提案 |
| イノベーション | 生成AI活用コンサルティング開始 |

## 組織文化
### 働き方特徴
- 月平均労働時間170時間未満
- 全社員在宅勤務可能(チーム調整済み)
- 育休取得率100%

### 人事戦略
- 平均年齢37.5歳
- 透明性重視:四半期ごとの全社財務データ公開
- 東京都ワークライフバランス表彰受賞(2023年)

## 最近の動向
- **2023年4月**: 本社を日比谷フォートタワーに移転
- **2024年度**: 売上高771億円/営業利益64億円
- **新事業**: ECプラットフォーム「CSアナリティクス」の本格展開

調査には10件の情報源を参照し、各項目について最低2つの情報源でクロスチェックを行いました。

perplexity_research

PerplexityのDeep Researchモデルであるsonar-deep-researchを利用したツール。ただ、例として使ったプロンプトでは、Sonar APIからの結果を受け取ったClaude側でかなり情報をはしょってしまっているようでした。それでも、レポートとしての体裁がかなり整っていることが分かると思います。参考にした情報源も14件と最多でした。

実際に返ってきたレスポンス(Claude側で参考情報として確認可能です)を見ると、「持続的成長を支える財務基盤」「競合優位性の源泉分析」「未来展望と戦略的課題」など、かなり詳細なレポートが返ってきていました。比較の都合上同じプロンプトで試しましたが、perplexity_researchを利用する際には、返ってくる詳細の情報をきちんと反映するようプロンプトの調整をしないと勿体ないですね。

出力結果:

クラスメソッド株式会社について調査します。Perplexityを使って詳細な情報を集めましょう。

# クラスメソッド株式会社の概要

クラスメソッド株式会社は、AWSを中心としたクラウド技術に特化したシステムコンサルティングと開発を行う技術企業です。2004年に横田聡氏によって創業され、現在は日本有数のAWSプレミアティアサービスパートナーとして確固たる地位を築いています。

## 基本情報
- **創業**: 2004年7月7日
- **創業者**: 横田聡氏
- **本社所在地**: 東京都日比谷
- **従業員数**: 約780名(2024年7月時点)
- **売上高**: 771億円(2024年度)
- **資本金**: 創業時300万円(現在は非公開)

## 主な事業内容
1. **AWSクラウドコンサルティング**
   - 700社2,500アカウント以上の導入実績
   - サーバーレスアーキテクチャ設計から大規模データ分析基盤構築まで対応

2. **モバイルアプリ開発**
   - スターバックスコーヒージャパン向けモバイルオーダーシステムなどの実績
   - LINEミニアプリやIoT連携システムの構築

3. **データ分析・AI技術**
   - SnowflakeとTableauを活用したリアルタイムダッシュボード構築
   - 生成AI技術を活用した業務自動化ソリューション開発

## 特徴
1. **技術ブログ「DevelopersIO」の運営**
   - 月間180万PVを超える技術情報プラットフォーム
   - エンジニア向け情報発信によるブランド構築

2. **リモートワークを前提とした働き方**
   - 従業員の97%がリモートワークを常用
   - コアタイムなしの完全フレックス制度を導入

3. **技術者育成の取り組み**
   - 新人エンジニア向け3ヶ月集中研修プログラム
   - AWS認定資格取得の推進(資格保持者が従業員の43%)

4. **持続的な成長**
   - 過去5年間の平均売上高成長率は39.2%
   - リピート受注率83%(2024年度)

## 最近の展開
- 2023年にシンガポール支社を開設し、東南アジア市場への進出基盤を強化
- 2021年には開発者向けプラットフォーム「Zenn」を買収
- 生成AI活用ソリューションの提供を本格化

クラスメソッド株式会社は、創業から20年を経て、クラウド技術を中核としながら技術革新と人的資本への投資によって持続的成長を実現してきました。柔軟な働き方と技術的卓越性を両立させる組織文化が特徴で、今後は生成AI技術の実用化とグローバル展開を戦略的に進めていくことが期待されています。

参考文献数: 14件

おわりに

ということで、Perplexityの公式MCPサーバのご紹介でした。モデルによってどれくらい詳細に調べるかを使い分けられるので、さまざまな調査に対応しやすいかな、と思います。みなさんも興味があればぜひ試してみてください。

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